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トーキョーの探し物は何ですか?見つけにくい物ですか?

 22年前の一昨日、1999年11月21日はFC東京がJ1昇格を決めた日である。

 すっかり忘れ去られているような記憶であるが、FC東京というクラブにとっては決して忘れてはいけない大きな1日であるし、この日、この年があったから20シーズン近くに渡ってJ1の舞台で戦っていられるし、タイトルを取ったり、アジアの舞台に足を踏み入れることもできていると思う。家族に例えるなら子供の誕生日、夫婦に例えるなら結婚記念日のような日だと思う。

 そんな記念すべき日に、当時FC東京の選手として戦っていた和田潤、岡元勇人、小峯隆幸の3氏にお会いする機会があり、22年前の昇格を決めた試合を観ながら、当時の貴重なお話を聞かせていただいた。

 そこで、私はこのFC東京というクラブにハマったきっかけ、そして現在のFC東京が忘れているものを思い出し、考えさせてもらった。

・1999年11月21日 VSアルビレックス新潟

 まず、この試合がどういうシチュエーションであったかを簡単に説明したい。

 FC東京はこの前の試合、ホーム最終戦でベガルタ仙台に敗れ昇格圏内の2位から3位に転落。自力での昇格は消滅した。最終節のアルビレックス新潟戦で90分以内で勝利し(当時は延長Vゴールがあり、その場合は勝ち点2が得られる)、且つ2位の大分トリニータがモンテディオ山形に負けるor引き分けなければ、昇格できないという状況でった。 
 また、FC東京はアルビレックス新潟に対して過去3試合で勝利はおろか得点すら奪えておらず、かなり不利な状況であった。

 最終節は、FC東京が前半に奪った1得点を守り切り、90分以内勝利する。対する大分トリニータは後半に先制点を挙げるも、アディショナルタイムに同点ゴールを奪われ、延長戦でゴールを奪うことができず、そのままタイムアップ。結果、FC東京の逆転でのJ1昇格が決まる。

・私がハマったきっかけ、FC東京のアイデンティティ

 この試合を含めて、1999年のFC東京の試合をリーグ戦、カップ戦含めてハイライトで見てみて、あることに気が付いた。それは、もしかしたら私がこのクラブにハマったきっかけでもあるし、FC東京というクラブのアイデンティティーかもしれない。

それは、最後まで諦めず、どんな相手にも怯まず立ち向かっていくということである❗️

 特に、ヴィッセル、ジェフ、マリノス、アントラーズといったJ1のチームと戦い、ベスト4という結果を残したナビスコカップでの戦いぶりは、アイデンティティそのものであり、現在のFC東京が忘れてしまっているものかもしれない。

 例えば、当時のマリノスには井原正巳や城彰二、川口能活といった現役日本代表がいたし、アントラーズにも秋田豊、本田泰人、ビスマルク、柳沢敦といった当時小学生だった私でも、顔と名前が一致するようなスゴい選手たちがゴロゴロいた。

 実際、この時のナビスコカップの映像を見返した時、当時のFC東京の選手は「え?誰?」となることが多く、逆に対戦相手のJ1のチームの方が知っている選手が多かった。それくらい、当時のFC東京の選手のネームバリューは低かったと思う。

 だが、そんな相手にも当時のFC東京の選手たちは臆せず戦い、格上のJ1のチームを次々と撃破し、最終的にはアントラーズに敗れたものの、ベスト4という結果を残した。

 私がハマりだした2005年もそのような兆候があり、当時強豪だったG大阪や浦和レッズといったチーム相手に優勝争いしている時に戦って、勝ったり、引き分けたりしていた。実際、そういったシチェーションで迎えたゲームは、どんなにチームの順位が低かったり、つまらないサッカーをしていたとしても面白かったし、魅力があった。

私は、そんなトーキョーの姿にハマったのかもしれない…

・探し物はコレだった!

 現在のFC東京は、長友佑都のような有名な選手もいるし、タイトル争いもしている。選手のネームバリューは格段に上がり、技術レベルの高い選手も増えたかもしれない。クラブの置かれる立場も変わった。他のチームのファンから見たら羨ましがられるようなものをたくさん持っているのかもしれない。ただ、私は何か物足りなさ、何か忘れて物をしているような感じもしていた。

 それは22年前の映像を見返していく中で感じた、「最後まで諦めず、泥臭く、どんな相手にも怯まず戦う」という姿なのかもしれない。 

 現在のFC東京の選手達を否定するわけではないが、小じんまりと、大人しく、感情を露わにしない、どこか優等生ぶっているように感じる。もっと分かりやすく言うと、カッコつけているようなイメージだ。

 もちろん、現在の方がクラブの規模が大きくなって、ネームバリューのある選手も取りやすくなったかもしれないし、お客さんも増えた。幸せになったかもしれない。だが、その過程で失った物もあるのかもしれない。そんなことを22年前のトーキョーの姿を見て、考えていた。

 東京ガスからmixiに来年から経営権が移るにあたって、私は“ありがとう東京ガス!よろしくmixi!”という今までの感謝とこれからの期待の気持ちでいっぱいである。こんな時だからこそ…

最後まで諦めず、泥臭く、どんな相手にも臆せず戦う

 これは、忘れないで欲しいし、もしかしたら、トーキョーに今一番必要なのは、この姿勢なのかもしれない…

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