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”普通”のレールから外れた高校生活〜高1〜

 私は、2018年に単位制・定時制の高校に通うことにしました。私の通った学校は、校則がなく、時間割を自由に決めれるという、”普通”と呼ばれる全日制の高校と対照的でした。卒業したので、濃かった高校生活を文章として残したいと思い、今回書くことにしました。



1.入学

 4月、厳しかった中学校から解放され、自由になれるとワクワクしながら入学した。

 初めてのお化粧、ヘアカラー、アルバイト、高校の勉強…。

 勉強も美容もアルバイトも全部頑張った。自由な環境を手に入れて、キラキラして充実した日々だった。


2.勉強する意味を見失う

 中学生の頃の私は、とにかく自由を求めていた。偏差値よりも、自由が欲しかった。アメリカみたいな学校に通いたかった。私の高校には、ワクワクするような授業が沢山あった。短期留学のプログラムもあり、補助金の制度もあった。だから、この高校を選んだ。大学は、自分で勉強すれば入れるだろうと思った。

最初の方は、勉強を頑張っていた。だけど、褒められるために勉強してきた私は、勉強する意味をふと考えた時、分からなかった。それから、勉強する意味を見いだせなかった。

ただ、単位をとるために学校に通うことになった。


3.ギャルに

 徐々に勉強しなくなって、遊びに目覚めていった。

 初めて、終電までカラオケで遊んだ。それから、夜遅くに遊ぶことにはまった。毎日のように、学校帰りに終電まで遊ぶ生活をしていた。

 夜遅くに遊ぶのは、楽しいし、家に帰りたくなかった。私の家は、小学校高学年の頃から両親の仲が悪く、家庭内別居状態が続いていて、家が嫌いだった。高一の時から、父親が単身赴任になり、姉も大学進学で一人暮らしを始め、母親と二人暮しになったが、家族と話すことにずっと抵抗があった。だから、家にいたくなかった。

 この時、一緒に遊んでいた友達も過去に学校で悩んだ子や家族と上手くいかなかったり、家に帰っても誰も居なくて寂しいと悩みを抱えた子たちだった。初めて、自分の悩みを話したり、他の子の悩みを聞いて、ひとりじゃないと思えた。

 夜遊びと同時に、どんどん明るくなっていく髪色、パーマ、濃くなっていくメイク…。

 周りから、ギャルと言われるようになった。

 ブランド品の化粧品もいっぱい買うようになった。中毒のように、新作が出ると買わなければならないという観念に襲われていた。

4.ハワイに短期留学

 ギャルになり、遊びに目覚めていたが、海外への興味は消えていなかった。留学したかった。今考えると、矛盾していたけれど。 

 私の学校は、ハワイに姉妹校があり、一週間ほどの留学プログラムがある。このプログラムに、参加することが、この学校を選んだ一番の理由だった。10万円の補助金も出る。

 ハワイで感じたことは、日本とハワイの教育の在り方についてだ。ハワイの高校は、自由だった。自分で時間割を作れる、校則がない、授業中にご飯を食べれるなど。みんなキラキラしていた。衝撃だった。

 私は、環境を選んで、ようやく時間割を自由に作れて、校則がなくなったのに、ハワイだとそれが’普通’なのか、もっと自由なのか、と。

 
生まれる場所が違うだけで、こんなに環境が違って、羨ましくなった。日本で生まれて、生きてきた自分が馬鹿らしくなった。なんでこんな国に生まれたんだろうかと。

 また、ホームステイ先で日本人の留学生に出会った。彼女は、日本の大学を退学し、ハワイの大学に留学していた。日本の大学の環境に嫌気がさしたらしい。なぜ、日本は、受験までは頑張るのに入学してから頑張らなくなるのだろうか。本来の学びの意義を間違えてないかと。だけど、ハワイの大学は、主体的にまじめに勉強する人が多いから、留学してよかったと言っていた。

 ハワイで育った人がうらやましかった。

 ただ、ハワイの給食はまずかった。日本食だけは、日本の誇りだなと思った。


5.姉に叱られる

 私の学校は、時間割を決めれるのは、年度末の一回だけだ。カリキュラムを、進路に合わせて作成する。だから、専門学校や就職に合わせてカリキュラムを組んだ場合、大学進学は難しくなる。高校で、単位制というのは、時間は自由に組めるが、進路がきちんと決まっていないと、後悔することが多い。

 日本の学校に通うことが嫌すぎて、高校卒業後は就職しようと思っていた。親からは、留学に行かせるお金はないといわれていて、留学できないなら就職しようと。高卒でも、マレーシアなら就労ビザが下りるし、日本語でも就職できると聞いて、マレーシアに移住しようと思っていた。日本の大学に行く気なんてなかった。高校も留学できないならいいやと、ろくに勉強していなかった。

 この状態の私を見た、姉から叱られた。

お前はクズだ。人間の底辺だ。進路はどうしようといいが、勉強はちゃんとしろ。学生の本分は、勉強だ。勉強せず恥ずかしくないのか。 お前は恥ずかしい人間だ。

 こう言われて、初めて我に返った。ちゃんと勉強しようと。夜遊びは止めようと。そう思った、一年生の終わりでした。


 高2編はこちら
 



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