フランツ・カフカはお好きですか?


没後100年を迎えたネガティヴの帝王・カフカ。

職場では人間関係の不要な軋轢を避けるために能天気キャラで通していますが、実際の私はかなりネガティヴ思考。カフカにシンパシーを感じるのは必然。

私の大好きな新潮文庫から最近、2冊のカフカ本が出ました。
短編集と断片集。私の勤める書店では、断片集は瞬時に売り切れました。キープしとけばよかったあぁぁぁぁぁぁ。


カフカといえば、ちょっと元気になりたい時に手に取る本があります。

草思社文庫『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』。短編集・断片集と同じく頭木弘樹さんの編訳。

あまりにも陽のオーラに満ちていて前向きなゲーテの言葉と並ぶことによって、自己評価が地を這うカフカの言葉が一周回って面白くなる本です。

厚い雲、たちこめる霧、激しい雨の中から、
希望はわれわれをを救い出す。
               ──ゲーテ

救世主はやってくるだろう。
もはや必要ではなくなったときに。
               ──カフカ

P.42〜

まばゆい光を示すゲーテに対し、漆黒を繰り出すカフカ。あまりにも闇が深い。だがそこがいい。

どこまでも後ろ向きなカフカが、それでも「救いに値する人間でありたい」と日記に記していた事実が、最後にじんわりくる1冊。
おすすめです。


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