本に関する定点観測 2022.10
10月の定点観測です。
今年もあと2ヶ月!と思うと、本当に早いですね。
そして先月はあまり本を買わなかったのに、今月はどうしちゃったのだろう。
めちゃくちゃ買ってる!!!反動か?!
今年最多です…!
① 虎のたましい人魚の涙 くどうれいん
今月も最初の頃は引き続き、あまり買わないように、積読を減らそう月間にはしてないけど裏テーマにしてました(結局そのテーマは一瞬で消え去るんだけど)。
が、「わたしを空腹にしないほうがいい」ですっかり大好きになったくどうさんの新作エッセイを買わないという選択肢はない。
ということで買っちゃいました。
発売されてしばらく経ってから存在に気づいたのですが、なんと!サイン本に巡り合えてめちゃくちゃ嬉しかったです。
最後の一冊だったので嬉しい。
それにしても変わったタイトルですが、なんのことか書いてあります。
読んでびっくりしたけどなるほどなぁと。素敵なエピソードでした。
あとは今風の言葉で言うと、作者のれいんさん、だいぶこじらせてるなーと少し微笑ましく思ったり。
他にも好きなエピソードがたくさんあって良かったです。
② 夏日狂想 窪美澄
直木賞受賞第1作とのことで発売を楽しみにしていました。
表紙が可愛い。
わくわく。
(まだ読めてません…前情報もあまり入れてなくて、なのでお伝えできることもなく…とにかく読むのが楽しみ)
③オテル モル 栗田有起
実は随分昔に読んで、その時のものは手放してしまったのだけどまた読みたくなって買いました。
眠りをとても大事にしてる、地下深くにあるオテル(ホテルではなく)が舞台の物語で、とても不思議なお話です。
独特の世界観というか。
だからか、忘れていたと思っていたけど、読み進めるうちにああそうだったそうそうと思い出しながら読みました。
よほど印象的だったのかな。
今回は手放しません。
あと、一緒に手放してしまった「ハミザベス」と「お縫い子テルミー」もまた読みたいな。まだ手に入るかなぁ。
調べてみると、栗田さんの作品はどんどん品薄になっているそうで、「お縫い子テルミー」は絶版になっているのかも。どこにも在庫が見当たらない…
近年は新しい作品も出されてなさそうな感じ。ちょっとさみしいね。
④ ぼくの死体をよろしくたのむ 川上弘美
変わったタイトルにへんてこな表紙に惹かれて買っちゃいました。
ひとつひとつのお話はとっても短いのであっという間に読めちゃいます。
ありえなさそうなのに、あるかも?と思ってしまう絶妙な世界観で面白い。
川上弘美さんはまだそんなにたくさん読んだわけではないけど、好きな作品ばかりなので少しずつ集めたいな。
⑤ イヤシノウタ 吉本ばなな
先月たくさん再読した際に、読んでない作品はなんだろうかと調べた時に見つけました。
エッセイのようなコラムのような。
短めて隙間時間にちょこちょこ読み進めています。
⑥ やわらかなレタス 江國香織
むかし、母に借りて読んで、また読みたくなったので自分でも買いました。
母に借りた本ってそういうのが多い。「日日是好日」とかもそう。
この本で読みたくなったのは、「さすらいのウエイター」というエピソード。
これは江國さんが昔行ったお店で出会った、ウエイターさんにその後、別のお店で何度か遭遇したというもの。
面白くないですか?
そんなことある?って思いながら、不思議な出会いにドキドキしながら読みました。
⑦ しろがねの葉 千早茜
ずっと楽しみにしていた、千早茜さんの新作。
帯がこれまた大好きな島本理生さんでますます高まる。
そしてようやく千早さんのサイン本をgetできました!
いつか欲しいなと思っていたので嬉しいです。
大事に読むぞー!
⑧ わたしの良い子 寺地はるな
最近文庫化されたようで、おまけ?みたいな特別編が付いてるから買っちゃった。
寺地さんの作品もまだまだ読めてないものが多いので、こうして手に入れやすい形式で出されると嬉しい。
病院の待ち時間に読んでいたのだけど、最後の方は涙腺が緩みかけていて危なかった。
病院でいい大人が泣いてたら結局目立つ。耳鼻科だし。
冗談はさておき、寺地はるなさんの作品は本当にぐさぐさ刺さる。
生きづらい人にそっと寄り添ってくれたり、わかるわかる!がたくさんある。本当に好きな作家さんです。
それにしても初版だけ、おまけが付いてるの、最近多い気がするんだけど気のせい?
わたしは図書館派ではないけど、図書館泣かせだなぁというか、どうしてるんだろうと密かに謎に思っている。
しかもそういうのって、たいてい読んでよかったー!と思うような素敵な作品が多いので、初版だけと言わずに全部につけてあげて!とちょっと思ったりもするのです。
⑨ おいしいアンソロジー おやつ 甘いもので、ひとやすみ 阿川佐和子他
めちゃくちゃ豪華なラインナップと、「おやつ」の言葉に惹かれて買いました。
こういう短めの話がたくさん入ってるの、隙間時間に読めて好きです。しかもおやつ!(2回目)
ちびちび読んでます。
もう少しで読み終わりそう…!
⑩ 思いわずらうことなく愉しく生きよ 江國香織
ふと、これ読んだことないやって気づいて手に取る。
ページをめくると、解説に栗田有起さんのお名前が。
そう、「オテル モル」の作者さん。ちょうど読んだところだったので、運命を感じて買ってしまいました。
主人公三姉妹の誰にも共感できないまま、でも面白くて読んでしまう。
夫の暴力に耐える麻子も、自由奔放な治子も、西部劇に出てくる娼婦みたいな育子も。
なんだろう、江國香織の女たちって感じで、結局好きになっちゃう。
11 落下する夕方 江國香織
角川文庫のこれ、一度読んだことはあるはずだけど、カバーが可愛くなっていて、手に取りました。
さっきの「思いわずらう〜」もそうだけど、江國香織さん、案外持ってなかったりする。好きな本を繰り返し読んでしまうからかな。
大好きな作家さんだと思ってるけど、単行本もそんなだし、文庫本もそこまで多く持ってない。
これもその一冊でした。
昔よんだことあるはずなのに、全く憶えてなかった。結構ドキッとするラストなのに。憶えてない自分にぞわっとした、少し。
初めから最後まで、ずっと主人公の置かれた状況が悲しくて、早く目を覚まして…!と願いながら読んでしまった。けど、華子みたいな人だったらわたしも受け入れて愉しく暮らしてしまいそう。
12 三人屋 原田ひ香
実は、続きの方を結構昔に先に買ってしまっていて、最初の一冊を買おう買おうと先送りして、いつしか忘れてました。
なんでまた今になって読もうと思ったのかというと、最近見つけた、とうふさんという本のYouTuberの方がこちらをご紹介されていて、その説明がとても素敵だったので買っちゃいました。
ちなみにその動画はこちら。
他にも読みたくなるものがあったのでいずれまた。
朝昼晩とお店が異なっていて、三姉妹の夜月がスナック、まひるがランチのうどん、朝日がモーニングをそれぞれ経営してるっていう設定が面白い。しかもこの三姉妹はあまり仲が良くなくて、お互いにいろいろ抱えてる。
美味しいご飯小説だと思ったら案外そうでもなくて、家族のお話でした。もちろん出てくるご飯は美味しそうだけど、メインではないというか。
まひるのうどん、食べてみたいな。
13 猫を拾いに 川上弘美
先ほどの「ぼくの死体を〜」で、多分初めて川上弘美さんの短編を読んですっかり大好きになったので次はこちらを。
これもなかなかへんてこな短編集でした。おとぎ話のような不思議な不思議な話。こういうの、好き。
川上弘美さん、まだまだ未開拓なので少しずつ集めて行きたい。
14 臆病者の自転車生活 安達茉莉子
可愛い表紙に一目惚れ!
中にもちょくちょく可愛い挿絵があってサイズも少し小さめで可愛い本です。
作者の安達さんがひょんなことから自転車の魅力に取り憑かれ、ロードバイクを買って旅することになったその日々を綴ったエッセイになるのかな。
読んでると、自転車に乗りたくなること間違いなし!
わたしは普段ほとんど乗らないけど、そうそう自転車ってそうだった!という思いと、ロードバイクってそんなに楽しい乗り物なんだ!という発見、そして自転車を乗ることで服装や髪型、自分の意識や気持ちが変わっていく安達さんに憧れが芽生えます。
ただ、自転車に限ったことじゃなくて。
やりたい!と思ったら、それを始めたらいいんだと思う。そうしたら新しい自分に出会えるのかも。
安達茉莉子さんの本は実は一冊持ってて積んでたのですが早く読みたくなりました。
あと、ZINEも読んでみたいなー!
15 とりあえずお湯わかせ 柚木麻子
大好きな柚木さんのはじめてのエッセイ集となれば買わないわけには行きません。
柚木さん、朝井リョウさんのエッセイに時々出てきてて、結構ぶっとんだ人だなと思ってたので楽しみにしてたのですが、全編に渡り、柚木さんの怒りや失望にあふれていて、読んでいて苦しく考えさせられることが多かったです。
日本はいつからこんな生きづらい国になってしまったんだろう。
それにしても今年は本当によくエッセイ買ってるなぁ…
16 彼女のこんだて帖 角田光代
角田さんの作品はちょいちょい読んでる気がする。
結構好きな作家さん
料理の話
そして限定カバー?なのかナガノさんの絵のカバーがかけられてる
となれば買っちゃう。
さっきはエッセイをよく買ってると書きましたが、同じくらい料理にまつわる作品を今年は読んだなぁ。
この作品は、連作短編集で、わたしの大好きな主人公がゆるやかに繋がっていくスタイル。ちょっと出てきた人物が次の主人公だったりする。
出てくるご飯も美味しそうだし、ひとつひとつはめちゃくちゃ短くてサクッと読めるのもいい。
17 はつ恋 村山由佳
秋の限定カバーが可愛いのと、Twitterでたぶん本の趣味が似ている相互さんが読まれていたのを見かけて面白そうだったので思わず。
大人の恋愛小説ってあるけど、どちらかというと中身は甘めというか。村山由佳さんぽい感じ。と思っていたら、ご自身をモデルにしてるらしいとあった。
月ごとに章が変わっていくのや丁寧な暮らしなのは「喋々喃々」にも似てる。
思えば「おいコー」以来の村山由佳さんかも。その「おいコー」も途中まで読んだけど、いつの間にか離れてしまっていつの間にか完結してたっけ。
次は「風よ あらしよ」が読みたいな。本屋さんで見たらめっちゃくちゃ分厚くてびっくりしたのでしばらく読めないかもだけど。
これは完全に柚木麻子さんの「らんたん」の影響です。
18 無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記 山本文緒
昨年亡くなられた山本さんが亡くなる前まで綴られていた日記です。
訃報に接したときはとても驚きました。
これからもたくさんの作品に出会えると思っていたから。
そんな山本文緒さんが最期に書かれた日記。穏やかな表紙に惹かれ、お見送りをちゃんとしたいなと思って買いました。
読みながら何度も何度も胸がきゅーっと締め付けられ、苦しくて、でも読む手が止められなかった。
最後まで書き続けてくださったこと、作家としての生き様を見せてもらえたように思う。
そして、今度はこういう作品を書く予定だったと明かされていて、それが読めないことがとても悲しい。誰か書いてくれてOKですって書いてあったけど、あなたの文章で読みたかった。
改めて、出会えてよかったです。どうか、安らかに。
そして生み出してくださった作品をこれからも大切に読ませてもらいます。
19 川のほとりに立つ者は 寺地はるな
定点観測でも本当によく出る、寺地はるなさんの新作。
もちろん買いました。
綺麗な装丁にうっとり。
まだ読めてないので、こちらも大事に読みたいです。
タイムラインに時々感想が流れてきて、チラッと見るたびに早く読まねば。と思う。
これは買ってまもないので近々読みたい。
番外編 スピン
発売が決定した頃、読書アカウントさんが定期購読の予約をした!予約がもうすぐ上限に到達してしまいもうできなくなりそう!ラインナップが豪華すぎ!とタイムラインが賑わっていたのを気になりつつ、これまでいわゆる文芸誌というものを読んだことがなかったのでどうしたものかと思ってました。
(かなり偏見だけど、文芸誌は読書好きの中でもさらにコアで熱狂的で、寝ても覚めても読書が好きな人たちのものだと思っていて、私にはまだ早い、その世界に足を踏み入れたら戻れない。と勝手に思ってました)
そうこうしてるうちに発売日が到来し、本屋さんに行ったときに2冊だけ売られていたので、えいや!と買っちゃいました。
初めての文芸誌。わくわく。
番外編2 絵本が好き
随分久しぶりに絵本を買いました。
「橋の上で」という作品で、文章は湯本香樹実さん、絵は酒井駒子さん。
絵本なので当然、あっという間に読み終えることも可能なのですが、じっくり絵と文章を味わって読みました。
本棚に挿しているけど、もっと大きな本棚にして表紙を飾りたい。それくらい素敵な作品。
絵本は昔から大好きで、今年は「こんとあき」の林明子さんがフィーチャーされていて、グッズを買うかとても迷ってます。「こんとあき」や「とんことり」、「きょうはなんのひ?」など大好きな作品ばかり。
あの優しい絵が大好きです。
また、「ぐりとぐら」の山脇百合子さんがお亡くなりになってとても寂しく。小さい頃から大好きな作品で何度も何度も読みました。どれもお気に入りだけど、やはりあのカステラは憧れですよね。
また久しぶりに読みたいです。
絵本は普遍的でいいです。
おわりに
10月はなんと19冊も本を買ってました。
ですが、そのうち14冊を読み終えていて、読みたい本を買ってはすぐ読み終わる生活を送っていたみたい。
結果、積読は5冊。トータルの積読は47冊。
あと2ヶ月で今年が終わってしまうので、なんとか積読を減らしたいなぁ。
30冊切りたいところ。
11月は今のところ5冊ほど気になる新作があるので、それ以外はあまり買わないように…(できるかなー)。
そんなわけでめちゃくちゃ長くなってしまいましたが、ここまでお読みくださってありがとうございました。
ではまた。
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