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ある日、頭からツノが生えたら皆さんはどうしますか?

TXTのおすすめ曲:デビュー曲編

皆さんは曲を聴く時、何を重視しますか?メロディ?歌詞?色々ありますよね。僕はどちらかと言うと歌詞を大切にしています。また、中にはタイトルを気にするという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところで、TXTのおすすめ曲はふと何かと考えた時に、当然ながら全部好きなのでなかなか選べません。ですが、やはりデビュー曲こそアーティストにとってもファンにとっても思い出深いものなので、胸を張っておすすめと言えるでしょう。

そんなTXTのデビュー曲のタイトルは

어느날 머리에서 뿔이 자랐다
オヌナル モリエソ ップリ チャラッタ

です。
これを日本語に訳すとどうなるか。

ある日、頭からツノが生えた

です。
え?見間違えたかもしれない?
ではもう一度。

ある日、頭からツノが生えた

です。
誤訳でも意訳でもありません。直訳です。
これを見てどう思うでしょうか。ふざけている?ネタ曲っぽい?正直に言います。

僕も最初はそう思っていました。

しかし曲を聞いて、歌詞をきちんと読み解くと、ネタ曲ではないどころかむしろ感動する曲で、これ以外のタイトルはありえないということがわかります。

というわけで、今日は僕が愛して止まないTXTのデビュー曲『어느날 머리에서 뿔이 자랐다/CROWN/ある日、頭からツノが生えた』の魅力を少しでもお伝えできたらなと思います。

あ、原題と邦題は長すぎるので、ここからは英題の『CROWN』で呼んでいきます。

CROWNのストーリーについて

引用動画:HYBE LABELS

さて、上の引用動画がCROWNのMVになります。韓国と日本だと年齢の数え方が異なり、韓国年齢だと2人成人していますが、日本年齢だとこの時点で全員未成年です。さすが、歌もダンスも若さに溢れていますね。

しかし、このMVだけ見ても、ネタ曲じゃないというのはわかるにしても、感動する曲というのがいまいちピンときません。現に、このMVは歌詞をほとんど反映していないため、映像だけ見てわからないのももっともです。

次に、一部歌詞を見てみましょう。

鏡の中で僕をぼんやりと見ている君は僕じゃない

めまいのするような頭痛と僕の頭の上の何か

このまま逃げたい 消えたい あの遠くへ

(助けて)僕は誰?僕が誰だかわからない

僕の体はおかしくなったみたいだ

僕の頭にはツノが生えて

どうしよう 止め方がわからない

Oh 世界の中で僕一人が悪い

助けて

もしかしたら僕は怪物になったのかもしれない

君以外誰もいない

(君は誰?)

捨てられた僕を見つけた君は救いなのかな?

(君は誰?)

君の翼も僕と同じ痛みなのかな?

頭にツノが生えた だけど好きだよ

君は僕の王冠になるね

ドキドキする感覚

心臓は大混乱 だけど好きだよ

やっと完璧になった

僕たち二人じゃん

Oh oh oh oh oh 寂しさよ止まれ *マスリスリ

Oh oh oh oh oh YA YA YA

Oh oh oh oh oh 苦しさよ止まれ マスリスリ

Oh oh oh oh oh YA YA YA

*マスリスリ…韓国語の呪文。

(韓国語はまだ勉強中なので、誤訳があれば申し訳ありません。)

どうでしょう。歌詞の意味は理解できましたか?もしかしたら、これだけだと難しいかもしれません。
「ドキドキする感覚」とあるので、少し変わったラブソングのようにも思えます。

もう少しわかりやすくするために、次はCROWNの世界観を説明してくれる動画を参考にしたいと思います。

引用動画:HYBE LABELS

こちらはCROWNが収録されているアルバム『THE DREAM CHAPTER:STAR』に同じく収録されている曲『Nap of a star』のMVです。

主人公である少年が朝起きると頭にツノが生えており、突然のことに少年は呆然と鏡を見つめます。そんな少年のことを、世間の人々は怪物だと罵り、怖くなった少年は誰もいない場所へと身を隠します。

なんで自分だけが。なんでこんな目に合わないといけないのか。そうやって苦しむ少年の前に、他の少年(たち)が現れます。ツノと同じく、世間の人々にとっては異形である翼(、長く尖った耳、棘?、星の目)を持つ彼(ら)は、少年のツノを美しいと認めてくれます。

それにより勇気づけられた少年も、彼の翼と、引いては自分自身のツノを受け入れるようになるのです。

やがては、世間の人々が自分を非難する元凶であり、抜いてしまいたいとさえ思っていたツノを自分の大切な一部として、立派な王冠(=CROWN)と呼び、愛し、付き合っていくことにしました。

「捨てられた僕を見つけた君は救いなのかな」
「君の翼も僕と同じ痛みなのかな」
「頭にツノが生えた だけど好きだよ」
「君(=ツノ)は僕の王冠になるね」

ここの歌詞は、まさに上のストーリーを色濃く示していました。

世間から捨てられた僕を、翼が生えた少年が見つけだす。僕にとってはまさにそれが救いだった。ツノと翼という痛みを共有する者同士、お互いと自分自身を認め合う。

このストーリーは「異なる君と僕が一つの夢で集まって、一緒に明日を作っていく」というTXTのコンセプトを示したものに他ならないのではないでしょうか。

タイトルを聞いた時のインパクトは凄まじいですが、CROWNの歌詞とタイトルにはこんなに素敵な意味が込められていたのです。

ちなみに、インタビューによるとCROWNにおけるツノは成長痛を意味しているようです。

少年から大人へと変わる時期、少しずつ強いアイデンティティも生まれ始め、他人とのささいな違いすら非常に気になるものです。そんな成長期の悩み・不安・葛藤と、それを受け入れることで見える世界を若さあふれるエネルギッシュなメロディとダンスで表現したCROWNは、まさに練習生として血の滲む努力を重ねた5人がTXTとしてさらに成長する上でのスタートを飾る曲としてふさわしいと言えるでしょう。


最後に:個人的エモポイント

以上、楽曲解説という形で僕が大好きなTXTのデビュー曲CROWNをご紹介しました。

と言っても、楽曲解説(と呼んでいいのか…)なんてやったことがない上に、TXTの魅力があまりにも溢れすぎて言いたいことが取捨選択できず、結果とてもグダグダな文章になってしまいました。

今後はもっと簡潔にTXTの魅力をお伝えできたらな…と反省しております。

ここまで、長い文章を読んでいただきありがとうございました。

最後に、本文では書ききれなかった、個人的にCROWNのエモいと思うところをいくつか殴り書きしたいと思います。超私的意見なので、読み飛ばしていただいてもいいですし、逆に共感していただけるととても嬉しいです。

・イントロがエモい!

イントロの「ピーピピーピ…」という音、実はモールス信号になっていて、解読するとCROWNになるそうです。音楽として全く違和感なく成立していたので、初めて知った時はすごくびっくりしました。

・和訳がエモい!

本文で紹介した「ある日、頭からツノが生えた」というのは、原題の直訳であると同時に、CROWNの日本語版のタイトルでもあります。その和訳が個人的にはめちゃくちゃエモいです。特に好きなところを二つ紹介します。

捨てられた僕を見つけた君は救いなのかな?

君の翼も僕と同じ痛みなのかな?



僕を見つけた天使は

同じ寂しさ色の翼

目の前に現れた少年を「天使」ということで、少年の翼と、僕にとっての救いであるということを表しています。また、お互いの苦しさを「同じ寂しさ」と訳しているのも個人的にめちゃくちゃおしゃれで大好きです。

寂しさよ止まれマスリスリ

苦しさよ止まれマスリスリ



涙止まれマスリスリ

痛み止まれマスリスリ

「寂しさ」と「苦しさ」を、そこから生じる「涙」と「痛み」で表現している点と、「マスリスリ」を「ちちんぷいぷい」とか変に言い換えずそのまま採用することで、とても耳に残りやすくキャッチーになっており、また単純に可愛いところが好きです。

どの歌詞も、韓国語→日本語により生じる文字数の制限の中で、元の意味を失っていない上に印象深い歌詞に仕上がっています。

・ダンスがエモい!

引用動画:TOMORROW X TOGETHER OFFICIAL

全員若かった(と言ってもまだ2年前ですが…)デビュー曲ということもあり、ダンスが非常にエネルギッシュです。

TXTはメンバーが5人とそこまで多くないですが、フォーメーションを生かしたダンスが多く見られ、中でもこのCROWNは盛々で見応えがあります。

特に、「寂しさよ止まれマスリスリ」のスビンの弓を射るような振り付けや、大サビで後ろのメンバーの手から抜け落ちるダンスなどは、MVの演出と相まってフォーメーションのパワーやフレッシュさ、エネルギーなどが強調されていて、見ていてとても楽しいです。CROWNのMVはずっと見ていられる自信があります。

あと、イントロで座っている状態から立ち上がっていたのが、最後には逆再生のように座っていく振り付けも好きです。始まりと終わりがハッキリ印象付けられていて、曲が始まるワクワク感と終わってしまった寂しさがより鮮明に感じられると思います。

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