男木島の事。

そして、長いけど、出来ればこれは最後まで読んで欲しいです

ツアー中唯一の観光日。
私達は香川県は男木島と言う人と猫の住む島に行った。
男木島のキャッチコピーは「夕陽と出会える島」

なんて言うか…こう、超タイミング良かった…

あの島は、数年前の世界ネコ歩きの岩合さんが訪れてから一躍有名になったそう。
だけど、最初は猫と地元島民との関係は良くなかったらしい。
猫が増えすぎる→食べ物困る→おじいおばあが趣味でする畑を荒らす→猫許すまじ!
の繰り返しだったそう。

これはまずい。その島に住んでいなかった私でも分かる。そら仲悪くなるわ。
それでも猫島として有名になっている。
数が多すぎて猫自体もあまり健康状態が良くなく、訪れる観光客からも「かわいそう」と言われてしまっていたみたいで。

そして4年前、どういう繋がりなのか経緯がは詳しく聞けなかったけど、NPO法人「BONにゃん」の代表、中山さんの協力の元、無償でTNR(TNRとは、Trap・Neuter・Return(トラップ・ニューター・リターンを略した言葉で、捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)こと。)をして、当時とんでもない数いた猫全員に行い、島の猫を把握し、中山さんが男木島へ通い、キャットフードを届け、健康状態も把握して、今70匹程の猫が穏やかに住んでいる。

よく考えたら、凄いことよ、これ。
1猫につき、去勢は4万近くかかる。それを無償だよ?愛しかなくない?

と、まぁ、現状はこんな感じ。何でこんなに詳しいかって、1番最初に話したように、私たちにはタイミングの神様が降りてた。

BONにゃんの中山さんが週一来る日に遭遇、猫と夕日の島にしたいと島の中で中心となって活動されている松本さんに出会えたから。

しかも出会えたきっかけは

「そうめん」

そう、私達は下調べが甘かった。
島についてすぐの案内所でみた「定休日」の文字たち。
と言うかネットには「営業中」になってた飲食店が軒並み休み。月曜日って怖い…

暑いし猫にも会えんかなーその前に私たちのHP切れるなー…

とウロウロし始めた時に
「無料の休憩所あります、そうめんあります」
の文字が目に入ってきて、飛びついた。

いや、あれやん、観光地ならどっかしら飲食店空いてると思うやん。
なーーんもないのよ。
休むならせめてネットに「定休日」って書いといてくれ…

と、言う訳で松本さんがやってる無料休憩所に避難&ご飯。

そこに、中山さんと松本さんと数名のお客さん。

…なんだここは、地元の寄合かね。

最高過ぎた。
後、そうめんが氷水に入って出てきた。

…なんだここは。最高かね。

そうめんが1人前250円。

…えーと、価格破壊もここまでくると気持ちいいな?

そこで、猫に出会えるスポットを教えてもらい、なんと!中山さんが案内してくれると!!
「暑いから会えんかもしれないですけど、必ずおる場所教えます!」と。松本さん、神かよ。

そこにたまたまいた江藤隆二さん(生き別れの従兄弟説濃厚な初見同世代)と前日高松にライブを見に来ていたという金髪にーちゃんと4人でレッツ猫探し!

その時、松本さんから
「ガリガリな子がおんねんけど、良かったら猫缶を上げてきてくれませんか?カリカリはよー食わんのですわ。元気になって欲しいしご飯食べて欲しいんです。ゴミはそのまま帰られるんやったら、高松帰った時に捨ててください、もしここに戻られるんやったら持ってきて下さい」と、重大任務を授かった。

後々よく考えたら、これも凄いことな気がして。

いや、あれよ。私は猫缶いらんよ?
だけど、猫缶をパクられる事だって考えられるでしょ?
でも、多分ここに観光しに来る人は猫が好き、多分大好き。だから盗んだりしない、ネコスキ、ウソツカナイ、ヨイコ。
そこまでの環境にしてくれたんも、松本さんと中山さんの努力だと思う。

んで、40分ほど中山さんに案内してもらったら、出逢う出逢う、かわゆい猫ちゃんたち。生きすがら「ご飯ーご飯よー!」と焼き芋売りもびっくりな感じで誘い出す中山さん。
あなた、マタタビですか…?
暑いから会えんかもと言うてたのが嘘のよう。ぞろぞろ出てくる。「私でもよー会えんけん!」
と言うツチノコニャンにも遭遇。すげーなおい。

実は島猫さんたちに遠慮してあんまり触らんようにしてたけど、後々松本さんから聞いたら「構ってもらうの島の猫は大好きですよ」ですって。…ですって!
もっとモフればよかった…

そして中山さんは島に家を買ったそうで。
何故かその家も案内してもらいました。
えーと…この5人、親戚かな…?笑

漁師さんの倉庫で、歩くマタタビ、いや、中山さんは封の空いたキャットフードを私たちに渡し「後は託すわー15時の船乗るねん、あっつー!」と言いながら二足歩行のマタタビは高松へと帰り、そこで金髪にーちゃんともお別れ。

りゅーじさんと心ゆくまで猫を堪能。(遠慮してあんまり触らんかったけどな、チッ!)

そのまま帰るにはあまりに暑かった為、来た道を戻り松本さんち(無料休憩所だけどあれは家やね)へ。

かき氷を3人で食べて、松本さんのお話を聞く。

松本さんは、観光と夕日の島にしたい、と熱烈に仰っていた。
本当は観光マップも作りたい、もっと観光に特化した島にしたい、おじいおばあが大半を占める中、収入源は観光、食べ物もマップも無ければ、観光客は離れる一方だ、と。

実は島に到着した時、案内所で観光マップを探した私たち。(主にご飯どころを探した)けど、そこにあったのは「避難マップ」だけ。お腹を減らしてから行った私達は、最終船で帰る予定だったけど、この暑い中腹減ってたら自分らがヤバい、とりあえずぐるっとして帰る、と言う予定に急遽切り替えていた。
あの奇跡の「そうめん」の文字がなければ猫に会えなくても「そうかー暑いからおらんよなー」と帰っていた。

数年前までは、その案内所でカレーやらなんやら出していたそう。
だけど、大人の事情…と言うか色んな事情が相まって無くなってしまったそうだ。

多分、松本さんちが無ければ、二度と男木島には行かないと思ったと思う。
暑いし、食べ物ないし、猫見れないし。
他の観光客の方もそんな気がする。

そして、観光の島にしたい、猫と夕日の島にしたいと言う松本さんを阻むのは「船便の数」と「猫の数」と「大人の事情」。

夏場の夕日は18時頃。でも、男木島からの最終船は17時。これじゃ、泊まらないと見れない。
…確かに無理や。私達みたいに働いてその間を縫って観光しに来てる人達は見れないまま終わる。
なので、19時台の船を作りたい、と。

そして、TNRを受けた猫しかいない現在、いつか猫が絶えてしまう日が来る。TNRが悪い訳じゃなくて、普通に考えたらそうなる。
だから松本さんは、中山さんの力を借りて、全島民の理解も得て、高松で殺処分を待っている猫たちを島で引き取りたいそうだ。その為に1次シェルターのようなものを作りたい、と。

どちらもとても素敵だと思う。
ただ、「全島民の理解」と「大人の事情」が行く先を阻んでいる模様。

ちなみに、男木島の猫は匂いがしない。
人も怖がらないし、観光客にも爪を立てない。
大切にされている証拠だと思う。

何せ距離が遠いので、協力できる事は限られてくる。
なら、見て聞いた現状をこうやってみんなにシェアする事で、「知ってもらう」と言う協力をする事にした。

とにかく、男木島は楽しかった。
出会いの宝庫だった。
江藤隆二さんとは同世代、なんなら歳超近い。
男木島終わりでご飯に行くくらいには楽しい人&距離感バグってる人。超面白くてめちゃくちゃいい写真撮る人。(私のフィルムカメラに興味があって話しかけてくれた様子。そらあんな古いカメラ気にならないはずないよね)
また会えたら(って言うか近々会えるはず)また色んな話をしたいと思う。
松本さんにも、また来年帰った時に会いたいし、中山さんにも奇跡のワンチャンで会えたら嬉しい。
猫たちも元気に生きていて欲しい。

そんな、素敵な島のお話。

#香川県
#男木島
#松本さん
#中山さん
#NPO法人BONにゃん
#TNR
#江藤隆二さん

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