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靴下専門メーカーグレン・クライド 橋本満さん。穴が空いたら無料で交換?その耐久力の秘密とは

ニッポン放送で40年近くラジオに携わってきた上柳昌彦アナウンサーが、東京・有楽町に関わる様々な人をゲストに迎え、有楽町の魅力やそこで生きる人の思いを聞くポッドキャスト番組「有楽町ひとさんぽ」。

今回のゲストは、新橋の高架下に誕生した日比谷OKUROJIに出店。靴下専門メーカー グレン・クライド 代表取締役 橋本満さんです。最高級靴下を作るに至った経緯と有楽町の魅力についても伺っていきます。

「穴が空いたら無料で交換」自信の靴下

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JR有楽町駅の富塚駅長が「穴が開いても永久保証の靴下屋さんがあるんだよ」と教えてくださいました。これはどんな靴下なんでしょうか

この靴下は糸が特徴的で、鞄なんかも扱っている「CORDURA(コーデュラ)」というアメリカで開発された強度のあるナイロンがあるんです。
それとコットン60%とコーデュラナイロン40%を混ぜた糸を使っているんです。そもそも糸が丈夫。それがまず一つポイント。
それと、さらに研究して穴が開かないような編み方とかそういう補強をしてやっと製品になってお届けするという感じになりますね。

その靴下はどれくらい耐久性があるんですか

公的機関で「摩耗テスト」っていうのがあるんですよ。
その中で金属のブレードで擦っていくテストがあるんですけど、他社のよくある靴下を買って検査をしたら1300回弱で穴が空いたんです。
ただ公的機関では500回で合格。王手の企業さんでも「1000回はいってください」と言っていますので、この1300回弱というのは十分いい品物なんです。そしてうちの靴下はどれくらいなのかと言いますと、とりあえず3万回はクリアしている品物です。それ以上は経過費用がどんどんかかってしまうので行ってません(笑)お金がそのうち資金に余裕ができたら穴が空くまでやってみたいと思います。

夢の靴下に込められた 橋本さんの想い

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なんでこういうものを作ろうと思ったんですか。

うちの会社は28年なんですが、僕はもう35年。ソックスばっかりを見てきて、やっぱり自分の商売なので物一つでもストーリーがないといけないなと思っているんですね。
だからただ単純に履ければいいというものでもなくて、履いた人が豊かな気持ちになってもらったり、そういうものを発信していきたいという想いがずっとあったんですよね。

1足おいくらくらいなんですか

これは税抜きですが2000円です。ただ穴が空いたら新品と交換させていただきます。もう交換に来られた方もいますよ。
現場仕事の方だったり、本当によく歩く営業の方、飲食店の方とかですね。普通靴下って穴空いてしまったら「空いちゃった!」と思うんですけど、うちの場合は「よし!新品になる!」
というそういうのもあってもいいんじゃないかなと思っております。

「競争しないように、負けないように」

長い間靴下に携わってきて、今までどんなことがありましたか

みなさん一度は履いたことあると思うんですけど、くるぶしまでの丈のアンクルソックス。あれを日本で最初に売ったのが僕なんです。
もう27年くらい前になるんですけどね。そのまた何年も前に「こんな短いソックスあったら面白いんじゃないかね」という話があったんですが
ただその頃はやっていた靴が"K-SWISS"とかadidasの"STAN SMITH"とかちょっとポート系の短めの靴だったんですね。だからどうしても見えちゃう。
これはダメだなと話は流れていたんですけど、たまたまその頃ナイキのジョーダンとかハイカット・ミドルカットのスニーカーがブームになったんです。その時に「今ならこれいけるのかな」ということでもう一回チャレンジしてみたんです。やっぱりあの靴だと足首がすっきり見えていた方がかっこいいんですよね。

そのアンクルソックスで成功し巨万の富を得た…わけではなさそうですね

そうだったら今頃違うことしてたかもしれないですけど(笑)最初の9ヶ月全く売れなかったんですよ。営業しても「こんなの座敷あがったらかっこ悪いじゃねえか」なんて言われてました。
ただ「BEAMS」さんだけ「都内店5店舗だけね」っと言って最初買ってくれてたんです。それでもあまり売れなかったところ「Begin」という雑誌があるんですけど、それが今月のおすすめ商品みたいなので「BEAMSのアンクルソックス」ってドンと載っけてくれて
その2日後からもう大変です。靴下の歴史が変わる瞬間を見たような気がします。

その時、橋本さんは何を思いましたか

当然ですけど少し儲かるわけです。ところがこれは売れるんだとみなさんがわかった瞬間、中国あたりからコンテナで安いのがドカンと入ってくるんですね。それで僕は弾き飛ばされました。パイオニアかなと思って仕事をしていたけれど、現実弾き飛ばされた時に「あぁ俺って競争に弱い人間なんだな」って思いました。
それから20何年間はなるべく人と競争しないモノ作り、競争しないマーケット作り、そればかりをずっと繰り返して、やっと今なんとなく形になってきたって感じですね
簡単に「ニッチ」ってよく言いますけど、実際そこだけをずっといくと根性とそういう生命力が必要になってくるのでなかなか大変でしたけどね。

有楽町の豊かさとは

私が育ったのは日野とか八王子の方なんですけど、有楽町という街にずーっと感じているのはほぼほぼあまり人住んでないですよね。なのに生活臭がするという銀座とかとはちょっと違う感じをずっと得てます。
だから色んな新しいものができてくるんだけど、生活の匂いを感じることができる都会のど真ん中っていうイメージがありますね。

全編はポッドキャスト「有楽町ひとさんぽ」で公開中。ゲストはJR有楽町駅・駅長 富塚幸雄さん。「有楽町ひとさんぽ」はポッドキャストで聴くことができます。全編無料です。​

「有楽町ひとさんぽ」は、有楽町の街の新しいテーマソングを公募するプロジェクト「有楽町うたつくり計画」と連動した超ローカルポッドキャスト番組です。有楽町で働く方、生きる方をゲストに迎え、街の魅力や歴史、展望などを伺っていきます。

<有楽町ひとさんぽ>
毎週月曜日、最新エピソード配信予定。
「有楽町うたつくり計画」公式サイトほかポッドキャストで聴取できます。

<有楽町うたつくり計画>
有楽町の街の新しいテーマソングを創り上げる楽曲募集企画。
一次審査通過者は、音楽プロデューサー・本間昭光さんとのワークショップを通して、楽曲をブラッシュアップし、有楽町の”まちうた”をつくりあげていきます。詳細は公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.1242.com/project/yurakucho

「GLEN CLYDE SOCKCLUB TOKYO 日比谷OKUROJI」information
HP:https://glen-clyde.com/index.html
住所:東京都千代田区内幸町1丁目7ー1 日比谷OKUROJIG03
電話:03-6205-7171



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