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202405 雑記

昨年出演したゆうめい『ハートランド』が第68回岸田國士戯曲賞を受賞した。

なんとなくずっと、その日が来ることをわたしはわかっていた、気がする。
誤解なきように書かなきゃいけないと思うけど、でも、シンプルにそう思っていたからそれ以上でもそれ以下でもない。
だから、白水社の公式Xで一報を見た瞬間「だよね!」という気持ちになった。
池田くんはいつか絶対に岸田を獲る、と。
わたしはずっと思っていたのだ。

たとえ選考委員の満場一致でなくとも。上演が賛否両論であろうとも。
大体、劇作に満場一致も「賛」オンリーなんてこともあるわけがない。

授賞式の、池田くんのスピーチがすごく良かった。
あと、余興?の『一方金子は、』に、過去岸田にノミネートされたり、今回ノミネートされて惜しくも受賞ならずだったり、いつか岸田にノミネートされたいと思っていたり、そんな劇作家たちが出演しているというのも実はすごいことなんじゃないかなと思った。
すごい、というか、素敵だ。
そんなことが有り得るんだ、と驚くわたしの感覚が古いのかもしれないけど。


『一方金子は、』のラスト、出演者たちがそれぞれの想いをのせて熱唱する。
ゆうめいではアートディレクションやHPなどの広報に携わるりょこちゃんが歌った
「赤子たち 眠れなくなった 午前1時 受賞発表は昼間の方がいい」
父母になっても演劇を続けること、家庭と演劇が地続きであること。
それらをきちんと体現している姿にグッときた。
無視しちゃいけない大事な(そして具体的な)意見として、受け取ってもらえますように。

わたしが演じた江原幸子、エバラのさっちゃんは岸田國士戯曲賞知ってるかな。
知らないかもな。
教えてあげたいな、別に興味ないかな。
さっちゃんは今どこにいるんだろうか。
幸せになってるといいな。
誰かを恨んだりせず、狭いコミュニティからようやく離れて自由に伸び伸び過ごしててほしい。

これまでに自分が演じた、もう絶対に忘れられない、わたしの細胞の一部になったような女たちがたくさんいる。
江原のさっちゃんも間違いなく、その一人だ。

池田くんから生まれ、わたしが育てたさっちゃん。
受賞したからって必ず再演するわけじゃもちろんないけど、もし『ハートランド』再演するなら。
またさっちゃんを演じたいと思うし、42歳のわたしには辿り着けなかった感情に出会いたいなと思う。

ゆうめい『ハートランド』が受賞して、とっても嬉しいです。
どこかにいる、いた、いない。
わたしはもうしばらく、演劇の、お芝居の世界に居続けようと思います。



【高野ゆらこ今後の出演】
◆パショナリーアパショナーリア第6回公演
『おもちゃワーカーズ』
2024年7月6日、7日、13日@中野富士見町ニュー・サンナイ

https://pashonaria.com/stage/06/

<<<<<<チケット発売は2024年6月6日(木)!!!>>>>>>







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