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誤報は1週間訂正報道すべき理由

報道メディアはきちんと訂正報道をしません。正確に言えば、「訂正したといえる」だけの訂正努力をしません。間違った報道をして間違った情報を視聴者に伝えたなら、少なくとも一週間は定期的に間違いであった旨を視聴者に伝えるべきだと思うのですがいかがでしょう。

なぜでしょうか。一番分かりやすいのは、日曜日に誤報を打った場合。サンデーモーニング(TBSテレビ系列,日曜日 8:30 - 9:54)を例に挙げます。この時間は、普段テレビを見ないサラリーマンも寝坊しなければ見られる時間帯です。視聴率を信じれば、この番組は平均視聴人数が800万人前後。この番組で、とある政治家の発言を真逆にし、しかもテロップを捏造したと仮定します

サラリーマンがこれを見て誤った認識をもっても、翌日の月曜日に訂正報道しても仕事に行ってるから多分見ないでしょう。一方で、謝った認識が定着し、関係者が不利益をこうむってはならないですから、間違いがわかった時点で訂正報道はすべき。さらに言えば、人によって生活リズムは異なり、テレビに張り付いている人ばかりじゃないわけですから、確実に訂正するつもりならCM感覚で月曜から日曜まで定期的に訂正報道するはずです。

現に、本当に周知したい新作ドラマや映画の告知は、数週間に渡ってうるさいほどやるではありませんか。訂正報道は大変です。でも重大な誤報は、一週間のペナルティがあってしかるべきではないでしょうか。他人に迷惑をかけておいて、国民に虚偽報道をしておいて、ちょっと謝ってすむと考えるのがおかしいのです。公共の電波を使って嘘を吐いたなら、それ相応の努力をするべきというのが僕の意見です。

嘘は時に人を追い詰めます。木村花さんの事件は、誹謗中傷した人間はもちろん悪いですが、明らかに台本の演出がまずかったのも原因の一端だと思いますし、誹謗中傷が激化してきた時点で「テラスハウスの出来事は一部演技でした。彼女が意図的に他者を罵る意図はありませんでした。木村花さんの責任ではないのです」という形で庇えたはずです。フジテレビを含め、テレビ側の失態もあるにもかかわらず、訂正も情報提供も一切せず庇いもしなかったのは悪辣だと思っています。

テレビ側が訂正報道することに大きなコストを裂くことには、「虚偽報道の抑止」という意味合いもあるのでここに紹介しておこうと思います。


嘘をつくことで莫大なお金が入り競争に勝てるのなら、正直な報道は短期的には必ず負けます。そして、報道各社の上層部は失われた信用の尻拭いを現場にさせて、業績の良いうちに退職金をたっぷりもらって円満退社できます。

報道の公平性、公正性を担保するのは今しかありません。後になるほど信用を失い、報道の価値は減じられていきます。

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