七十二候って何?
暦のお話会などで、七十二候のことを話すと関心を持ってくださる方が多くいらっしゃいます。七十二候とは、二十四節氣をさらに三等分したもので、約5日ごとに季節の様子を伝える短文が登場します。
その源流は紀元前770年頃(中国の春秋戦国時代前期)の中国にみられ、日本には奈良・平安時代にやってきました。当時は、中国伝来そのまんまの名称を使っていましたが、中国との季節のズレなども考慮され、幾度かの改編を経て、現在の形に落ち着いています。
ということで今回は、七十二候について書いてみたいと思います。よろしくお付き合いください。
五日ごとの季節便り
七十二候の特徴としては、その短文の内容が、風、雨、虹といった氣象に関するものや、鳥、虫、魚といった生き物、そして草や花に関することといったように、いわゆる観天望氣したものを季節の声としてまとめている点にあると思います。
例えば小満には、
初候 蚕起食桑 5/21~ (かいこおきてくわをはむ)
次候 紅花栄 5/26~(べにばなさかう)
末候 麦秋至 5/31~(むぎのときいたる)
という3つの候が存在します。
自然が身近に
これらの言葉をちょっと意識するだけで、ずいぶんと自然が身近になります。例えば「麦秋至」という候になれば、僕は麦の生育状況がちょっと氣になったりして、道すがらきょろきょろします。そうして順調に育った穂を見つけると、なんだかとってもうれしくなります。それこそ小満の語源となる「小さく満足する」みたいな。
中医学では、自然に添って暮らすことが、自身の生を養うこととします。普段から自然と密に接している方なら、そんな必要もないかもしれませんが、少し自然と乖離しがちな現代にこそ、この七十二候というものは、そちらの側に引き戻してくれる、そんなアイテムのように思っていて、僕自身はとても重宝しています。
推し候をもってみる
七十二候すべてを追っかけるのは、ちょっとせわしない、と感じる方もいらっしゃるかもですが、そんなときは、自分の好きな候、推し候のようなものを、ふたつみっつ持つだけでも、ずいぶんと心躍るんじゃないかな、なんて思います。
天+虫=蚕
ちなみに繭(まゆ)は、古事記では大氣都比売神(おおげつひめのかみ)の頭より、日本書紀では保食神(うけもちのかみ)の眉より生まれました。眉から繭て。笑。このように神の肉体より生まれた繭を作る蚕(こ)は、「蚕(かみこ→かいこ)」と呼ばれるようになったとも。文字通り、天の虫ですね。
ちなみに五穀の創始は、日本書紀では、こんな感じです。
額:粟
眉:繭
眼:稗(ひえ)
腹:稲
陰:麦、大豆、小豆
ではよい初夏を。
ゆらね養生雑記 旧暦卯月号
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