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男性差別について考えるいくつかのリンク集
「女性差別は、多くの場合、女性側からは見えている。しかし男性差別は、多くの場合、男性側からすら見落とされている」
まずはこの記事に、よくまとまっています。
男性はなぜ寿命が短く、病気になりやすく、自殺率が高いのか。兵士、消防士、炭鉱労働者など危険な職業に就くのはなぜ男性が大半なのか。アメリカの男性解放運動を先導してきたワレン・ファレル氏の著書『男性権力の神話』の訳者である久米泰介氏は、女性差別の解消が進む一方、男性は「使い捨てられる性」として差別を受け続けているにもかかわらず問題視されることは少ないと指摘する。これまで「男性の権力」と思われていたことは、実は性役割による刷り込みに過ぎなかったのか。
#MeToo 運動を主導したアーシア・アルジェントが、実は自身も未成年の男性を性的暴行していたというニュース。日本ではあまり知られていない事実です。アルジェントは否定しましたが、物的証拠が次々に出てきて実はこの被害男性に口止め料を支払った事実まで判明(さらにそれを自死した元カレに払わせていた……)とメチャメチャでした。そのあたりの記事は以下に。
身の毛がよだつ程におぞましい話である(そんな人物が #MeToo の言い出しっぺである!!)と共に、男性もまた被害者になりえるということを、強く強く世に訴えなければいけないと思います。
女性もまた、そうであるように、男性への性暴力の加害者たりえるのは女性だけではありません。一時は大きな話題になりつつも、加害者側のあまりにも不誠実な態度が原因で硬直状態となっているこの問題……。
どうか皆さんにも、改めて考えてほしいと思っています。(個人的には、加賀さんのお気持ちもとてもよく判るのですが、もはや司法の場へ引きずり出すほかにないと思います)
女性差別も、男性差別も、その大元は同じ「男の世界」が作り出したものです(だから一部のレイシストじみたフェミニズムを除けば、「女性差別」問題と「男性差別」問題は手を取り合うことができる)。なぜ「男は男らしく」育てられてしまうのか、その病んだ環境について。
かなり話題になったこの本。上のリンクはTogetterですが、だいたい読んだ気になれます。なぜ「男性は男性という権力をふり回すようになるのか」、それは男性が、生まれつき「男性」だから、ではないのです。
個人的には男らしさの方が闇が深いと思った。この本の結論としては、女の子がジェンダーロールに立ち向かい、戦うことを励ますのと全く同じ態度や言葉を男の子にも示さないと男女が解放される世界は築けないと。片一方だけ見てたら無理だと。その通りだと思う。この本はマジで良書。何度も読み返したい
— 加賀美サイ◉作家ライター (@psy_kagami) April 21, 2019
そして今なら!noteで!なんと! この本のまえがきを全文読めちゃいます!!以下から読んで読んで!!
フェミニニティや女性であることについての固定概念にはいくつも穴が穿たれ、今やガールパワーは大半の人々に喜ばしいものとして受け入れられている。女の子は、スポーツをすることも、科学や数学で優秀な成績をとることもできるし、デリケートさと強さの両面をもち、大きくなれば兵士にも大統領にも先生にも医者にもエンジニアにもなれると、そう考えるようになった。また、ジェンダーステレオタイプが女の子の自尊心や行動や進路に与える影響については、学術研究やメディアでふんだんに取り上げられている。多様性のある強い女性ロールモデルが必要であると認識されているし、バービー人形やポルノが女の子の身体イメージやセクシュアリティに及ぼす影響は明確に分析され、批判されている。
しかし私たちは、男の子に対するジェンダーステレオタイプやその影響についても同じくらい熱心な配慮を向けてきたとは言えない。
かつてグロリア・スタイナムは「娘の育て方が息子の育て方に近づいているのは喜ばしい。でも、息子の育て方が娘の育て方に近づくまでは、本当の解決にはならないだろう」と言ったことがある。別の言い方をするなら、真の永続的な変革のためには、フェミニズムは女の子や女性の生き方を変えるだけにとどまってはならない。男の子や男性の生き方も変えなくてはならないのだ。
こちらはフェミニストの立場から作られた動画ですが、「ただ単に女性の数を揃えるだけでは問題が何も解決しない」という話をしていて、そこの考え方をまず確認してほしい。
女性差別を解消してゆくだけではただの「対処療法」に過ぎないのです。例えるならば、今「風邪をひいて熱が出ている」として、女性差別解消は「解熱剤」。確かに熱は下がって楽になれる、いま“苦しい”ことを和らげることはすごく大切だけれど、でもそれは結局「薬」のおかげなだけで、本当に大事なのはウイルスを退治して免疫力をつけること。もっともっと大元の部分をみんなで考えてゆかなければ、何も変わらないどころか、さらにイビツな、薬漬けの、男性差別の環境が作られてゆくだけです。いまも男尊女卑で犠牲になっている女性がいると共に、家父長制のもとで犠牲になっている男性たちもまた数多くいることに、どうか目を向けてほしい。そうすれば、さらに大きな力を生み出すことができるはずだから。
――人はジェンダーに関係なく、タフさと優しさ、勇敢さと繊細さ、競争心と思いやりという、人間に備わるあらゆる性質を同時にもつことができるのだということを。
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