教養としての落語

落語のらの字も知らない私が、何気なく買って読んでみたので感想をば。

和製チャーチルこと吉田茂元首相は、選挙活動中にコートを着たまま演説中に、「外套をとれ!」とヤジを飛ばされたときに、

「外套を着てやるから、街頭演説です。」

といったそうな。

また、小泉純一郎元首相も、落語をこよなく愛していたそうで、「落語は演説の勉強になる」といっていたそうです。

この本は、

「人の上に立つものにとって必要不可欠な人の心をつかむ術を身につけるためには、落語を学ぶ必要がある。」といっています。


また、落語の本質は「人間の業の肯定」と看破しています。

人間の欲や、どうしようもない部分を、しかるのではなく、それが人間なのだ、しょうがねえなあ。と許してやる懐の深さを持つのが落語であり、それゆえ江戸時代に庶民の間で親しまれていたようです(今でいうお笑い に似ている?)。

筆者は、慶応大学卒業後に、ワコールに入社し、そのあと落語界にとびこんだ異色の経歴をもっていて、現在は真打ち(落語では、「前座見習い」→「前座」→「二ツ目」→「真打ち」と出世していきます。)として落語の世界にどっぷり浸かっていながら、かなり落語の世界を客観的に描写できていて、落語のらの字もしらない私みたいなものでもスラスラおもしろく読み進められました。

オススメの本です。

https://www.amazon.co.jp/ビジネスエリートがなぜか身につけている-教養としての落語-立川談慶/dp/4763138073

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