見出し画像

塞翁が馬の話。

塞翁が馬という言葉をご存知でしょうか?

「塞翁が馬」さ中国の書物に登場する故事のひとつで、わたしは京都大学の山中教授が座右の銘としてお話されていたのをきっかけに知りました

意味としては
「不幸だと思っていたことが実は幸運につながったり、幸運だと思っていたことが後に不幸につながったりするように、人間が遭遇する出来事はその時点で幸か不幸かが予測しにくい。従って、自分が遭遇した幸不幸の出来事に一喜一憂して振り回されないように。」
ということだそうです


なるほどと大きく頷き
わたしも座右の銘にしちゃおうかな〜なんて軽く思っていたのですが
実際に実感することなく最近まで過ごしていました



しかし、まさに先日
これが塞翁が馬か!と思う出来事に出くわしました




発端は就寝前
夫は寝る前に今日のおちびはどうかな〜とわたしのお腹を触るのが日課なのですが
そのときまるで痙攣しているかのようにぶるぶるっと震える胎動を感じました


なに今の?痙攣みたいじゃない?とふたりで話ながらも、その後はいつもの胎動だったので心配しつつも就寝しました



しかしその明け方
右の下腹部痛で目が覚めました
生理痛のような重だるいような痛みが少しずつ広がっていき
それと同時にお腹もきゅーっと張っていきます

これは初めて感じる痛みやな、いよいよ前駆陣痛かな?と思いましたが
体勢を変えしばらくすると痛みは引いていきました

そのままぼんやりと横になっていると
もそもそっとした胎動のあと
いままで感じたことのない胎動を感じたんです

しゃっくりのように連続した胎動なのですが
もっとテンポが速く、場所も不規則な胎動が右側だけで起こります

なんだろう、なんかいつもと違う、、、
そう思ってしばらく様子を見ていると突然胎動が止まりその後胎動を感じなくなりました


え??
これ大丈夫???
いよいよ不安になり夫を起こして事情を説明

ふたりでお腹に手を当てると微かに動いているのは感じますがいつもより弱い気がします


病院に連絡してみたほうがいいよね
でも5時だし、、、
いやなにかあったら夜中でも電話していいって


そんなやりとりを何回か繰り返して
結局病院に連絡することにしました


すぐに電話に出てくれた看護師さんに事情を説明しますが、全く落ち着きがなく医療者であることが恥ずかしいくらい支離滅裂な説明だったんだと思います

うーん
とりあえず来てもらって機械つけてみますか?
準備ができたらまた連絡してください
とのことでした


そこからは飛び起きてパジャマから簡単なルームウェアに着替え
顔だけさっと洗って再度病院に連絡

病院についたら入口のインターホンを押して中に入ってきてください
と言われ真っ暗の中、車で病院に向かいます

夫は中に入れないため、車で待機してもらいわたしだけ中へ


2階に上がるとナースステーションがあり
電話対応してくれた看護師さんがすぐに対応してくれました


旦那さんといらっしゃってますか?外で待ってます?と言われ
はい、と答えると
そしたら旦那さんにも中にはいってもらうので機械をつけたら呼んでもらっていいですか?
とのこと


え、中に入っていいんだ?と思いましたが
どれだけかかるかわからない状況で待たせるのは、、、と思っていたのも事実だったので
よくわからないけれどありがたや、と頷きました

同時進行で再度状況を説明しながら早速NSTを装着



すぐにドッドッドッという音が!!!

あ、ちゃんと心臓動いてる、、、泣

看護師さんからも
元気そうですね!良かった良かった!
と声をかけていただくと
ほっとして全身の力が抜けました


NSTで問題なければすぐに帰宅の流れになると思っていたため
もう帰れるな、と思っていたら

先生に連絡したのですが
とりあえず朝になるまでこのまま機械をつけて
診察で問題なければ帰ってもらうことになると思いますが大丈夫ですか?と看護師さん


え??
朝までってまだ5時台なんですけど???
と思いましたが
そこでようやく気づきました


そのまま出産になるかもしれないから夫も中にいれてくれたのか!!!!!


入院バックもなにも持たずとにかくおちびの安否確認をと急いで病院に来たのですが
この時期のトラブルは出産に直結するということを全然わかっていませんでした


漸く察したわたしは電話にて夫に事情を説明
夫は初めて病院内にはいり
朝になるまで一緒にLDL室で過ごすことになりました

初めてはいる病院の内側
初めて見るNST
初めて見るLDL室


夫はおちびが無事だとわかった途端
興味津々とばかりに室内を歩き回ります


すると

初めて心音聴いた
こんな感じなんやな

とNSTを見てぽつり


忘れていたけれど、コロナ禍で一度も診察についてきたことのない夫は
エコーはもちろん心音も聴いたことがなかったことを思い出しました


嬉しそうな夫を見て
なんだか申し訳ないような、わたしまで嬉しいような
なんとも言えない気持ちになりました


その後、朝になり先生の診察でも問題ないことがわかったため帰宅

家に着くとどっと疲れが押し寄せてきました


ソファに腰かけ良かったね〜と話していると
再びはたと気づいたのです



これめちゃくちゃ良い経験になったのでは??と


夜間陣痛が起きたとき、

入院にならなかったとしても入院バックを持って行くこと
夫用の軽食と飲み物を持って行くこと
病院への連絡から到着後の流れの確認
実際に出産するLDL室の見学

これら以外にも
心音を聴く
直接主治医と話す
などなど


こんなこと、何事もなかったから言えるのですが
初産であることに加え、このコロナ禍で不安に思っていたことの多くを図らずも解消することができました




始めはおちびの心配から始まった今回のドタバタ劇でしたが
終わってみればたくさんの収穫が



これってリアル塞翁が馬なのでは??!
とやや興奮しつつ
何事があっても出来る限り落ち着いていよう、と心に刻んだ最近の出来事でした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?