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AI受託開発 という起業が流行っている

流行っているAI受託開発起業

  最近、AI受託開発で起業している会社をよく見る。ホームページを見るとどこもやっていることは似たり寄ったりではあるのだが、AI関連のプロダクト開発や業務改革プロジェクトを行っているクライアントに対して、コンサルティングや開発リソースの提供を行っている。
 かくいう私も、生成AI開発向けのSaaSの提供で起業しつつAI受託開発で9割以上の売上を賄っており、初年度から1億円程度の売上の着地を見込んでい
る。

なぜ流行ってる?

シンプルに、需要があり、供給がしやすいからと説明できる。

需要という面では、生成AIのブームエンジニア人材の不足にある。生成AIを使うことで新しいビジネスや価値提供、大幅な業務改善の可能性が広がっている。一方でそれを実現することができるエンジニアは需要に対して不足しており、一部の界隈ではエンジニアの取り合いが発生しているという噂も聞く。

供給という面では、やはりその始めやすさリスクの少なさだろう。AI受託開発を始めるにあたって必要なものは、シンプルにスキルと時間と営業力だけである。ストックにならない労働集約なビジネスであるが、初月から黒字でビジネスが回せるため調達も不要で赤字を掘る必要もないためリスクが少ない。

また、Winner takes allではないので、競争が苛烈ではないことも大きいだろう。

変化の激しい生成AI領域でのベストな戦い方

 ChatGPTが出てから1年経つが、いまだに新しいニュースが絶えない変化の激しい領域が生成AIである。何か軸足を置いてビジネスをやろうとするにはあまりにもストレスフルな環境である。法人向けChatGPTをサービスをいち早く打ち出しても、すぐにOpenAIやMicrosoftがEnterprise向けのChatGPTサービスを出す。ChatGPTは1年前はテキストを返すだけであったが、今は喋るし絵を描くしコードを実行したり検索もしてくれる。カスタムのGPTsもChatGPTが作ってくれる。OpenAI以外のLLMの競争も激化して、日々GPT4を抜いたとか抜いてないとかのニュースが出るため、一体どこにベッドすればいいかも分からない。
 
 受託開発というのはそんな変化の激しい生成AI領域で最も生き残りやすい戦い方である。常に案件単位でその時の最新の技術を使って開発をすることができるため、技術的に取り残されることが少ない。プロダクトが成功した時のアッパーは得られないが、リスクが小さく死ぬことがないというのは資金も余力もない創業したての会社にはとても助かるのだ。

AI受託開発の実態

 AI受託開発の案件は、生成AIのブームに支えられている。生成AIという技術への期待(hype)が投資を後押ししている。
 案件の相談は、「生成AIを使えばこんなことできないでしょうか?」「生成AIを使ってこんなことがしたいんですが」という相談から始まる。残念ながら、非常に高い期待値で実現性が乏しかったり、成果が実際に出るか確証の持てない新規事業であることは珍しくない。そのため、多くのAI受託開発のアプローチとして「小さく始めましょう」という提案を行い、PoC開発から行うケースが多い。
 予算的にはまず数十万円から数百万円で、第一検証が可能なプロダクトを作り、成果が出ることがわかったら本開発に進めていくパターンが多い。スタートアップや中小だと、シードVCからの調達やものづくり補助金がこのオーダーのため、大体この範囲でできることに収まりやすい。
 PoCをやる中で、精度の問題成果(KPI)を達成できないことが判明することはやはり大いにある。理想的には、解決すべき課題を解いているのであれば改善を繰り返していくしかないのだが、技術への期待で立脚しているプロジェクトだと失望時にシュリンクしてしまいやすい

AI受託開発にいずれ来る限界

 生成AIの応用領域は多岐に渡り、あらゆる業界で注目されているが、どんなブームもいずれは終わりが来る。その時にどのように生き残りを図っていくかは考えておく必要があるだろう。
 生成AIで価値が出せる領域や業界の課題を見つけてそこを掘っていくのか、横展開できるソリューションをプロダクト化していくのか、はたまた次に来るブームの技術支援に切り替えるのか。いずれにしても、今やれることをやっていく中で道を見つけていくしかないだろうと思っている。

結論

 「持たざる者」である創業したての会社にとって、この変化の激しい生成AIの領域では受託開発というビジネスは非常にメリットが多い。僕自身も、もしエンジニアの友人が起業を考えていたらまずは受託でお金を稼いでプロダクト開発をすることを勧めると思う。一方で、この生成AIのブームが永遠に続くことはないので、次に何をやるべきかは常に考えながら行動していきたい。

PS.
株式会社LangCoreをやってます。開発案件のご相談や、生成AIという武器を使って価値を出してみたいと思っているエンジニアの方、ぜひ X(Twitter)のDMをください。めちゃくちゃ待ってます


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