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コロナで苦境に立たされる地方旅館の若旦那に就任しました。

noteをご覧頂き、ありがとうございます。甲州湯村温泉柳屋 若旦那に就任しました山田安人といいます。本業は弁護士をしておりますが、地元で大好きな旅館がコロナの影響を受けてこのまま何もしなければ130年以上の歴史が幕を閉じてしまうということで、いてもたってもいられず自らお願いして2020年8月から若旦那(役員のような権限はありません)に就任いたしました。少し長くなりますが、就任までの経緯や思いをnoteにしましたので、ご一読頂ければ幸いです。

山梨を出て東京へ

私は、15歳で山梨を出て東京で1人暮らしを始めたので、今年で東京が18年目、生まれ育った山梨より東京生活の方が長くなってしまいました。

この間、私は、高校、大学、大学院と進学し、司法試験に受かって現在は都内で弁護士をやっております。

最初の事務所では、債権回収、労働問題から、飛行機のファイナンスまで経験し、現在の事務所では、エンタメ(スポーツ、芸能、映画等)法を中心に、飲食、アパレル、AI等様々な分野を扱っています。

18年ずっと外から山梨を見ていて、東京の隣で、観光資源も豊富な地元が衰退していくのを歯がゆく思っていました。

柳屋との出会いと関係性

柳屋との出会いは、4年前の年末だったと思います。年末年始の休みで実家に帰った際に家族でたまには家でないところで年越しをしようということで、父の先輩がやっていた柳屋に泊まったのがきっかけでした。露天風呂は、石風呂と檜風呂があって気持ちいし、何より回廊型の宿の真ん中にある日本庭園が素晴らしい。でも、正直料理がおいしくなくて、その点だけ不満でした。
それでも価格重視でシティーホテルにばかり泊まっていた私は、純和風の落ち着いた雰囲気が気に入って、その後も年に1~2回柳屋を利用していました。

そのうちに柳屋は一度倒産しかけたものの、父の知り合いが130年の歴史をなくすのはもったいないと経営を引き継ぐ形で存続。コストカットとインバウンド(特に中国人団体客)で2年と少しで、黒字化に成功しました。この経営を改革していく過程で生じる法的な問題について私も相談を受けるようになりました。

最初は不満があった料理も徐々に改善されて、十分おいしいと思えるものに変わり、会席料理のフルコースで、ボリュームも文句がないものになりました。正月には抹茶と和菓子の無料サービスも始まったり、どんどんと良くなっていく柳屋をうれしく思っていました。

コロナ直撃と私の決断

しかし経営も何とか持ち直してきた折りに、このコロナ禍が直撃。私が真っ先に心配したのが、柳屋でした。
自分に何かできないか、せっかく東京で力をつけてきたのに自分は何もできないのかという思いが心にくすぶり続けました。
悩み続けた末に、山梨の衰退を止めたい、盛り上げたいという長年の歯がゆさと、柳屋をどうにかして守りたいという気持ちが一致して、柳屋を盛り上げて他県の方々に山梨を知ってもらう機会を作ることで、山梨を盛り上げることにつなげるという結論に至りました。
更に風呂敷を広げてしまえば、コロナの影響で辛い状況なのは資金力のない地方旅館共通であると思います。これから行う試行錯誤が少しでも全国の地方旅館の再生のヒントになればと思います。ずっと弁護士をしてきたため事業活動は素人ですが、素人目線で試行錯誤を続けたいと思います。
もっとも、目下、大きな夢を語っている場合ではなく、この状況で何もしなければ地方旅館はいつかつぶれるのを待つばかりの状態です。兎に角、何か早く手を打たなければと、柳屋に掛け合って、若旦那の肩書をもらい、柳屋のために働く了承をもらって今に至ります。

先程も書いたとおり、現在の柳屋はコストカットとインバウンドで持ち直しているため、さらなるコストカットは難しい上に、コロナでインバウンドも期待できない状態で、運営引継ぎ後最大のピンチを迎えています。

見切り発車も甚だしくて不安と期待でいっぱいです。事業なんてやったことがない1人の人間です。皆さんどうか助けてください。

甲州湯村温泉 柳屋 

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