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ヴァイオレット・エヴァーガーデンというアニメを観て第三話〜解説・考察#4〜

ドールの育成学校に通うことになったヴァイオレット。そこで出会ったルクリアという少女の境遇などに焦点が当りながら物語が進行していく。
文法やタイプ速度は優秀な成績でも手紙を書くことが出来ないヴァイオレット。

そして残念ながら卒業する事が出来なかったヴァイオレット。
そんな中ルクリアに手紙の最後にいつも出てくる少佐って人に本当は手紙を書きたいのでは?と言われて手紙を書こうとするのだが、思いを言葉に出そうとするが出てこないヴァイオレット……

やり取りの中でルクリアから自分の境遇や心境、そして心で思っている本当の思いを言葉で聞いたヴァイオレット。
その想いを手紙に率直に書き、ルクリアの兄に届けたヴァイオレット。

この手紙が評価され、無事卒業することが出来たヴァイオレット。
誰かからの命令でも指示でも依頼でもなく、自分で自分自身の意思で書き綴った初めての手紙を書いたヴァイオレット。
ドールとしての第一歩を踏み出してく

第三話の見どころとは?

繊細な描写だと思います。
それ以外にも個人的に気になる部分はありますが、一言で言えば描写だと思います。

どこの事を指しているのかというと、分かりやすい所でいうと、冒頭の部分で教官が入ってきて教壇に立った時に微妙な動きを見せるのですが、本当に些細な動きです。
「細かっ!!」
と率直に思いました。

これがどんな演出的な効果を狙ったのか、技術的な面ではちょっと分からない。心境を表したのか?
正直かなり分からない。

でもあえてこのシーンを作ったということは、何かしらの狙いはあると私は思っている。
第三話のストーリーに直接関わってくる事では全くないから気にする必要がないかもしれない。

しかし、こういった部分を見ていく、考察したりするのが作品を見る上での一つの楽しみだと私は思っています。

ヴァイオレットは育成講座を受けていく中で、練習で手紙を書くことになる。
そのシーンの中でヴァイオレットの手紙を読んだ教官からヴァイオレットに手紙を読むよう指示され手紙を読むヴァイオレット。

「それで手紙になっているつもりですか?」
と教官に言われた後のカットのシーンのヴァイオレットの表情。
セリフはないがまさに

「えっ?」
という表情をしている。
絵が綺麗っていうのが先行しがちな評価の京都アニメーションだけど、こういったシーンを生み出せるのが京都アニメーションの真骨頂なのしれないと私はこの時に感じていました。


講座の最初にタイプの練習があるのだが、ヴァイオレットは速度の指定がないと言って始めなかったシーンも特徴的だった。
まさに軍人の鑑と言わんばかりの態度だと思った。

速度の指定をされるとタイプし始めたヴァイオレット、軍人は自分の勝手な憶測や考えなどで動くと仲間を巻き込みながら死に直結してしまう。
だから勝手に動くな!

こんな教育が身体からまだ抜けていないとそう私は感じたし、よきドールになる為に必要要素である
「よきドールとは、人が話している言葉の中から伝えたい本当の心をすくい上げるものです」

がヴァイオレットにはまだ難しいと思っていた。
だけどルクリアが兄に思う思いを、初めて自分の意思で書いた手紙。
ヴァイオレットがまた一歩前進した瞬間の話だと私は思いました。

第三話で疑問に思っている事

ルクリアが連れて行ってくれた鐘の場所は、実際にある場所を参考にしているのかどうか個人的には気になっています。

ただ一言ない!
って言われたらそれまでなんですが、どこかを参考にしてるとは思うんですよね。その場所を知りたいと思っています。

そして冒頭部分で教官が入ってくるシーンで、一人の女の子が怖がっているのかどうなのかわからないけど、卑屈そうに教官の顔を見ているシーンがあるのだが……

この女の子が教官にそっくりだと思うのは私だけだろうか?
教官の子供なのか?親戚なのか?
もしくは何か深い事情があるのか?

そう思わせてしまうシーンだった。
だけどそんな描写は一切ないしその後は一ミリも話に登場してこない。
ただこれだけ細かい描写や絵を書いているのに、ここのシーンに意味がないとは到底思えない。

この子には何かしらあると私は思うけれども、皆さんはどうでしょうか?
気にしすぎだろうか……


最後にルクリアがヴァイオレットに会いに来たシーンで、ヴァイオレットが窓を拭いているシーンがまたあるのだが、この時は足元を映していない……
あえてなのか分からないけども、この時はどうだったのか凄く気になる!


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