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≪Living Heritage 2≫無形文化財・Intangible Heritage

"わざ" というものに日本人は敬意を払い、無形の文化財としてそのわざを体現する人を人間国宝としてきた。"道"ということもそうだけれども、それを体現しているものに、尊敬の念を抱く。

無形文化財の概念は、ダンスや音楽の他に、ものづくりに宿る技や心、生き方として、日本人には実感として解るものなのかも知れない。

西洋の文化遺産保護の憲章の中でintangibleという言葉が出てきたのが、1994年のオーセンティシティに関する奈良ドキュメントで、これは伊勢神宮の遷宮の概念が一つの議論の焦点だったらしい。ユネスコが Text of the Convention for the Safeguarding of the Intangible Cultural Heritageで無形遺産の保護の条約を制定したのが2003年だ。

1950年に日本の文化財保護法は制定されたが、その中で無形文化財というものは規定され、保護の対象となっている。Intangible heritageに関して、日本の国際的な文化財保護の概念への貢献は大きい様に思う。

人間国宝という概念が日本だけのものなのか分からないけれど、少なくともイギリスには無いと思う。

先行き不透明な、どう生きて行ったら良いか迷う時代に、工芸や伝統芸能を志す人たちの真剣さや集中のクオリティーには、何か響くものがあるのではないか。そして日本人には、それを美と感じる素地がある。そんな人たちの人生の質が、単純にカッコいいと人々に届くようであればいいなと感じている。

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