俺が作ったゲームを俺がBGAに出した2021年

自己紹介

俺はさいきんじゃyupikaと呼ばれておる。
これまでの経歴としては、2017年のゲームマーケット大阪でゲームを出して以来、この魅力に取りつかれ、今もゲームを作っておる。ベースはユーロで色は日本、つまり新本格ユーロというか、オリジナルの味を探しておる。

サークルDilettanteとしての活動が主で、カッコいいロゴも作ったし今後もこれを発展させるよう頑張りたいんだが、個人の活動もなんやかやしとる。
noteでは去年やったA Short Hikeというインディーゲームの無認可同人翻訳で有名な人かもしれんな。どうだ、いいゲームだったろう。
今年にやったことをまとめると
翻訳
 ・Spellcaster University(初の商業翻訳。全部ではないけど)
 ・Rift Wizard(これは趣味。今やっとる。神ゲーやからみんな買えよ)
お喋り
 ・令和ビデオゲームグラウンドゼロ(ベンチ:年10回くらい出演か?)
アナログゲーム製作
 ・くまきちファミリーの最高のティータイム(Dilettante)
デジタルゲーム製作
 ・くまきちファミリーの最高のティータイム on BGA(Dilettante)
ライター
 ・Bitsummitの取材記事1
 ・
(ありがとうゲームキャストさん!)
その他
 ・いうたらあかんやつ1本
となる。まあ、兼業にしてはやっとるほうじゃないかね。

そんな中でも今年出した作品が
・くまきちファミリーの最高のティータイム on BGA
これに関して、今回は書きつけることとしよう。

くまきちファミリーの最高のティータイム

 くまきちファミリーの最高のティータイムはくまきちの持つ魅力、そしてクラシカルユーロゲームの持つ魔力が合体し、つまりは魔魅力にあふれた良い作品になった。
 完璧な作品というのはこれがまぁなかなか自分でも作れないもんだが、これに関しては手放しで完璧といって差し支えのないものとなった。
 また、Dilettante内部で酒を飲みながら適当にやるのとは違いくまきちを監修する高いレベルの作家である雷鳥つめ氏のクオリティやこだわりの水準で仕事をするのは大きな刺激になり、これからのDilettanteの明るい未来を暗示させるものとなった。
 特に説明書だね。Dilettanteの主砲シチマロがこれまで学んだすべてをつぎ込んだものとなっていて、読みやすくわかりやすくおもしろい。
 ただ、今は売り切れ状態なんで来年1万部刷って全国のロフトやビレッジバンガードで売ってもらいます(願望)、みんな買ってください。

それを、BGAに

 そうとも俺はこの魔魅力は、世界に伝わると思っておる。
 そうなるともうBGAしかないだろうという話だ。アリーナ、つまり闘技場で戦わせるしかない。いけっくまきちっ!てやつだ。
 ただ、残念なことに俺はプログラムの実務経験はゼロだ。強いていうなら、Human Resource Machineはプレイしていますが…。そう、世の中はゲームクリエイター志望ってやつに残酷だ。神ゲーは作れると思うけどプログラムはしたことがないこんな人間は任天堂には入れない。俺は天才なのに…。

 そんなわけでどうしたかというと、学んだわけだ。
 実はBGAには「イラストリー」という同人ゲームをリリースし、BGAにも自分で実装したモクバ堂という先輩サークルがあり、この方がなんと入門記事を書いてくださっておる。これは大いに役に立った。
 役に立った、が、マジで入り口だけだった。
 PHP、Javascript、そしてHTMLを3正面作戦で攻略する日々が続いた。ありし日の大日本帝国である。ここにDBを足したものがBGAのフレームワークとしてラッピングされており、各パーツはレゴくらい簡単にくっつき、更にうまいことデータ面のやりとりと見栄えのやりとりは切り離されてもいる。
 されている、が、高度な文脈すぎた。もちろん今ならよくわかる。この「ゲームシステムの状態遷移全プレイヤー共通の入出力各プレイヤーの入出力の切り離し」はアナログ・デジタル関係なく、マルチプレイヤーゲームを考える際に大事な視点だと…。本質がわかってしまえば現代の(くまきちくらい高い水準の)ボードゲームというのは、ゲーム内のデータのやり取りがそもそも簡潔に美しく記述されていることに気づくだろう。ただ、そこまでの見通しを得るまでは唸ったり、吠えたりするしかなかった。酒量は増え、生活は荒廃をきわめ、は実家へ逃げ帰った。そしてそれは今も戻ってこない。

参考になるかもしれんので…実際の作業期間

6月~開始
 DBの設計とPHP。JSでは引いたカードの表示くらいまで。そのただの「表示」まで丸3日くらいかけてるけど…。とにかく体当たりで把握していった。
7月2周目~
 PHP部分はゲームの進行を一通り終わりまで。JSはPHPがうまくできてるかの確認用程度…。JSに沢山パラメータを出すデバック手法を開発してからは楽しくてしゃーない。楽しさの裏で5回くらい全く動かなくなってもう終わりかも…と絶望する。
8月1週目~
 JS部分に本格的に着手する。カードが動かなかったり、動きすぎたり、違うカードになったり、枚数が合わなかったり…しかしこれを乗り越えた時に、「汎ゲームデータ構造」のようなものに目覚めて、これまでの仮組から一気に実装を進める。
9月1週目~
 ゲームとしては出来たのでデバッグの日々。「やってみると意外となってなかった」ことが、自分が一番知ってるゲームでさえ起こりまくるので大変だった。へえ~勝利条件ってこういうことなんだ…みたいな。大丈夫か?
 また、ここで苦手だったJSでの表現に力を入れるようになる。「くまきち」の魅力を120%デジタル化したい!そう思った時、BGAのテンプレートでは満足できないことに気づいた。
10月2週目~
 リリース可能状態。BGAの運営に連絡するも返事がねえ。なんか悪いことしたか?と思ってDiscordに行って直談判したら、一か月くらい忙しくて仕事貯めておった。人力チェックの悲哀である。BGAクリエイターたちと仲良くなる。
 
というわけで4か月くらいかかったということじゃ。アルファでリリースしてから気づいた少しおかしなところがあったので今はそれを直しておる。
アナログ版制作が1月から4月なので、5月以外はくまきちのことしか考えとらん。

ちょうどこの作業の最中、7月ごろかな?
(デジタル)インディーゲームクリエイター界隈で「大体作ろうと思った期間の倍はかかる」っていう話があった。この話アナログにも適用できますか?
俺は6月の早い段階で3か月でケリをつけると決めたところだったから、この話は大いに揺さぶられた。倍だと6か月か…生きてるかな。
まぁ結局、アルファの状態で今は12月。大体合ってなくもないと思う。

BGAに出してよかったこと。

ま、これじゃ俺の日記だからな。
BGAに出してよかったことを語れるのは俺かモクバ堂だけなんで、ここは俺が語ろう。ここでは世界の人々と仲良くなれたみたいなしょうもないことは言わない。俺の日記じゃないからだ。
1・プレイ統計データが取れる。
 これはまあ思ったより便利だった。ツイッターで遊んだログを見る以外は、基本的には自分がインストしてプレイした結果を見るだけである。それはどうしてもバイアスがかかってるので、完全に知らん人がゼロの状態からプレイした経過・結果が見れるのは非常によかった。

2・レビュアーに採点される
 BGAレビュアーという、パソコンでボードゲーム遊んでるようなヤバい奴らの集まりの更に濃縮還元100%みたいな人たちが、点数をつけてくれる。

 まあもう少し細かくでるが、隠しておこう。
 とりあえず星1は俺がインスト勝ちでボコった人だから何もいうまい。
 星2は全員日本人で、俺はこの点数付けに対してだいぶ根に持っている。(アナログ版を遊んで、デジタル化が下手だというなら甘んじて受け入れるが…)
 基本的にアナログデジタルの対比でなく、ゲームに対して出来不出来で点数つけるみたいだ。こうなると、ゲムマのアンケートのレベルじゃねえ(これはこれで根に持ってる)、完全にブラインドの、しかも買ってもいない何の思い入れもないゲームへの評価になるので結構貴重だといえるだろう。出口調査ってやつだ。心が強くないと持たないだろう。俺は☆5以外は「ふん、俺の芸術がバカにわかるかよw」と普通に思ってる人間なので、それほどダメージはない。とはいえ、星1があと一つ多ければ結構毎日うなされてたかもしれない。まあ、作者ってのはそういうもんだし、そういうもんであってほしい。ゲーム作ってる奴のツイッターを見てたらわかるだろ。

 先にいったように、ここには3・海外で売れる足掛かりになる。としたい。本来はな。でもまだアルファだし、なんもしてない。キックスターターをするつもりだ。ちょっとくらいおまけつけたりしないといけないだろうし大変だろうな。しかしやりがいがある仕事でもある。

まとめ

 いい一年だった。 
 
それでいいじゃないか、とそういう終わりにしかならんのだが、一応予告しておくと、noteでやるかどうかはともかくモクバ堂チュートリアルとは別の視点の「PHPとJavascript=データ構造と各プレイヤーへの表示」みたいな目線でのBGA Studioを通したゲーム観?実装手順みたいなのを書きたい。
 実践ベースで、非常に為になる記事だ。俺だって読みたい。
 あと、全然関係ないんだけど、出合った頃にはフリーターだったシチマロがとうとう今年度でデザイン専門学校を卒業する。
 それに伴って、趣味のゲーム作りからもう少しお金を稼げるほうにシフトしたいと思っていて、Dilettanteで屋号を取ってちゃんと商売するつもりだ。
 ゲームの企画制作から、グッズ制作、デザインだけ、何でもやる。
 BGAへの実装もくまきちくらいのゲームのサイズなら50万くらいで請け負うので、世界中の人に遊んでもらいたい自信のある作家はDilettanteへDMなりしてくれ。
 終わり。

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