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どのようにして刺繍にのめり込んだか

刺繍とのこれまで

刺繍をはじめたのは2018年の秋ごろからです。
何かのSNS(TwitterかPinterestか…)だったのか覚えてないのですが、素敵な刺繍作品を見て心がときめいて自分でもやってみたい!となったのがきっかけだったと思います。(自然すぎて明確には覚えていない)

初めは好きなキャラクターや、本に載っている図案、デザインの決まっているロゴなどをなるべく忠実に再現してみたりして練習していました。そこからあれこれ自分の好きなものを少しずつやっていきました。

出来上がってみないとわからない風合いや色の感じ、さりげない存在感も新鮮です。
ほんの少し立体感と暖かみがあり、膨大な色数の刺繍糸で細かな描写もできてしまう。

刺しゅう糸と針だけで、こんなに自由な表現ができるんだ!と思うと、創作してみたいものが次々と際限なく生まれます。

完成したものをパネルにして飾ってみたり、アクセサリーや実用性のあるものを作ってみたり、いろんなステッチを研究して朝になったり…。
誰かの助けになることがあるのだろうか?
刺繍が今の社会のどこに需要があるのかわからないまま、ただ楽しさだけでいろんなことをやってみました。

モチーフやジャンルもバラバラで、自分の作風や特性がわからないなと思うこともしばしば。

とにかく時間はかかるし、自分のセンスの無さに絶望したり、延々と同じステッチの繰り返しに飽きたり、図案によっては込み入った複雑さ…。
そんな難しさと、それを上回る自分の好奇心の程よいゲームバランス(?)こそがのめり込んでしまう要因かもしれません。

自分の性質

元々の自分の
・「手先がまあまあ器用である」と言う認識
・芸術、デザイン分野に関心が高いこと(右脳寄り)
・子供の頃からものを作ったり工作するのが好き
・ある程度の孤独が結構好きなこと
・内向的、自分のペースを保てる

それらが相互に作用して刺繍に導かれたのかもしれないです。

「わからないものを自分でもやってみたらできた」
という経験を私はとても大事にしていて、その積み重ねを刺繍で創作する中でたくさんしています。

ゼロから図案や配色を考えて、自分の手で少しずつ新しいものを生み出していく過程にとても癒されます。
納得がいかなくて苦しいけど、苦しみつつ楽しむ感じ。

こんなに好奇心が湧いてくるものに出会えるのは幸せなことだと思います。

刺繍には様々なステッチの技法があり、さらに刺繍というジャンルで見ても、クロスステッチ・フランス刺繍・立体刺繍・オートクチュール・リボン刺繍・ハーダンガー刺繍、などなど…本当に多様な世界があり、どれも挑戦してみたいと思えて刺繍の世界に奥の深い魅力を感じます。
興味関心が移りやすい自分であっても、刺繍には終わりがなくどこまでも追求出来そうな感じがあります。

人生の時間が本当に足りないと感じています。

セラピーとしての刺繍

刺繍をしている時だけは、わくわくした気持ちになれました。
刺繍をしてひと針ひと針進めていると、物事が前進していく実感があります。
とても時間がかかるからこそ、思い通りに仕上げられた時の達成感がすごい。
完成した刺繍作品が、何もない自分を励まして寄り添ってくれているように感じました。

何もできない時に心を支えてくれて、未来にわずかでも希望を持てたと思います。
静かに刺繍をしていると、世の中の悲しみや理不尽や息苦しさ、社会で起きているいろいろなこと…などとは関係なく、自分だけの完全な自由な世界の中でのびのびとできる感じがします。(関与しなくて良いと言う意味ではなく)

すべてがアナログな作業だからなのか、いわゆるセラピーにもなっているかもしれません。

1人だけで完結できて、コスト少なく幸福度が得られることは人生において重要です。
これで一生飽きることはない。と思えるくらいのものがあると言う事実は、日々の精神面でも、依存先を分散するという意味でも、今後の自分の助けになると実感しています。

Better than nothing.


私の大好きなpodcast「バイリンガルニュース」のMamiちゃんが彼女のモットーとして話されていました。
「何もないよりはまし」と言うような意味ですが、一見ネガティブなように聞こえて
完璧を求めない、間違っても良いし気楽にできることをやっていこう。前進できたことをちゃんと褒める。
みたいなゆるく平和的な雰囲気も感じてとても好きな言葉です。

ひとつの事を極められなくても、ちょこちょこ好きなことをやってみる。
それでも刺繍は、今後も自分と切り離せない存在になりそうです。

好奇心の源は刺繍だけではありませんが、
自分を自由にしてくれる優しくかわいい糸たちとこれからも無理なく向き合っていくつもりです。

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