ボロボロの胎盤【長男出産記録⑤】
①
前回の話
胎盤
息子はNICUに連れていかれ、胎盤を出すことになったのだが…
ここからが1番痛かった。
胎盤を取り出す処置に先生が苦戦している。他の先生に変わって(その先生の方が腕が細いらしい)それでも苦戦しているのが見てとれた。
お産と違って陣痛もないので、私の努力でどうこうできることもなく、「痛い、痛い!」と痛みを伝えることしかできなかった。
聞くと、胎盤がボロボロで途中でちぎれてしまい、子宮内に残ってしまったようだった。器具などを使用すると子宮内が傷ついてしまうので、手で取るしかないそうだ。
子宮まで手を突っ込んで取ってもらうことになったが、これがまぁ痛くて痛くて…。(いま書いてるだけでも痛い!)
力を抜こうにも痛すぎて、そんなことはできない。
合間に、「胎盤がボロボロだったから早産になったんですか?」と聞くと、
「それはまだわからない。エコーで見えなかった部分に胎盤剥離があった可能性もある。取り出した胎盤は病理に出す。」と言われた。
「病理に出すってドラマみたいやなー。」
と、思った。
痛いくせに、どこまでも呑気である。
結局は、私に麻酔をかけて眠らせその間に取ってもらうことになった。
同意書を書くのに看護師さんがバインダーを取ってきますから…というのを聞いて、「何を悠長なこと言うとるんや。」と思い、
ここで書くから大丈夫よー。と、手すりの僅かな幅を使い名前を書いた。
予定日より2か月前に産まれてきた息子のせっかち具合は、絶対に私の遺伝である。
そして酸素マスクをつけられ、麻酔されることになったが、意識があるうちにまた処置されそうになり「痛い!」とまた叫んだ。
先生が「麻酔かかってないうちにやっちゃダメでしょ!」と他の先生に言ってるのが聞こえ、「大人しく目を瞑らなあかんなー。」と思って、意識を手放した…。
………
出血量(でっかいコーラ1本分)
しばらくして、チクッとした痛みが何度か感じるようになり、
「あ〜、会陰切開された場所が縫われているんやわ…。」と、意識が戻ってくるのを感じた。
続いて「胎盤、見たかったなー」と思った。
元々、出産する予定だったクリニックのバースプランで1番希望していたことが「胎盤が見たい。」だったのだ。
いまでも見れなかったことが悔やまれる。
しかも、ボロボロになった胎盤だ。
見たかった…。
(後日、聞いたところによると子宮の収縮が思ったより早かったため、胎盤を取り出すのが間に合わなかったそうだ。胎盤を取り出すのは麻酔後、そんなに時間がかからなかったそうだ。)
時計を見ると、出産から2時間くらい経っていた。
少しぼーっとしていたら、看護師さんに気づいてもらい「よく頑張ったねー。すごい落ち着いた出産だったよ。」と、また褒めてもらいながら、汗だくになっていた顔を蒸しタオルで拭いてもらった。
出産ってこんなに褒めてもらうんだな、とそう思った。
すごい出血だったのよ。
と、看護師さんに教えてもらった。
通常、500mlくらいらしいが、
なんと1300mlは出血していると教えられた。
「大きいコカ・コーラの1本分くらいだね。」
と、看護師さんに言われて苦笑いしか出なかった…。
⑥へ、つづく
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