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ゴールデンカムイ310話尾形上等兵は生きてる…?オイディプス王のつながり(ネタばれあり)

ゴールデンカムイ(金カム)があまりにも奥深く、様々な作品をオマージュしているので、野田カムイのネタ(間接的なアイディアであっても)を考えてしまうのが、金カムオタクあるあるだと思うのです。
そして何か別の作品を読んだときなどに「あれ、これはもしや金カムのあのシーンに似てる・・・!?」と宝物を見つけてしまったような錯覚に陥るのではないかと思います(笑)

n番煎じだと思いつつ・・・
ギリシャ神話に出てくるオイディプス王(またはエディプス王)の話ってお存じですか。精神科医フロイト提唱の「オイディプス(エディプス)・コンプレックス」で有名になったかもしれません。コンプレックスの方は調べるとたくさん出てきますので、詳しく知りたい方はぜひ。

オイディプス王のあらすじです。
ある王様が神託で「父はその子に殺され、母と交わる」とお告げがあったにもかかわらず、妻との間に男の子を授かってしまいます。王様はその子を殺すように配下に命じます。しかし配下は男の子を殺すことができず、川に流しますが、王様には始末したと報告します。
その後たまたま川を流れてきた男の子は拾われ、隣国の国王夫妻は子供が欲しかったので、その子にオイディプスと名付け大切に育てます。
すくすくと育ったオイディプスですが、自分の出自に疑問を持ち、神託に頼ります。そんなとき太陽神アポロンから「お前は父を殺すことになり、母と交わる」という神託を受けます。養父母を実の両親と思っていたオイディプスは、そのような恐ろしいことが起こらぬよう国を出ます。しかし旅先でオイディプスはある一行とトラブルになり、それがだれか知らぬまま男を殺してしまいます。(お察しの通りこの男が実の父である王)
その後、冒険を経て英雄となったオイディプスは、王不在となったある国に行き、そこの王妃と結婚し、王となります。(この王妃が実の母なんですが、二人とも気づいていない、悲劇です)
しかし、真実に気づく日がやってきます。神託通り息子は父を殺したのです。母もすべてを知り、絶望して自ら命を絶ちます。
オイディプスは絶望のあまり、自ら目を抉り出し、失明するのです。その後は国を追放され放浪の旅に出たのです。

この絶望から自ら失明させる、という劇的なシチュエーション、尾形上等兵の最期を描く310話を想起しませんでしょうか…?オイディプスは真実を知り、その罪悪感に耐えられず、現実を見ないために失明したという説があります。(冥府で両親にどう顔向けしたらいいかわからず目を刺した、という話もある)
昔ギリシャ神話を読んだ際は、あまりの衝撃で、現実から目をそらすことのあくまで比喩表現として、目を抉り出したのだと思っていました。(ギリシャ神話ってどこまで本当なのか、あくまでも空想上の表現なのかが、神話なので分からないんですよね)

つまりですね、どこまで本当でどこまでメタファーなのかは、曖昧だと思っています。

尾形上等兵のストーリーはかなりオイディプス王の話に似ていると感じます。
・父は息子に殺される(オイディプスは偶然)
・母も死ぬ(オイディプス的には最愛の人を自分が殺したようなもの)
・罪悪感からこれ以上考えないように(見ないように)自分の手で目を失おうとする

そのため、オイディプス王は失明した時点では死んでおらず、王を追放され放浪の旅に出るとなっているため、あくまでも社会的で概念的な死とも捉えられるのではないでしょうか。そうすると盲目になった尾形上等兵説もあるのではないかと思います。
もしかしたら、オイディプス王が失明するくだりもあくまでメタファーで、本当に目を抉ることはしていないかもしれません。つまり一部の尾形上等兵ファンの推理されている、銃が壊れていたのが原因で、本当は撃てていなかったのでは、という説もまぁまぁあるのではないかと思います。

盲目になったか、片目は残ったか、いずれにせよその後、ヴァシリと放浪の旅に出たとも妄想できませんか・・・?

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました!


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