7月に読んだ創作大賞応募作品[2]#創作大賞感想
読者応援期間のラスト週、終了日となります。
これが2024年としては、最後の感想記事ですね。
本来は「感想」を書くのが企画の趣旨としては正しいのではないかと思いますが、応援期間、とも書かれているので、文字通り応援の方を前面に出していきたい所存です。
では、作品の感想へ。
最終死発電車
電車で異空間に迷い込んだ主人公たちが、正体不明のバケモノに襲われる中、脱出を目指して車内を逃げ回る、というゲーム的世界観を強く持ったホラーです。
この作者さん、他にも応募されている作品があるのですが、どれも一定のルールに沿ったゲーム的な世界観の作品が多く、ホラゲー好きからするとタイトルとあらすじだけで興味を引く作品が多かったです。
ただ他の作品と比べると、この作品の設定はかなり控えめなのですが、個人的には一番意外性があって面白かったので、この作品を取り上げさせていただきました。あまり書くとネタバレになってしまうので控えますが、一言でいうと「まぁ、そんなうまい話はないよねー」と。
気になった方は他の作品も見てみると、僕の感性とは違う、もっと好みの作品に出会えるかもしれません。
人魚隠しし灯篭流し
自殺を図ったものの、生き延び、島に流れ着いてしまった少女が歪な因習の島を巡る騒動に巻き込まれていく、伝奇的な物語です。
とにかく女の子がひどい目に遭うことが多いので、見ていて痛々しく感じる展開が多いですが、その中でも生きていく女性たちの姿が物悲しく、そして時に恐ろしいまでに強かに描かれています。
こちらも展開の痛々しさから、人を選ぶ作品だと思いますが、人魚というモチーフや閉ざされた島の背景などがしっかりしていて、とても読みごたえがあります。
「人を選びます」を何回書いたのだろう、自分。
作者さんが気を悪くされたら申し訳ない、と思うのですが、昨今の読み手の治安を鑑みますと、あまり耐性ない方を誘導してしまうと作者さんご本人に迷惑がかかる可能性があるので、強く書くようにしています。
僕自身も「もやる展開だな」とか「なんかもうちょっとこう、救いがさー」とかまったく思わない人間ではないので、ハピエン好きではあるのですが、ただ、やるせなさ含めて作品の色だと思うので、バドエンやメリバもアリとは思いますね。
以上、二作品のレビューでした。