Tableau Desktop Specialist 過去問と勉強法
本記事はTableau Desktop Specialistの問題集(152問収録・解説付き)のほか、試験に向けた勉強法や資格を取得するメリットなど、筆者の経験を交えて紹介しています。
Tableau Desktop Specialistについて
Tableau Desktopの資格は3種類ありますが、その中で最も基本的なものがSpecialistになります。
基本的な機能と製品の理解が中心の試験となりますが、推奨される製品使用経験は3か月以上となっており、推奨トレーニングの範囲も初級~中級とそれなりの理解度を求められる内容となっています。
試験範囲については以下の通りです。
試験の難易度
Tableauの幅広い機能を網羅的かつ正確に理解できれば特段難しくはありませんが、逆を言うと機能のことを理解していなければ正しい答えを導き出すことは不可能ですので、出題範囲を広くカバーするという意味ではそれなりの学習時間は必要かと思います。
試験ガイドでは3か月以上の使用経験が必要とありますが、普段からエクセルなどでデータ集計・分析などを行っている人が初学の状態からスタートして最短でも50時間は要すると考えています。資格を取得した経験をもとにお伝えすると、独学での合格はかなりハードルが高いと思います。
試験対策と勉強法
私がおすすめする勉強法は大きく分けて3点あります。
①Tableauの参考書籍をもとに機能全般を網羅的に学習する
まず①についてですが、こちらはTableauの機能全般を紹介している書籍を購入した上で、Tableauを実際に触りながら基本的な機能を隅々まで頭に叩き込むというものです。
試験では普段使わないようなニッチな機能についても問題として出題されるため、参考書籍を読みながら頭で理解した上で、実機を使って体に覚えさせるという訓練が必要です。
なお、私が購入した書籍は以下になります。実際の画面でわかりやすく図解されていることや、ボリュームが多いこと、さくいんが付いていることなどから非常に重宝しました。※ただし、出版日が2020年6月とやや古いです。
②過去問を参考に習熟度を確認する
つぎに②についてですが、過去問を実際に解いてみることが非常に重要です。試験は出題範囲が広く機能の細部まで問う問題もあるため、参考書籍で覚えたつもりでいた内容が以外と記憶から抜け落ちていたりすることに気付けると思います。
また、問題のクセや細かさなど、出題傾向を把握するという点でも過去問対策は必須と言えるでしょう。
③習熟度の低い箇所を参考書籍と過去問で反復学習する
最後の③については、どのような試験勉強でも同じことが言えると思いますが、覚えるまで何度も繰り返し学習を行うというものです。
過去問の中には参考書籍には掲載がないようなニッチな機能・手法に関する内容も含まれているため、Tableauのヘルプやコミュニティで参考になる情報を検索すると良いでしょう。
資格取得のメリット
Tableauは2003年にアメリカで設立されたソフトウェア会社で、BIツールとして世界的な知名度があります。日本市場には2013年から本格参入していますが、2019年にGAFAに並ぶ巨大IT企業であるセールスフォースにより買収されたことにより、今後の日本市場での普及が加速していくものと思われます。
では、現在の日本におけるTableauの普及状況や企業ニーズといったものを、転職市場という観点で見た場合はどうでしょうか。
2023年1月にビズリーチが発表したレジュメ検索トレンドでは、Python SQLの関連ワードとしてTableauが選出されています。
Tableauをすでに活用している企業や今後導入を検討している企業にとって、Tableauの実務経験や資格保有者の採用ニーズはある程度高いと考えられます。
私も転職活動を通じて、Tableauを導入している企業に対して即戦力人材としてアピールできることや、企業が転職者を評価する要素にしていると感じることがあります。
また、これからTableauの導入を行う企業や活用推進を行う企業のほか、このような企業を支援するコンサルタントについては、自身に対する信頼感を高める観点で資格取得のメリットの大きい資格であると考えています。
本記事について
本記事では択一、複数回答の設問形式で出題される練習問題を掲載しています。サンプルとして10問目まで無料公開していますので、試験対策として有用なものか確認のうえ購入を検討頂ければと思います。
練習問題(1~152問)
問1.正誤問題:ディメンションでビンを作成することができる
正解:誤り
解説
ビンとは区間のことを言います。ビンの編集画面でメジャーの値の範囲をどのように分割するか指定します。
ビンで編集ができるのはメジャー(または数値ディメンション)になるので、答えは誤りになります。
問2.正誤問題:ハイライトアクションは、ワークブック全体で無効にできる。
正解:正しい
解説
凡例表示する場合、ワークブックやシートのハイライト アクションは、ツール バーから無効または有効にすることができます。
問3.正誤問題:同じビューで合計や平均のメジャーを複数回使用することができる。
正解:正しい
解説
同じビューでメジャーを複数回使用することは可能です。 たとえば、次の画像では同じビューで収益の合計と収益の平均の両方を使用しています。
問4.定義上、Tableauは時間の経過に伴うメジャーを____________として表示します。
1. バブルチャート
2. 棒グラフ
3. 積み上げ棒グラフ
4. 折れ線グラフ
正解:4
解説
折れ線グラフは、ビュー内の個々のデータポイントを接続します。 これらは、一連の値を視覚化する簡単な方法を提供し、時間の経過に伴う傾向を確認したり、将来の値を予測したりする場合に役立ちます。
以下のイメージは四半期の売上と利益を折れ線グラフで表示する例です。
問5. 単一のデータソース内の複数のテーブルに一度に接続するために使用するのは次のうちどれですか?
1. データブレンド
2. 階層
3. セット
4. データ結合
正解:4
解説
Tableau で分析するデータは、ビューの特定のフィールド (つまり列) で関連付けられた表の集まりで構成されています。結合は、共通のフィールド上の関連データを組み合わせる方法です。結合を使用したデータの組み合わせの結果は、データの列を追加することによって通常は横方向に拡張された仮想テーブルです。
例:単一データソース内の複数テーブルをデータ結合した場合のイメージ
問6. Tableau Serverの実稼働での使用に推奨されるRAMの最小量はどれくらいですか?
1. 8GB
2. 16GB
3. 32GB
4. 64GB
正解:3
解説
TableauServerの実稼働での使用に推奨されるRAMの最小量は32GBです。インストールするPCのハードウェアの最小要件として覚えておきましょう。
問7. ビンに変換されたデータを利用するのは次のどのグラフでしょう
?
1. ガントチャート
2. ブレットグラフ
3. ヒストグラム
4. ツリーマップ
正解:3
解説
グラフの種類と内容の理解度を問う問題です。各グラフにどのような特徴があるか、グラフのイメージとセットで覚えておくと良いでしょう。
ガントチャート
たとえば、さまざまな製品の平均配達時間を表示する一定期間におけるイベントやアクティビティを表示する場合など、一定期間におけるイベントやアクティビティを表示するには、ガント チャートを使用します。
ブレットグラフ
あるデータを棒グラフの形で展開し、そこに比較したい基準データ(目標値など)を線の形でプロットしたものになります。 少ないスペースで、2つのデータを比較することが可能です。
ヒストグラム
分布の形を表示するグラフです。 ヒストグラムは棒グラフのように見えますが、連続メジャーの値を範囲またはビンにグループ化します。ビンとは、サンプルデータをグラフ用に並べ替えるために使用する、等間隔の区間のことです。
以下の例は出荷までの日数をヒストグラム表示した場合で、出荷までの日数が4日(左から4番目の棒グラフ)かかる集団が最も多いことが分かると思います。
ツリーマップ
ネストされた長方形にデータを表示します。ディメンションを使用してツリーマップの構造を定義し、メジャーを使用して個々の長方形のサイズまたは色を定義します。ツリーマップは、比較的単純なデータ可視化であり、視覚的に魅力的な形式です。
問8. 傾向線は数値フィールドまたは日付フィールドでのみ使用できる
正解:正しい
解説
傾向線をビジュアライゼーションに表示して、データのトレンドを強調することができます。
ビューに傾向線を追加するには、両方の軸に数値として解釈できるフィールドが含まれている必要があります。 たとえば、列シェルフに文字列を含む製品カテゴリディメンションがあり、行シェルフに利益メジャーがあるビューにトレンドラインを追加することはできません。
ただし、売上と時間の両方を数値として解釈できるため、時間の経過に伴う売上のビューに傾向線を追加できます。
例:年の経過に伴う売り上げの変化と傾向線
問9. 正誤問題:内部結合は両方のテーブルのすべての行が表示される
正解:誤り
解説
問題の説明は外部結合のことなので誤りとなります。
データ結合の種類と内容の理解度を問う問題の対策として、それぞれの結合方法を確認していきましょう。
内部結合
内部結合を使用してテーブルを組み合わせると、結果は両方のテーブルに一致がある値を含む表になります。
外部結合
完全外部結合を使用してテーブルを組み合わせると、結果は両方のテーブルのすべての値を含むテーブルになります。いずれかの表の値が、他の表と一致しない場合、データ グリッドに NULL 値が表示されます。
ユニオン
ユニオンは結合の一種ではありませんが、1 つの表の行にあるデータを別の表に追加することによって 2 つ以上の表を組み合わせる別の方法です。ユニオンを実行する 2 つの表のフィールド数が同じであり、両方のフィールドで名前とデータ型が一致していることが理想です。
問10. 正誤問題:SUMは表計算ですか?
正解:誤り
解説
表計算の理解度を問う問題です。
SUMは集計関数であり、表計算ではありません。
表計算は、ビジュアライゼーションの値に適用する変換です。 表計算は、Tableauのローカルデータを計算する特殊なタイプの計算フィールドです。 これらは、現在ビジュアライゼーションにあるものに基づいて計算され、ビジュアライゼーションから除外されたメジャーまたはディメンションは考慮されません。
最も一般的な表計算は次のとおりです。
・累計
・差…年によってどのように売上が増減しているかが分かる
・差の割合…前年との売上の差を割合で確認できる
・合計に対する割合
・ランク
・百分位…100%を1位として%でランク表示
例:表計算を使用して、2017年各月の売上を基準に各年における各月の売上を割合で表示した場合
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