おじいちゃんとパン、そしてくつした。

「このくつした、妹ちゃんのとにてる~!」

ケタケタと笑う小学生の子。靴下・・・私・・・見てなかった。どんな柄かも、何色かも。この絵本を買って、3年くらい経つのに。何回も見てるのに。おじいちゃんの靴下のこと。見てなかった。

おじいちゃんとパン
え・ぶん たな
パイ インターナショナル

 昨日は、ノミガワスタジオのお店番だった。真ん中のテーブルに絵本を展示していて、自由に読めるようにしていた。そこに「おじいちゃんとパン」を置いていて、読んだ子が靴下に注目して楽しんでいる。

おじいちゃんの靴下が、これまた可愛い。初めて靴下の柄と色を認識した。私はこの絵本を読むときはパンにしか目がいってなかったんだ。

「このくつした、妹ちゃんのとにてる~!」

「ほんとだね~!」

ママも加わって大盛り上がりだった。二人の話している姿が素敵で密かに見惚れてしまった。小さな感動。

「ねー!おじいちゃんはだし!はだしでどこ行くの?」

予測している自分に少し寂しさも感じる。感動と寂しさ。

ページの向き、おじいちゃんの向いてる方向で「あ、こういうことか」って予測して見てしまってる自分。

絵を見て「どこ行くの?はだしだよ?」って想像してる子どもさん。

「絵のことは子どもたちにおしえてもーらお!」って開き直ってても、いざやっぱり見てなかった部分があると、きつつきにつつかれたような感じ!

絵本専門士。絵本の専門家。求められることが絵本読みをすることでどんな効果があるのか、とか、ブックトークも大人向きだったりするので、時々、覚えることとか「できなきゃいけない」って思って、視野が狭くなりがちな私なのですが、子どもたちが「そっちばかりじゃないよ」って引き戻してくれる。絵本の専門家ってなんやろなぁ。知らないほうが純粋に楽しめるかもなぁ、と、日々経験積み積みです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?