小説の面白さに目覚めた
最近のマイブームが小説を読むことなので、ハマった経緯や好きな作品についてお話しさせてください。
元々読書は好きな方だったのですが、エッセイやビジネス書がほとんどでした。
せっかちな性分も相まって、物語を順を追って読むことに苦手意識があり、気になった小説を買って読み始めても、最初の5ページを過ぎればすっ飛ばして結末だけ読むような人間でした。
ビジネス書やエッセイの良いところは好きなところから読んでも問題ないところです。
1日の時間を本を読むことにあまり割きたくない時は、目次を見て気になるところだけ読むことができるので、読書に効率性を求めていた時期は、「小説はなぁ…全部読めないから勿体無いよなぁ…」と敬遠しがちでした。
そんな私が小説に目覚めた一冊がこちらです。
「イヤミス」(イヤな気分になる後味の悪いミステリー)というジャンルにあたるようですが、正直ほぼホラーに近いです。
読む人をかなり選ぶ作品なのでおすすめはしないでおきますが、ミステリー好きでスプラッタがOKな方はぜひ読んでみてほしいと思っています。
恐ろしいシーンに目が行きがちですが、この小説は叙述トリックが仕掛けられており、最後に物語のどんでん返しが起こります。
あろうことか、当時の私はこの小説を「叙述トリック」ものと知らず、序盤と結末を先に読んでしまいました。
「え?どういうこと?」となり、ネット上の解説を見ながら中盤の物語を読んだ時、「なんで順を追って読まなかったんだ」と絶望しました。
順当に読んでいけば、もっと感動できたかもしれないのに。
これをきっかけに物語を読むことの面白さに目覚めた私は、もう止まりませんでした。
ブックオフの通販で安くなったミステリー小説を買い漁り、出先では必ず本屋に立ち寄って、面白そうな作品がないか、文庫本コーナーを徘徊するようになりました。
最初こそミステリー小説から始まりましたが、現在はそれ以外のジャンルも読むことが多くなってきました。
物語に没入できる体験は、映像や漫画でしかできないことだと勝手に思っていましたが、活字だけだからこそ、自分の中で無限に想像を膨らませることができて素敵だと思うのです。
少し前の自分と同じような理由で小説を敬遠している方がいれば、声を大にしてこの魅力を語りたいです。
最後に、個人的に私が好きな小説を簡単に紹介して終わります。
好きな小説ってこうして並べてみると、その人の好みが如実に表れますよね。
カバー表紙だけ見るとホラーかと思いますが、どちらかというとミステリー色が濃い作品だと思います。心霊ものではありません。
序盤と終盤で登場人物の印象がガラッと変わるので、読後感は賛否両論ありますが、私はかなり楽しめました。
先ほど紹介した「殺戮にいたる病」みたいなストーリーが好きな方にはお勧めしたいです。
実写映画もありますが、小説を読んだ後だとかなり茶番みを感じるので、「見なくてよかった」という気持ちが大きいです。
「コンビニ人間」で有名な村田沙耶香さんですが、私は著名作以外の方が好みです。
「モラルってなんだろう」「普通に生きるってどういうことだろう」と考えさせられる描写が多い村田さんの作品の中でも、特にその色が強く出ているなと感じました。
タイトル通り殺人シーンがありますが、ここまで殺人を美しく文章にできるのか…と感嘆させられます。
作品自体は割と短めなので、1時間もあればサクッと読み終わります。
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