【小説】傘と共に去りぬ 第4話恋心の堕星 【毎月20日更新!】
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いつからそこにあるのか知らない。興味もない、誰にも気づかれていないのか転がるビニール傘が俺を苛つかせた。
5月/美輪隆明
人間の価値はどこにあるのか、それを問われたどう答えるか。善人的解答は、価値はひとそれぞれにある、と言うだろう。あぁ、優しい答えだ。じつにくだらない甘い返答だと俺は思う。人間の価値なんて顔か金の二択だ。もしくはその両方、それ以外の答えはコーヒーにガムシロップをたっぷり入れて苦みを消すくらい邪道なものだ。
「あんまり落ち込むな