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社内ナレッジは、何故蓄積されないのか

こんにちは、ゆりです!
最近、社外の方とナレッジマネジメントについて話すことがありまして、
思うところを記載します。
DX戦略の1つとしても、挙げられる項目ですね。


ナレッジマネジメントとは

さて、ナレッジマネジメントについて話そうとするとき
ツールについて話そうとする人は、「動かないコンピュータ」を増やすだけなので排除します(笑)。
すごく極端な方の例では、
既存でかなり蓄積されたナレッジシステムをデータ移行無しで廃止し
わからないことは人に聞けばいいので、新しいナレッジシステムを導入しましょう!だって格好いいから!
と本気で言っていました。彼女にとって資産はナレッジではなく目新しいシステムのようです。本末転倒、笑いの的でしかありません。

社内ナレッジの本質は、無形資産であり、企業競争力を築く柱の1つです。
少し古いですが、下記のレポートが丁寧に書かれていました。

自律した社員(自律型社員)となるには下記の 3 つのスキルが必要である。
・業務ノウハウ(仕事の仕方)
・創造力
・判断力/意思決定力

引用元:
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会 https://juas.or.jp/profile/outline/
日本企業に最適なナレッジマネジメントの実践的活用の研究 https://www.juas.or.jp/cms/media/2017/01/02knowledgemngmt.pdf

このうち、業務ノウハウの蓄積を人間以外の媒体で行うことが、ナレッジ管理システムの主な用途です。

会社VS社員

企業体質が2種類あります。
知識は会社が持つならば、その企業は強くても、中の社員は退職すればアクセス不可になり、ただの人になります。退職率が抑えられますね。
知識は人が持つ場合、その企業は個人事業主集団のようになり、その人が休むと業務が停止、その人が退職すると再現不可能になります。

前者で、ナレッジマネジメントができていると、過去の類似プロジェクトを退職済社員が担当していても、その進め方が調べられたりします。
コンサルティング業やシステム業などの、いわゆる高級人材派遣では、
業者によるナレッジ搾取を防ぐため、常駐強要&PC配布を行うお客様も居られます。ここが駆け引きです。

ですから会社はナレッジマネジメントがやりたいわけですが、実際、システムがあっても、書く人はとても限られます。
ほとんどの人は、後者のように「自分にしかできない仕事」を作ることで自分の価値を高める一方、
人から知識を盗み、その知識によってできる仕事を自分の物にしようとします。
悪く言えば全ての新人さんはそうですし、60代高齢社員など切られやすい立場の方もそう。
ミドル層も、創造力や判断力で仕事をしている人以外は、ナレッジ化すれば外注化される可能性があります。
ですから、社員が会社を余程信頼していないと、ナレッジ共有は行われないのです。
昔の職場で、明らかに誰でもできる仕事を隠すことで一般社員の倍の年収を勝ち取っていた方が居ました。会社が管理できていないと、こうなります。

社内ナレッジを蓄積させるには

とはいえ展開した途端にチープ化するのは事実。
ですから会社は強制的にナレッジを書かせたいなら、それを評価項目とするか、
ジョブローテなどで「書かないと回らない」ようにする必要があります。

では、自分から書く人はどんな人なのか?
これは製品開発などに多いのですが、創造力があると社内で知られていて、書かないと質問攻めにあう人。
もしくは社内法律を作ることが仕事で、判断基準などのルールブックを書いて展開する役の人。
どちらも、展開すべきものがあるポジションの人ですね。
ハイエナがたかってくるのは誰でもウザい。だから誰でも参照できる場所に書いておく。

ところが近年、リモートワーク化によって、チャット無視などすれば、「ハイエナがたかってくる」状況を回避できるため
こういったポジションの人も、書かなくなりつつあるのではと、想像しています。
逆に近年は社内チャットが浸透したことによって、無意識に強制的に蓄積できると主張する人が居るのですが、
実際のところ、「自分にしかできない仕事」を作りたがる人は、チャットでの発言に対する注意力も高いので、発言しません。
だからといって、「発言が少ない人」を特定するシステムまで登場されてましたね(笑)。特定してどうするのか。。。

1年に〇件のナレッジを書くと強制していた会社もありましたが、
与えられた作業手順の通りに仕事をするポジションの人は書くことがなく、困っていました。
強制するにも所属部門などを限定しないと、そうなります。
インセンティブ化すれば、ナレッジが溜まるどころではなく、インターネットのごとく無駄投稿が増えますしね。
このテーマは永遠の駆け引きになりそうです。

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