【TED#1】You don't actually know what your future self wants(未来の自分が何を求めているか、実際にはわからない)

少し前に見たTEDの動画の記録。
日本語訳がなく、ちょうど英語の勉強に、と視聴したところ、自分のこれからの過ごし方として参考にしたいと思ったきっかけの動画。

「You are constantly becoming a new person(あなたは常に新しい人になっている)」と、ジャーナリストのShankar Vedantam さんは言います。

本記事では、備忘として自分が印象に残った部分を和訳とともにまとめます。


1.常に新しい人になるとは

今の自分とは、小さい頃に思い描いた人物とは別人である

例えば、小さい頃に好きだったものは、必ずしも今も同じと言う訳でない。

シャンカールさんは12歳の頃、サッカーが好きで、サッカーの映画が見たいがために両親に骨折していることを隠すくらいサッカーが好きでした。
しかし40年後の今、彼はもうサッカーが好きではありません。12歳の自分にとっては、このことは裏切り行為と思うかもしれないでしょう。

When I was 12 years old, I fractured my foot playing soccer. I didn't tell my parents when I got home that night, because the next day, my dad was taking me to see a movie, a soccer movie. I worried that if I told my parents about the foot, they would take me to see a doctor. I didn't want to see a doctor, I wanted to see the movie.
(12歳の時、 サッカーをしていて足を骨折しました。 その夜家に帰ったときに、両親には言いませんでした。次の日、父が サッカーの映画を見に連れて行ってくれるからです。 足のことを両親に話したら 、医者に連れて行かれるのではないかと心配でした。 私は医者に行きたくなかった 、映画を見たかったんです。)
I tell you the story today, because four decades later, I don't really consider myself a soccer fan anymore. Today, my sports fandom is tuned to another kind of football. Now my 12-year-old self wouldn't just find this incomprehensible. My 12-year-old self would see this as a betrayal.
(40年後の今日、 私は自分自身をサッカーファンだとは思っていません。フットボールのファンです。 12 歳の自分がこのことを知ったら、理解できなかったでしょう。 裏切りと見なすでしょう。)

大人になっても変わり続ける

Now you might say we all change from the time we are 12, so let me fast-forward a decade. When I was 22, I was a freshly minted electronics engineer in southern India. I had no idea that three decades later, I would be living in the United States, that I would be a journalist, and that I would be the host of a podcast called "Hidden Brain." Now we didn’t have podcasts when I graduated from college. We didn’t walk around with smartphones in our pockets. So my future was not just unknown; it was unknowable.
(12 歳の頃から、誰もが変わって当然と言うかもしれません。22 歳のとき、 私は南インドで電子技術者になったばかりでした。 30年後、私がアメリカに住んでいて 、ジャーナリストになり、「Hidden Brain」というポッドキャストのキャスターになるとは思いもしませんでした。 私が大学を卒業したとき、ポッドキャストはありませんでした。 またスマートフォンをポケットに入れて歩き回ることはありませんでした。 このことから、私は自分の将来を知らなかった、知ることが不可能でした。)

生死に関わる問題でも、変わる(ジョンとステファニーの話)

時には、生死に関わる問題でも人は昔と別人になる。客観的な立場で正しいと思っていたことが、自分事となると反対の考えを持つ例。
ステファニーは看護師で、彼女はよく患者の家を訪問していましたが、彼女が見た患者の多くは重病でした。 彼らは終末期の病気にかかっており、生活の質が非常に低かった。 そして、ステファニーは末期の病気に罹ったら延命措置はいらないと言う。

"John, if I ever get a terminal illness, please do nothing to prolong my suffering. I care more about quality of life than quantity of life. John, if I ever get that sick, just shoot me. Just shoot me."
ステファニー「ジョン、もし私が末期の病気にかかったとして も、私の苦しみを長引かせるようなことは何もしないでください。 私は寿命よりも生活の質のほうを気にします。ジョン、私が病気になったら、私を撃ってください。 ただ私を撃ってください。」
"OK, Steph. OK.”
ジョン「OK、ステフ、OK」

彼女は50 代後半になると、ALSと診断されます。それは致命的で不治の病です。さらに状況が悪くなった時、ある看護師がステファニーに延命措置が必要か尋ねたところ、逆のことを言います。

And a nurse at the hospital asked Stephanie, "Mrs. Rinka, would you like us to put you on a ventilator?" And Stephanie says yes. John is flabbergasted.
(そして、病院の看護師がステファニーに「人工呼吸器を希望しますか?」と尋ねました。 そしてステファニーはイエスと言います。 ジョンはびっくりします。)
The next morning, he says, "Steph, when the nurse asked you yesterday if you wanted to go on a ventilator, and you said yes, is that really what you want?" And Stephanie Rinka said yes.
( 翌朝、彼は 「ステフ、昨日看護師があなたに人工呼吸器をつけたいかと尋ねたとき、 あなたはイエスと答えましたが、 それは本当にあなたが望んでいることですか?」 そしてステファニー・リンカはイエスと言った)
したが、 それは本当にあなたが望んでいることですか?」 そしてステファニー・リンカはイエスと言った。」

このことは、健康だった39歳のステファニーには、59 歳の末期の病気にかかったステファニーが息を切らして本当に何を望んでいるかについて、本当の考えがなかったということです。 年上のステファニーは、 彼女の若い頃の自分にとては全くの見知らぬ別人だったのかもしれません。

テセウスの船(同一性の問題)

ここでパラドックスのテセウスの話の例が出てきます。
ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、ということです。

The great warrior Theseus returned from his exploits, his ship was stationed in the harbor as a memorial. And over the decades, parts of the ship began to rot and decay, and as this happened, planks were replaced by new planks. Until, eventually, every part of the ship of Theseus was built from something new. And philosophers, starting with Plato, have asked the question "If every part of the ship of Theseus is new, is this still the ship of Theseus?"
(偉大な戦士テセウスが功績から戻ったとき、 彼の船は記念として港に停泊していました。 そして何十年にもわたって、船の一部が腐敗し始め、 その度に厚板は新しい厚板に置き換えられました. 最終的に、テセウスの船のすべての部分が新しいものから構築されるまで。そして、プラトンをはじめとする哲学者たち は、「テセウスの船のすべての部分が新しいのなら、 これはまだテセウスの船なのか?」という疑問を投げかけてきました。)

2.未来のなりたい自分を作るために

未来の自分は、現在の自分と同じ見方、視点、希望を持っていないかもしれません。人は、未来を今の延長戦にあると考えがちで、当時はそれが一番よかったと思っていたことでも、未来になると時代遅れになってしまうこともある。良くするために現在の自分が一生懸命にやったことでも、未来の自分からすると憤りを感じることもあるかもしれない。それこそ、現在の自分にとって悲しいことはない。
これらの問題に対処するための3つのアドバイスがあったので、ご紹介。

(1)好奇心を持ち続けること

  • 未来の自分のキュレーター、未来の自分の建築家になるために、友達や家族だけではない人と時間を過ごしましょう。

  • 定期的に行っていることだけでなく、趣味や専門的な追求に時間を費やしてください。視野を広げてください。

(2)謙虚さを忘れないこと

  • 私たちがソーシャルメディアや政治フォーラム、またはディナーパーティーで意見を表明するとき、自分と反対の意見を持つ人々の中には、私たち自身の未来の自分も含まれていることを心に留めておきましょう。

  • 例えば、会社をよりよくするために変更を加えたのに、変更を加えた後はそれをどう変えないようにするかを考えてしまうケースがある。自分の見方は、完成されたものであると信じてしまうのは、間違っている。

(3)勇敢であること

  • 未来の自分は、今日よりも弱く虚弱になっているが、一方で未来の自分は、 今日私たちが持っていない能力、強み、知恵を持つようになる

  • だからこそ、機会が巡ってきても躊躇しないこと。

  • 「 仕事を辞めて自分の会社を立ち上げたりする気はない」「52歳で楽器など、学ぶ気力が自分にはない」と自分に言い聞かせたりしますが、私たちが本当に言うべきことは、 「今日の自分にはそれらをできる能力がないが、明日の自分にはそれができるかもしれない」

3.さいごに

私たちは、常に最終的な良い選択・決断をするために、たくさんの時間を費やしている傾向にあると思う。だから尚更一度決めたことは、変えたくはなくなる。
そして、一度決めた意見に対する根拠をしっかり固めるため、反対意見を論ずる準備もできてしまっている傾向にもある。

ただ、未来は全然違う、自分の未来も今と全然違う、ということを受け入れれば、ほんの少し気が楽になるのでは。
未来の自分は違うものになるけど、積極的に作り上げる手助けを今のうちからしておきたい。



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