宇野昌磨のBoleroから妄想するSomething New Breath(リズム編)
グランプリシーズンいかがお過ごしでしょうか。
シーズン始まる前に書きたかったのに私が怠け者なせいでこんな時期になってしまった昌磨の今シーズンのFPについてねっとり妄想していきたいと思います。
今季昌磨FPの楽曲がこちら。タイトル「BoleroⅣ-NewBreath-」
原曲は誰もが聞いたことのあるあのBoleroなんですが
新たな息吹というサブタイトルの通り、なかなか斬新なアレンジのボレロ風楽曲になっております。
実際にどんなところが古典Boleroと違うんか、ねっとり観察しようじゃありませんか。
古典ボレロファンを激怒させる?NewBreathingなショレロの拍子
さて、ピアノを習ったことのある人ならたぶん気付いている方も多いと思いますが、古典BoleroとNewBreathではまず根本的に違っている部分があります。
それが拍子!
私のようにピアノをやらない人でも、音楽の授業で↑のような分数を見たことがあるでしょう。
拍子とは、1小節の中でリズムをどう切り分けてパック詰めするか、という考え方みたいなものです。
古典Boleroは3/4拍子の楽曲で、ワルツのリズムを使っています。
ところがNewBreathBoleroの楽曲はどうも6/8拍子を使っているようです。
6/8って約分すると3/4なので、そんな違わないんじゃ?って思うじゃないですか。
どっこいこれが音楽的には大違いらしいのです。
どう違う?3/4と6/8拍子
Boleroのリズムと言えば超有名なこれ↓ですが
スネアドラムで始まる上記以外にもリズムを取っているパートがあります。
実際の楽譜を見てみましょう。これがBoleroのリズム部分を取り出した楽譜になります。
下の段はスネアドラムと同じリズムを叩いています。
今回注目したいのは上の段。1小節に同じ長さの音が3つ。つまり3拍子。ずん・ちゃっ・ちゃっのワルツのリズムを取っているんですね。
そして上下見比べると、実は下段のスネアドラムのリズムの方も、ずん・ちゃ・ちゃと同じく三つの塊にパッケージされていることがわかります。
因みに赤い字の音符が強迫になるので、観戦中手拍子するときはここで手を叩いておくと手拍子で外すことはない。。。はず!
ではこれを6/8拍子に変換するとどんなかというと、こんな感じです。
ん?なんも変わってなくね?と思ったそこのあなた。
正解!
実際演奏すると二つのリズムは同じように流れます。
しかし楽譜の下段をよく見ると、音符の塊の分け方が、微妙に違っているのにお気づきでしょうか。
古典Boleroでは3つの塊に分けられていたものが
6/8拍子では2つの塊になっています。
ということはつまり、下段は2拍子のリズムで表記されちゃうんです。
でも上の段の3拍子リズムも共存しています。
2拍子のリズムなのに、3拍子でも行こうと思えば行ける。
それが6/8複合拍子くんなわけです。
3拍子が「ずん・ちゃっ・ちゃっ/ずん・ちゃっ・ちゃっ」だったとしたら
2拍子は「たん・とん/たん・とん」って感じのリズムなんですが
この二つの拍子が共存する6/8拍子のリズムを例えるなら
「たらら・たらら/たらら・たらら」って感じになります。
で、↑見ていただいてわかる通り、ボレロのリズムを6/8拍子でやると、上段ソの音が1拍子目と2拍子目にちょうど跨ることになってしまうので、
その割り切れなさが古典Boleroファンをぞわぞわさせているポイントかなと思います。
実際演奏するとなると、古典Boleroのリズムに馴染んでいればいるほどこの拍子はやりずらいでしょうね。
それに現地のとき手拍子どうすりゃいいのよともなるのよね。2拍子だったり3拍子だったりするから。
とりあえず小節の1拍子目だけ手をたたけばきっとうまくごまかせるはず!
実際どっちの拍子で滑っているのかな?
で、場合によって3拍子だったり2拍子だったりするショレロのリズムなんですが、
実際の演技ではどのように取り入れられているのでしょうか。
音楽を聴く分には、冒頭から2拍子のリズムで数えていくと、引っかかりなく最後まで拍子を数えられるので音楽全体には2拍子で取ってよさそうです。
ただ冒頭のファンファーレ的な音楽が終わった後、急に静かになってスネアドラムが鳴るあたりから、4Tの前あたりまでって、昌磨の足元3拍子じゃないですか?
ISU動画だと00:30から演技開始なんですが
00:30ー00:40 2拍子
00:40-01:30 3拍子
01:30ーFin 2拍子
のように踏んでいるように見えたんですよ。
まぁ00:40に手を上げて静止した後、トゥを3回ついて前進するんですけど
その3回のタイミングが見事に3拍子に合っている気がしてそう感じるのかもしれないですね。
ちなみに2:35付近のクロスやそこからのイーグルなんかは2拍子にはまっていて
昌磨の足元を見ながらどちらか一方の拍を追いかけてるとすごく私の頭が悪くなる気がします。まぁもともと悪いんですが。
拍子によって変わること
メロディラインが同じでも、拍子によって曲の雰囲気は変わるのか?
結論をから言うと、リズムを変えるだけで曲の雰囲気は大きく変わります。
カエルの歌のメロディで検証したサイトがあったので是非聞き比べてみてくださいね。
で、原曲の3拍子(ワルツのリズム)が優雅な雰囲気を醸し出すリズムであることは、多くの人が感じていることと思います。
では2拍子の曲とは?
2拍子は行進曲によく用いられるリズムで所謂マーチのリズムになります。
「行進する」「突き進む」みないな雰囲気のリズムなわけですね。
古典の3拍子ボレロを6/8拍子にすることで
2拍子的雰囲気が加わり
「ガンガン行こうぜ!」モードの Something New Breath が出来上がっているわけです。
めっちゃ優雅だけど
ただ優雅なだけじゃなく、迫力があり、加速感がある。
いやー
これからますます楽しみなプログラムです。
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