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Starfield:いつものベセスダが送るスペース・オペラRPG

皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。今年もあと三ヶ月ほどとなってしまいましたね。自分は相変わらずゲーム三昧の日々を過ごしています。

さて、早速ですが今回の感想記事は「Starfield」です。自分はSFもRPGもかなり好きなので、ベセスダの新作がハードSFだと発表されたときは小躍りしましたね。延期があったり、プレイステーションで発売されなかったり、自分のよわよわPC君で動くか心配だったりと懸念事項が多かったですが、それらを乗り越えてついこの間クリアしました!

プレイ時間は80時間ほど。Xbox Game Passを利用してプレイしました。

本格派のスペースオペラ

Starfieldで特に良かったポイントは、世界観のデザインとストーリーです。人類が宇宙へと版図を広げた世界が舞台の本作ですが、SF好きの自分から見てもかなり硬派な作りになっていたと思います。

まず、デザインがかなり良かったです。「NASAパンク」と呼ばれる本作のアートデザインは、FalloutやThe Outer Worlds、Cyberpunk 2077などのSFRPGよりもケレン味はありませんが、現実から延長した未来を感じさせるリアリティがありました。とある場所で手に入る宇宙服なんかは、現実にあるものと同じデザインですしね。

メインストーリーはアーティファクトという未知の物質を調査していく中で「アーティファクトとは何か」「どうやって人類は宇宙へ出たのか」「なぜ地球は滅びてしまったのか」など明らかになっていきます。まさにセンス・オブ・ワンダーで、『星を継ぐもの』なんかを読んでいるような感覚になりました。ちょっとネタバレになりますが、NASAの研究所に行くミッションや、量子力学の研究者である仁科博士の名を冠したニシナ研究所が出てくるミッションが良かったです。当然、ニシナ研究所のミッションは量子のもつれ状態がテーマになっています。

各勢力のミッションはメインストーリーに比べて、カジュアルなSFになっています。異常発生したエイリアンについて調査するものや、宇宙海賊にスパイとして潜入するものなんかがあります。どれも面白かったです。

すべてのミッションをクリアしたわけではありませんが、あらゆるSFジャンルを取り揃えているような気がします。ネビュラ賞狙えるんじゃないですかね。

ビルドシップは面白い

本作のもう一つ良かったところは、ビルドシップです。宇宙船のパーツを自由に組み合わせて、自分だけの宇宙船を作ることができます。見た目だけでなく内装も変化するのは素直にすごいと思いました。コクピットや出入り口の位置によって、宇宙船の使い勝手が変わってくるんですよね。

メーカーによって見た目の特徴が異なるのもフレーバーがあって良かったです。自分はやっぱり最初に手に入るフロンティア号のメーカーであるノバ・ギャラクティク社のパーツが好みです。なんというか馴染みます。

ビルドシップ自体は良かったのですが、後述する問題のせいで自由度はかなり制限されているように感じました。

ゲームバランスは結構ひどい

ここからは文句です。

今作はいつものベセスダのRPGということで、めちゃくちゃアイテムがあります。一つ二つの拠点を攻略すると荷物はいっぱいになってしまいます。宇宙船には貨物室があるのでそこに保管しておけるのですが、これが初期だとかなり小さいです。拠点に倉庫を置いて対応しようとしても、これも初期だとかなり小さいです。しかも、拠点に荷物を保管すると、わざわざ拠点がある星まで行ったり来たりする必要があります。ゲームのテンポが著しく悪くなります。

結局、自分はパイロットスキルを上げて、ランクの高い宇宙船に乗り換えて、貨物室を限界まで増設して解決しました。スキルを取らざるを得ないのと、大きい宇宙船に乗らなければいけないのは、自由度がウリのRPGとしてどうなの?とは思いましたね。

今作ですが死にアイテムがかなり多いです。置物にしかならないアイテムが多く、しかもFalloutのように分解して素材に変えることができません。これは武器や防具も同じです。処分するには宇宙に投棄するか、ショップで売却するしかないです。それなのに、ショップが持っているクレジットが少なく、武器は二、三本しか売ることができません(タダであげることはできますが……)。

あと、自分はシェフのバックグラウンドで始めたのですが、料理がかなり弱いです。回復もバフも薬品の完全下位互換です。栄養と美食学を全部取得しても厳しいです。今作は振りたいスキルが多いのも逆風になっています。

まだまだ細かい不満点はありますが(拠点システムとか……)ここらへんにしておきます。

新しい体験はない、いつものベセスダ

身も蓋もない書き方かもしれませんが、今作で得られる新しいゲーム体験はないと断言します。よりハードなSF体験をしたかったらOuter Wildsがありますし、Fallout4の方がよりロールプレイできる気がします。より爽快なシューティングやアクションができるゲームなんてそれこそ山程あります。唯一珍しいのは、「NASAパンク」のアートデザインくらいでしょうか。

では、Starfieldの魅力は何かと聞かれれば、それは「ベセスダ」であるところです。なぜかついつい遊んでしまう、歴代のタイトルにあった「ベセスダ」の魔法みたいなものは今作にも確かにありました。本作は町中華のような、常連さんが「これだよこれ」と言いながら遊ぶゲームなのかもしれません。「ベセスダの新境地!」みたいなものが感じられなかったのはちょっと残念ですが……。

とはいえ、少なくとも自分は80時間ほど遊んで、時間を無駄にしたとは思いません。それくらい本作は「ベセスダ」でした。諸手を挙げておすすめはできませんが、Xbox Game Passで遊べるので、とりあえずインストールしてみるのはアリだと思います。ぜひ、遊んでみてください。では、また。

ゲーム代やお供のお菓子やドリンク代にかわります