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Netflix版『デビルマン』が「二度と観たくない」傑作だった

3連休明け、世の中が動き出した。

やるべきことは無数にある。週末からはじまる「呑むアート展」の準備もあれば、年末からお待たせしてしまっている原稿もあるし、言いつけを守らないあまり税理士さんから「●●だけは期日通りお願いしますね!」とメールのみならずDMまでもらってしまった。今日は何時に帰れるかわからない。

そんな状況なのに観てしまった。240分も使って

ヒロインは人気インスタグラマーで、不良は地元への不満をサイファーで発散。それが2018年の『デビルマン』

それは何か、何か、何か。それはデビル、デビルマン、『デビルマン』。正確には、『Devilman Crybaby』。1/5から全世界同時に配信のはじまった、Netflixオリジナルアニメだ。

原作は永井豪。監督は『ピンポン THE ANIMATION』、『四畳半神話大系』の湯浅政明。脚本は『∀ガンダム』、『コードギアス』、『プラネテス』の大河内一楼。音楽はLAMAのメンバーであり『ピンポン THE ANIMATION』の牛尾憲輔と個人的にも盤石の布陣だったので、発表時から期待していた作品だったが、期待を遥かに凌駕する出来で、「あと1話だけ」、「あともう1話だけ……」と、この忙しいときに、全10話一気に観てしまった……(小声)。

そもそもめちゃくちゃおもしろい原作が、ヒロインがインフルエンサーになってたり、不良がサイファーしてたり(ちゃんと声優もラッパー)といった現代風のうまい味付けによって見事に再構築されていてほんとすばらしい。「歌だけは知ってる」とか、「実写映画やばかったやつね(笑)」みたいな人にこそ観て欲しい。全10話、寄り道なしに突っ走るので飽きもこない。

とTwitterにも書いた通り、暴力表現もいい意味でPOPになっていてそういうのが苦手な人にも……と2話までは思っていたけど、後半はそうも言ってられない状況・描写が重なっていく。「観たくないのに、目が離せない」という状態に何度も追い込まれてしまった。正直、二度と見たくないシーンもいくつかある。

寿司と配信コンテンツは「出されてすぐ」がマナー

最初は時間を浪費している罪悪感があったけど、それが段々と「これは今観なきゃいけない作品だ」という気持ちに変わり、最後は使命感すら感じて見届けた。ドラマや映画は大体そうなのだけど、Netflixをはじめとした配信コンテンツは特に制作陣の「今観て!」という心意気を感じる。2018年1月5日の地球めがけて投げられているというか。寿司と一緒で、出されたものをすぐ食べるのがマナーみたいな。

賛否両論あったみたいだけど、劇中の悪魔の台詞「人間は権威に弱い」を体現し、皮肉ったようなこの広告もすばらしかった。KAI-YOUのすごくいい仕事だと思う(同世代がいい仕事をしているという意味では嫉妬も感じた)。

デビルマンが影響を与えた有名作品が列挙された広告がすごい!→GANTZ作者「影響受けてたんだ?!」 - Togetter

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『Devilman Crybaby』、まごう事なき傑作だと思います。観ると「食らう」ので、ぼくはしばらく観たくないけれど。このために一ヶ月Netflix入っても、全く損はないはず。

おすすめです。

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