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子どもたちのメンタルヘルス

~学校の臨時休業に伴うストレスへの対処について~

 昨年度のまとめや今年度のスタートがきれないまま臨時休業が続いています。社会情勢が変化しており、どうなっていくのか見通しの立たない中、子どもたちは家にいることを余儀なくされました。このような「突然の出来事」や「見通しの立たない出来事」が起こると、いつもと違った反応を示すことがあるかもしれません。

反応のあらわれ方

退行的反応:甘える、親の注意を引くためトラブルが増える、やるべきことをやらなくなる、急にはしゃぎ出したりさまざまな行動に走ったりする
生理的反応:頭痛、漠然とした痛みの訴え、過食/食欲不振、消化機能の不調、夜尿/おもらし、睡眠障害(過剰睡眠)
情緒的・行動的反応:落ち着かなくなる、こわがる、一人で眠れなくなる、学習意欲低下、趣味に興味がなくなる、ぼーっとしている、攻撃的になる、同じ話を繰り返す、心配しすぎる、遊びの中で繰り返し今起こっていることを再現する など

対応方法

・上記の反応がみられた際、特別視や問題視をせずに誰でも起きる自然なストレス反応として捉えてください。過度な気遣いや、すぐにおさめようとしないことがポイントです。
・ストレス反応は子どもによって異なります。非常事態が起こっているときは、子どもは大人からの「愛情」や「注目」が必要です。いつもよりも子どもと接する時間を多めにとり、子どもをみてあげましょう。子どもの話をよく聞き、優しく話しかけ、安心できるようにしましょう。
・できるだけ「いつも通りの時間の過ごし方」を心がけましょう。そのため、学校があった時のように、早寝早起きは当然のことですが、「学習・運動(できる範囲で)・遊び・リラックスタイム」など時間を決めて過ごせるとよいです。
大人は「何が起こったか」事実を正しく把握し、「今何が起きているのか」「どうすれば健康を維持できるか」など言葉で説明してあげましょう。これから起きそうなことについても、安心できるように話してあげましょう。

注意点

・コロナウイルス集団感染に関するテレビを長時間見せることは、子どものメンタルヘルスに悪影響です。あまり長時間見せないようにしましょう。
・インターネットやゲームに関しては、家の中でルールを決めて、長時間やらせることは控えましょう。ここでのポイントは、大人が一方的にルールを決めるのではなく、子どもに決めさせ、守らせることです。

 今後の動向がわからず、子どもが不安定な様子を見せると、大人も不安になると思います。自分自身のセルフケア、ストレスケアも十分に行っていけるとよいです。

参考・引用文献

【子どもに関わるすべての方々へ】感染症対策下における子どもの安心・安全を高めるために一般社団法人 日本臨床心理士会災害支援プロジェクトチーム
一般社団法人 日本公認心理師協会災害支援委員会
公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
関連資料:3団体共同のメッセージ(PDF)
http://www.jsccp.jp/userfiles/news/general/file/20200302174321_1583138601335720.pdf

感染症対策下における子どもの安心・安全を高めるために
(作成:日本臨床心理士会・日本公認心理師協会・セーブザチルドレン・DPAT)

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