地獄でなぜ悪い

この映画は僕の好きな "園子温" だ。
快と不快の境界をついてくる、監督の魅力が詰まった作品だった。
それほど園子温監督の映画を観てきたわけではないが、監督のコメディ作は初めてだった。
星野源の振り回されっぷりはかわいそうだけど笑える、王道のコメディだった。
彼は本当に気弱な男の役がよく似合う。
長谷川博己は『シン・ゴジラ』や何かのドラマで観たクールなイメージがこびりついていたが、そのイメージが崩壊した。
でも、あのエンディング、あのシーンはイヤイヤしてたのかなぁという終わり方だったけど、気のせいだろうか?
堤真一は完全にコメディ俳優になってしまった。
二階堂ふみと対面したときの顔がひどい。
完全に "稲中" に出てくるキャラの顔だった。
ここ最近、堤真一が真面目な演技をしている映画に当たらない(笑)。

それにしても園子温の映画は痛そうだ。
クライマックスのシーンは本当に痛そうで顔をしかめてしまう。
星野源はあの状態でよく生きていたものだ(笑)。
コメディだから人が死ぬシーンももう少しソフトにしてくれたらなぁ、と思ってしまうが、それだと園子温作品のアイデンティティがなくなる。
グロが園子温作品の名物なのだから。
それでも、僕は痛そうなシーンが苦手なのだ。
ならなぜ園子温作品を観ているのだろう?
…なぜだろうね?

#映画 #園子温 #星野源 #長谷川博己
#堤真一