『あの夏のルカ』の感想

みなさん。夏休みはいかがお過ごしでしょうか。もう夏休みも終わりますね。
ちなみに自分は社畜なので夏季休暇は3日しかないです!!こんな感じで、いつも学生に戻れたならな~と思います。唯一良いことは電車が空いているということですかね。

ということで、夏の終わりにピッタリな作品について書こうと思います。
そうです!!「あの夏のルカ」ですよね!!
とは言っても、見たことも聞いたことも知らない人が多い作品なので軽く紹介から入ります。


「あの夏のルカ」について

2021年に公開されたピクサー映画です。コロナ時期も相まって劇場では公開されておらずディズニー+で公開された作品です。一応、テレビCMで宣伝していました。

そのためディズニー+でしか見られないため、知名度はとても低く、多分キャラクターが出ても誰それとなるくらいの作品です。
一応、ディズニー40周年のハーモニーインカラーでミッキーフレンズ達が乗るフロートの装飾プレートに出てはいます。気になった方は探してみてください

ストーリー

ざっくりあらすじ

舞台はあるイタリアの海辺の町、ポルトロッソ。その付近の海に住むシー・モンスターの少年ルカは、同じシー・モンスターのアルベルトに出会い、共に姿を隠しながら人間の住む地上の世界で過ごすことで、この夏忘れられない体験をするという物語

細かなストーリー

イタリアのとある港町、ボルトロッソ。付近に住む海の怪物と呼ばれるシー・モンスターは人間に隠れつつ暮らしています。
その1人の少年ルカは牧魚(現実で言う牧羊)の時に地上の物(目覚まし時計)を見つけ、船がとこから来るのか気になりました。しかし母親には地上について、近づくのも考えるのも禁止と叱られます。次の日、同じ場所でガラスコップやレコードプレーヤーなど色々見つけると、地上の物を回収しているアルベルトに出会いました。回収し終わって地上へ出るアルベルト。ルカは追いかけますが地上へ出ることは躊躇います。アルベルトに地上に引っ張られると自分の姿が人間になっていることに戸惑い驚くルカ。やがて落ち着いて周りを見回すと初めての地上の景色に感動しましたが、これは悪いことだと言い海に戻ります。しかし、その日の夜どうしても気になっていました。

次の日、仕事をサボり地上を見に行きます。しかし、あと1歩が出ませんが後ろからアルベルトに押され地上に出ます。アルベルトから地上のことを教えてもらい、またアルベルトが住んでいる基地に招待されます。アルベルトは、どうやらお父さんを2人で暮らしているようですが、いつも出掛けているらしく奔放な生活のようです。
基地で2人はバイクの絵を見て感動し自作することに。ルカは嫌々と言いつつつも夜まで手伝います。次の日、試乗を行うが失敗しバイクは壊れます(試乗と言ってもスキー台のように坂道を下る)。その日を境にまた2人で作り始め、仲良くなります。数日後、試乗時にアルベルトは2人で乗ろうと言いますが怖がるルカ。アルベルトに怖れを抑える方法を教えてもらい、2人で乗ります。また失敗し海に落ちますが、ジャンプし跳んでいる瞬間が心に残り、2人でいつか本物のバイクに乗りたいなと語ります。いつの間にか寝てしまい、夜になって慌てて帰るルカ。家に帰ると仕事をサボっていたことがバレており、地上で遊んでいたことも口を滑らせます。そのことで、母親は怒り、叔父の下(深海)で過ごすように言われます。ルカはその日の夜、家出をし、アルベルトの下へ行きます。相談するとアルベルトは2人で人間が住む町に行くことを提案します。

町にやってきた2人、町の悪ガキ大将のエルコレのベスパ(バイク)にボールをぶつけます。ルカは噴水に顔を付けられそうになるが、間一髪のところで少女ジュリアに助けられます。ジュリアからポルトロッソカップ(トライアスロンレース)について教わります。2人はポルトロッソカップの優勝賞金でバイクを買うのを目標にします。ポルトロッソカップは3つの競技(泳ぎ、早食い、レース)がありジュリアと組むことになります。その頃、シーモンスターは町で懸賞金をかけられるようになりました。
また、レースには参加費が必要らしくジュリアはお父さんのマッシモに相談することに。2人はジュリアの家に招かれ紹介されます。マッシモはジュリアに参加してほしくないが説得されます。その代わり参加費を工面するため、3人は仕事の手伝いをすることになりました。またルカとアルベルトは帰れないため、ジュリアの秘密基地で泊まらせてもらい夜を過ごします。その頃、ルカの父母もルカを追いかけて地上に来ました。
次の日、ルカたちはさっそく仕事を手伝い大量の魚を捕ります。どうにか参加費を工面してもらい、またレースの練習を開始しまいした。泳ぎはジュリア、自転車はルカ、早食いパスタはアルベルトが担当することに。練習中にはエルコレがたびたび絡んできました。ある日の練習後、ルカは街中で父母を見かけて追いかけてきていることを知ります。その日の夜、3人はレースの相談をしようとするがアルベルトはマッシモに仕事の手伝いを頼まれます。ジュリアとルカは二人きりになり夜空の星や太陽系など天文について教えてもらいます。その日から学校に興味を持つルカ、また、ジュリアとルカが仲良くしている様子を見ると、アルベルトはどこかつまらなそうに思いました。
ある日、ルカたちはついに父母に見つかるが逃げます。やがて坂道にたどり着きます。ルカはどうやらまだ坂道が怖く、ジュリアはからアドバイスをもらいます。しかしアルベルトはその様子が気に食わず、2人乗りで急斜面を下り海へダイブします。陸に上がるとルカはアルベルトはケンカします。ジュリアが来てケンカは止まるが、アルベルトは腹いせに自分の正体をばらします。ルカはアルベルトを指差してシーモンスターだと言いました。アルベルトはエルコレに銛を投げられ海に逃げます。ジュリアとルカは家に帰りマッシモに話すとアルベルトを探しに行ってしまいます。しかし、ジュリアはルカの正体をわかっており、この町から出ていくように言います。

ルカはアルベルトの秘密基地に向かいました。基地につくと中は荒れていました。アルベルトを見つけるが、アルベルトはそっぽを向き上に行きます。ルカは壁に何かを数えた印を見つけます。アルベルトに話を聞きに行きます。どうやら父がいなくなってからの日数らしく、ある日から父に1人で生きろと言われ出ていったそうです。アルベルトは帰ってくるのを期待ましたが、いつからか数えるのをやめてしまいました。アルベルトは自分自身が嫌になりルカにも冷たく当たってしまいます。しかし、ルカはバイクを手に入れようとますます気合が入り1人でレースに参加することを決意します。

レース当日、ジュリアも1人で参加することに。ルカは水に触れないように防護服をまとい海底を歩きます。次の早食いパスタでは上手にフォークを使えないルカ。ジュリアに巻いて食べることを教わり、最後の自転車レースへ。坂道をのぼっている最中にエルコレも抜かすが雨が降ってきました。屋根のある場所で足止めされるルカ。するとアルベルトが傘を持って助けに来ます。しかし、アルベルトはエルコレに蹴られ傘を手放すと濡れてしまいシーモンスターだとバレてしまいます。網に捕まるアルベルト。それを見てルカは、自分も濡れることを厭わずにアルベルトを助けます。2人で坂道を下り逃げますが、銛を盛ってエルコレも追いかけてきました。さらにジュリアも追いかけます。

2人はエルコレに抜かれ前を塞がれます。また銛を投げられそうになるが、ジュリアが横から体当たりをしてエルコレにのバランスを崩し倒れます。ルカとアルベルトはゴール後に自転車を置き、ジュリアに肩を貸しますが、町民に囲まれてしまいます。さらにエルコレから軽蔑の言葉を投げられます。
しかし、ジュリアは庇い、マッシモも庇います。すると、町民は納得して解散する流れに。また、3人はレースの優勝者として認められます。アルベルトとルカはトロフィーを掲げます。また賞金でボロボロのベスパを買いました。

数日後、雨が降る中、ジュリアは学校へ戻るため駅でみんなと別れの挨拶をします。ルカは別れを済ませると悲しみながらベスパを修理しに行こうと言います。するとアルベルトはバイクは売ったといい、ルカに切符を渡します。その時、家族が来て学校へ行きなさいと言われます。実はアルベルトが説得してくれたらしく、ルカは学校へ通えることを喜びます。
ルカはアルベルトも一緒に来るものと思っていたが、アルベルトはマッシモの下で暮らすことに。ルカは悲しみ、またアルベルトを1人にさせてしまうため心配します。2人はハグをし、アルベルトは大丈夫と言います。

最後に握手をして汽車は発射します。アルベルトはトンネルに入り姿が見えなくなるまで応援します。ルカもトンネルを抜けても、後ろを見続けます。その眼は寂しげに涙ぐみますが、雲の隙間から晴れ間を見て、後ろから前へと向きます。

EDで学校から手紙を書いている様子や、正体をばらしている様子、望遠鏡をのぞいている様子がうかがえる。

感想

正直、初めて見たときはう~んそこまでおもしろくないな~と思っていました。今回、これを書くために改めて見たのですが、まぁ普通でした!!でも夏・海・青春と夏映画として良かったです。難しいことはないので頭を空っぽにして見ることができます。

ストーリーは王道なんですよね。本来、危ないからダメだと言われた世界に足を踏み入れる。それはどこか新鮮でスリルがあり、親友と過ごす楽しい日々。そしてケンカや夢、勇気に挑戦、別れ。
と忘れられない経験をしたあの夏のルカを見る物語です。

ストーリーについて

見どころというか、軸としてはルカの心の変化だと思います。

でも、その前に1つあるのがお決まりの差別問題です。
ルカはシーモンスター、地上には人間。ということで言わずもがな想像がつきます。もちろん、ディズニー節である「見た目じゃないんだ、仲良くしよう」という点に着地します。
で、この差別は怖れから来ているんですよね。人間側から見たら未知の怪物、何されるのかわからないから怖い。怖いから暴力で排除という。少し美女と野獣っぽさもありますね。なので、劇中でシーモンスターには賞金がかけられてます。
またヴィランとして描かれるエルコレが語ってますね。
「シーモンスターは怖い。大嫌いだ。そりゃモンスターなんだから」
ってモンスターは受け入れられない。だってヒトじゃないからって。現実的には正しい反応だな~って思います。ジュリアやマッシモは一緒に過ごしたから庇えるわけで。最後、町民が簡単に納得するシーンは少し謎でした。

逆にシーモンスターからはルカは母親から「人間は危険な生き物」と教えられます。もちろん、人間が全員が危険かと言われたらそうでもないですし。この点は同じ海系の物語としてリトル・マーメイドやファインディング・ニモにも共通してると思いました。

次にルカの心の変化についてですが、ルカって毎日、家の手伝いで魚に餌を与える日々を過ごしているんですよね。この時点で多分、毎日が同じで退屈なんですよ。でもある日、人間の物を見つけて興味が湧いてくる。そこから、「船はどこから来るの」って疑問を持つ。
そこからアルベルトやジュリアに出会い、地上について教えられ世界が広がっていく。それに伴い、臆病な一面から友達のために勇気を持って行動したりと成長も見られます。

この描写が丁寧でわかりやすくて良かったです。

初めは、ルカは渇いて人間の姿になることも知らないんですよね。母親には地上は危険だ。近づくなと教わっていたから。シーモンスターとしての特性も知らない。子供だからっていうのもありますけど無知なんですよね。
でも、アルベルトに地上の空気や青空、緑の木々や水中では感じない重力など新鮮な体験をする。この時に顔がほころぶシーンがあるんですが、ここで広がりを感じさせられます。
これはラプンツェルが初めて塔から外に出て地面に足をつけた瞬間の気持ちと同じだと思います。

次にアルベルトからベスパを教えてもらう。このとき2人は夢を共有します。ベスパを手に入れて自由に旅をしようと。そのためにベスパを作ったり、レースに出て賞金でベスパを買おうとします。

アルベルトってルカより年上だと思うんですが、良い兄貴分なんですよね。でも、そんなアルベルトは、実は親に捨てられ1人で孤独に過ごしていたんですよね。だからルカと仲良くなることで孤独を忘れるんですよね。また夢を共有して親友みたくにもなる。
でも、だからこそ今まで独りだったからわからない。ルカと夢がすれ違った時は壊してしいます。また、アルベルトは父親がいなくなったのは自分のせいだと責めもします。実際は違いますが。
小編映画のアルベルトの手紙、いわゆる後日談なんですが、マッシモに父親の影を重ねます。

そんなアルベルトは孤独での寂しいという感覚を感じさせてくれます。でも雨が降ったらルカを助けに来たり、網に捕まっててもルカには来るなと、ルカを人間にバレないように庇うんですよね。最後は姿が見えなくなるまで見送ったりと熱い友情も感じさせてくれます。
ベスパがなくてもアルベルトもルカと出会ったことで世界が広がったのだと思います。

次に世界が広がる瞬間として人間の少女ジュリアが関係しています。
ジュリアは天文について教えてくれます。夜空には星があり惑星があり銀河があり宇宙があることを教えてくれます。ルカはそんな話が新鮮でわくわくします。また学校へ行けば大きな天体望遠鏡があることを聞き、学校というものに強く興味が湧きます。

旅に出て体験することも、勉強で知識を得ること、このどちらとも世界を広げてくれる方法です。でも、この方法がアルベルトとはお互いに異なるためすれ違うんですね。
また、学校へ行くにはシーモンスターであることを隠さないといけません。つまり、人間の社会に入る必要があります。ルカはそれを受け入れられる。でも、アルベルトは正体がバレたらどうするんだと。そもそも人間の社会に入ることを望んでいないんですよね。

その結果、ケンカしてアルベルトはジュリアに正体を明かします。ルカは人間側に居たいので、「シーモンスターだー!!」と指差して裏切ります。でも結局、ルカも正体を見破られジュリアに町から出ていくように言われてしまう。
この時ジュリアも優しくて父のマッシモは「ハンターだ。見つかったら大変だ。今すぐ町から出ていくべき」って庇ってくれるんですよ。良いやつだな~って思いました。

この世界が広がっていく瞬間というのは、多分誰でも味わったことがあると思うんですよね。知らないものを知る、建物や景色を見る、体験など強く心が動きます。それって忘れられなくてかけがえのないものだと思いますし、その瞬間を感じているルカを見て懐かしめるんですよね

このルカって出てくるキャラクターの中で一番、子供なんですよね。頭でも言った通り。
そのせいかアルベルトとケンカした後にアルベルトの下へ行き会話しますが、特に謝らないんですよね。しまいには急に「重力最高~!!」とか言って基地から飛び降りる。一応、アルベルトのためにレースを優勝してベスパをプレゼントしようとしていることはわかりますが、言葉足らずでこのシーンは「ルカ最低だな!!」「えっ?怖っ。。。」って思いました。
あと、その前の裏切ったり、学校へはアルベルトも来るものと思っていたり、どこか自分中心の部分があって「コ、コイツ。。。」と言いたくなりました。

だからこそ純粋で思ったことを正直に口にできるんですよね。母親にも「大好きだよ」ともいえるし、ケンカもしたからアルベルトとルカはお互いにわかりあっている。
この最後のルカとアルベルトのやり取りがグッときます。
ルカはアルベルトも一緒に学校へ来るものだと思うが、アルベルトはマッシモの下で暮らすことを言う。すると
ルカ「僕、君がいないと無理だよ」
アルベルト「俺はずっと一緒だ!!今度、崖から飛び降りるときやブルーノに黙れって言うときは。俺を思い出せ!!」
ルカ「でも、君は1人で大丈夫?」
2人はハグする。
アルベルト「お前が島から連れ出してくれた。もう大丈夫だ」

このルカの「君は1人で大丈夫?」って言うとアルベルトはハグするんですよね。このルカのセリフが、最後まで心配してることがわかりますし、すっごく心に刺さるんですよね。そのあとアルベルトも思わず、ハグしながら目には涙がありますし。でもルカの前では涙は決して見せない。そして心配させないように「もう大丈夫」だと。

このシーンは2人の関係の集大成でした。


でも、自分が一番好きなシーンは最後の汽車でルカが出発したシーンです。
アルベルトはトンネルに入り姿が見えなくなるまで応援する。それを見てルカは可笑しくなり一瞬笑うが、トンネルを抜けてもまだ後ろを向いて一筋の涙を流す。やがて外の景色の雲の隙間から日が差しているのを見て前に向き直す。

このシーンでルカ自身が別れの寂しさを強く感じさせてくれますが、この晴れ間である景色の描写が希望を感じさせてくれるんですよね。ルカも晴れ間を見て前へと向き直す。
このシーンの描写が気持ちをマイナスからプラスへ変化するのを表現しておりすごく良かったです。

その他について

他に気になった点として、マッシモです。マッシモは生まれながら片腕という、いわゆる障害持ちなんですよね。
この設定はいるのかな。何を表しているのだろうとあまり良くわかりませんでした。

また日本版のエンドソングに「少年時代」が起用されており、イメージにぴったりでした。歌っている人はヨルシカのsuisさんですが違和感はありませんでした。

終わりに

以上になります。
夏休み感想文にしては長くなってしまいました。本当に伝えたいことは伝えられているのかわからなくなりますし、たぶん語彙力が足りないのかなと思います。できればもう少しストーリー短く書けるように精進します。

みなさんもぜひ「あの夏のルカ」を見てあの頃の自分に思い馳せてみてはいかがでしょうか。

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