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夜の散歩

最近、家族で夜の散歩をしています。

散歩はシンプルに楽しい。

僕は散歩が好きです。


仕事が休みの日には早朝5時くらいに起きて、チャチャっと顔を洗って、ジョギングスタイルに着替えてそのまま散歩に出かけます。

近所の川沿を30分、40分くらいゆったりと歩く。

早朝の空気感や匂いを全身に浴びて、目を閉じて大きく息を吸い込む。空気を肺に取り込んで新しい自分に生まれ変わっていくような。身体も魂もすべてがここに存在している。その瞬間、ああ、おれ今生きているんだなと実感します。

近所の川沿いを歩き、見知らぬご年配の方々とすれ違いざま挨拶する。挨拶はとても気持ちがいいものです。年寄りくさい感想ですが。

自分から挨拶してみるのもいいですよ。


普段見慣れているはずの景色も新鮮に思えます。

朝の草木や街の色合いは、日中見るそれらと明らかに違う色彩を放っています。その微妙なトーンにいつもワクワクします。初めてその場所を歩いているような感覚を覚えます。

僕はこの感覚が好きです。


今日の本題“夜の散歩”です。

散歩すること自体好きで、昼夜問わずどの時間帯も好きなのですが、夜の散歩がまた良いのです。

夜の散歩の魅力に気付いたのは、小5だったか小6の頃。はっきりとした年齢は覚えていませんが、それくらいの年齢だったと記憶しています。

週末、おじいちゃんの家に泊まりに行って、おじいちゃんとおばあちゃんが寝静まったころ、静かに気付かれないように散歩に出かけていました。散歩といってもおじいちゃん家から半径数十メートルを歩く。こわいからあまり遠くまでは行かないようにしていました。

夜の世界はどうなっているんだろう。

夜の景色が見てみたい!その場所を歩いてみたい!というシンプルな理由で夜、抜け出していました。(僕はまったく不良少年ではありません)

時刻は22時くらいだったか。さほど大きくない、車通りも少ない道を歩いて、この世界には僕しか居ない!すごい!夜の景色って素敵。

と感動したことを覚えています。

ポツンとたたずむ自動販売機、点滅する赤信号、等間隔に設置された街灯、ライトアップされたマンションの侘しさ、遠く暗闇に浮かぶ車のヘッドライトがこちらに向かって通過する時、子どもが夜一人でいることがドライバーに見られたらヤバイかもというドキドキ感。

空気、匂い、温度、音、静寂。


あと勝手におじいちゃん家を抜け出しているしバレたらどうしようというスリル。

目に見えるものすべてのものが魅力的で、昼の光景とは違うまったく別次元の世界にただ一人たたずむ。それから、夜の散歩の魅力にすっかりハマり、週末おじいちゃんの家に泊まりに行っては夜家を抜け出すという行為を繰り返していました。

夜の散歩への好奇心と、同時に“おじいちゃん家を抜け出す”スリルを味わいという感覚も芽生えていました。


そして37歳、2児の父になった今でも夜は魅力的に思う。日中とはまったく違う世界です。

夜の散歩が好きです。

今では夜から朝にかけて車を走らせることもある。夜明け前のあのなんとも言えない高揚する感じ。

夜は不思議な世界だなといつも思う。

侘しい街の明かりは今日も、僕やあなたや誰かの孤独を優しく包むのだろう。夜中から明け方にかけて間もなく朝がくる。小さな街に陽が昇り営みが始まろうとしている。

さて。今時刻は4:05。
もうすぐ陽が昇ります。

夜勤の僕はあと3時間ほどで仕事が終わり、家に帰る。今日はすこし早朝散歩して帰ろう。


最後まで読んでくださりありがとうございました。また更新します。

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