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アラフォーのわたしがなぜ美容室でスタイリストでなくアシスタントとして働いているのか。

こんにちは、ゆなろうです。

美容師=カットする人
と言う認識の人が大半だと思います。

しかし、わたしは今もアシスタントとして働いています。
そんなことできるの!?
と美容室で働く人は思うでしょう。

きっと、特殊な働き方です。
なぜアシスタントのままなのか。
どういう経緯でこうなったのかお話したいと思います。

美容室の役職

美容室には役職があります。
まずそれぞれどういった位置づけなのかお伝えします。

スタイリスト

スタイリストはみなさんがいつもカットしてもらったり指名している美容師さんです。
基本カットをはじめ、カラー・パーマなどすべての技術を担当します。
スタイリストの中でも

  • カッター・・・カットのみ担当

  • ディレクター

  • ジュニアスタイリスト

などあります。

お店によって呼び方はいろいろありますが、要は経験値の違いです。
ジュニアスタイリストはスタイリストデビューした人。
かといって、技術が悪いというわけではありません。

ディレクターの人でも技術はいまいちの方もいたりするので、ランクが上の人だから安心というわけではありません。

美容師はお客さんとの相性によると思いますよ。

カラリスト

主にカラー・パーマを担当。
カットはカッターと呼ばれる人が行い、カラーなどになるとカラリストにバトンタッチします。
薬剤選定から工程などカラーやパーマにかかわることはすべてカラリストが行います。
お店によってはパーマはやらず、カラーのみ担当するカラリストもいます。

スパニスト・ケアリスト

スパニストはヘッドスパなど、頭皮のケアと担当。
ケアリストはヘッドスパやヘアケアを主に担当します。
こちらもお店によって解釈が違く、ヘッドスパ担当でもケアリストというくくりにしているところもあります。

アシスタント

入社してすぐのスタッフはまずアシスタントになります。
主に、シャンプーや施術のヘルプ。床を掃いたり、片付けをしたりと雑務をこなします。
練習やマニュアルをクリアしながら、スタイリストを目指します。
基本的にはメインのスタイリストについてサポートしながら勉強をしていきます。

ざっくりですが、美容室の役職はこのような感じです。
となると、わたしはアシスタントなので、下っ端のようなものです。
スタイリストになれば、自分にお客さんが付き、売上げをだすこともできます。
美容師になった人はだいたいがスタイリストになります。
これにはいろいろあったのです…。

学生時代はバリバリのスタイリストを目指していた


わたしは中学2年生のころから将来の夢は『美容師』でした。
指名のお客さんもたくさんいて、今は死語ですがカリスマ美容師に憧れていました。

カットが楽しくなかった

美容学校に通っているときはカットの授業も楽しかった。
しかし、美容室に入ってマニュアルのカット練習をしていても、全然楽しくなかったのです。
むしろ、苦痛。
『嫌いなのにカットされるなんてお客さんも嫌だろうな。』と思うようになりました。

ヘアセットやケミカルが好き

元々、髪の毛をアレンジするのが好きでした。
小さいころかお人形やお友達の髪の毛をアレンジしたり、自分の髪の毛もアレンジしていました。

専門学校を卒業後、美容室で働かず、撮影スタジオのヘアメイクや夜のお店で働く女の子のヘアセットをしていました。

できればヘアセットメインで働きたい。
そんな気持ちもありました。

でも、シャンプーやカラーなどの仕事は好きなので、美容室で働き、ヘアセットのお客さんのときは入らせてもらっていました。

ケミカルとは薬剤のことです。
カラー剤やパーマ剤、シャンプー成分などについて勉強するのが好きでした。
セミナーに参加したりもして、知識を増やしてお客さんに話したり適切な施術をしていました。

そして、オーナーにはカットはしたくないことを伝え、カラリストになることを許可してもらいました。

頑張りすぎて熱意の炎が消える

セミナーに参加し、毎月休みの日は都内まで出て丸一日勉強し、店に戻ってきては毎週の勉強会はセミナーの宿題をしていました。

セミナーが終了後、ご縁があって美容業界の雑誌の連載も担当させてもらいました。
毎日が忙しく、充実していました。
しかし、わたしの身体には異変が起きていました。

検査を受けても原因がわからない

その頃は、現在の夫と同棲をし始めたときで生活環境も変化していました。
仕事・勉強・家事とやることが多く身体が悲鳴をあげていたのかもしれません。
・毎日頭に鈍痛がある
・胃が痛い

MRIやCT、胃カメラもしましたが結果は異常なし。
でもずっと体調が悪い、やる気もでない。
医者からは【ストレス】としか言われませんでした。
そして、みるみる体重も減っていきました。

お客さんと話したり接客もいやになった

いつもはお客さんと話したりしながら仕事をするのが楽しかったです。
身体に異変が出てからは、それすら楽しめなくなってしまいました。
人と会うのが嫌。そう感じるようにもなりました。
これはもう、仕事は辞めた方がいいと思うようになり、辞めることを決意。

オーナーに退職の希望を伝える

とても迷いました。
セミナーの費用も出してくれたり、スタイリストにならずにカラリストとして働くことにしてもらったのに、恩を仇で返すことになってしまいます。
申し訳ない気持ちでしたが、この状態で働くこと自体迷惑になると思い、退職を伝えました。
オーナーは受け入れてくれて、年内まで働くことになりました。
伝えたのはその年の夏でした。

退職の日が近づくにつれて変化する気持ち

退職までは一スタッフ。
適当な仕事はできないので、精一杯働きました。
正社員からパートに変えてもらい、無理のない範囲で仕事をさせてもらいました。

そうしているうちに、私の中でも変化が起きました。

『今お話ししているお客さんともこれで最後だな』
『ここに来るのもあと少しか』
と思うようになり、ここに来てくださるお客さんをに会えなくなるのが寂しくなりました。
お客さんも信頼してくれていて、わたしと話すのを楽しみにしてくれています。
そんなお客さんを裏切るようなことはできないと思いました。

辞めることをやめた

オーナーと話をしました。
オーナーもわたしとお客さんとの付き合い方を見てきて、店に必要だと思っていただき、
『アシスタントとして働き続けるのはどうだ?』
と提案してくれました。

わたしも、ちょうどその働き方を希望していました。
オーナーのお客さんでも自分のお客さんだと思って接客してきました。
わたしからメニューの追加の提案や、アドバイスなどもさせてもらったりもしています。
それに対してオーナーは自分がいいと思うことはやっていいと言ってくれています。
そして、できるだけ負担のないよう配慮してくれるということでした。

そして、わたしは働き続けることになりました。

今はのびのび働いています

それから何年経ったでしょうか。
結婚し、子どもを2人産みました。
復帰後も変わらずアシスタントで働いています。

子どもが体調不良だったり、保育園の行事で休むことがあっても不満もなく休ませてくれています。

お客さんもわたしの復帰を待っていてくれていたりして、毎日楽しく仕事をしています。

オーナーともまたケミカルの話なども楽しくすることができるようになりました。
オーナーが言ってこなくても、したいことがわかるようになったり。
体調の変化もわかったり。

お互いに何を考えているのかもわかる関係になりました。

役職は『アシスタント』ですが、下っ端ではありません。
自称『スーパーアシスタント』です。
以前はもう一人スタイリストがいて、そのスタイリストのお客さんに入ったりしていました。
スタイリストによってもやり方が違うので、それに合わせつつ店全体の状況を把握しながら働いていました。

指示されることもありますが、わたしに任せてくれる内容もあるので言われるがまま仕事をしていません。

今のサポートをする働き方がわたしには合っているようです。

こんな働き方ができるのは、もしかしたらこのオーナーの下だからなのかもしれません。

でも、わたしだけでなく今美容室での働き方に迷いがある人に、こんな働き方もできることを知ってもらいたいです。

お客さんをきれいにして、笑顔になってもらいたいのはスタイリストもアシスタントも一緒です。
その気持ちがあれば、どんな役職であれ自分が輝ける働き方ができると思います。

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