記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

PARCO PRODUCE2024 『リア王』

2024年4月20日(土) 17:00〜 @SkyシアターMBSにて観劇。
ヘッダー画像はSkyシアターMBSロビーカフェで売られていたお菓子。

関西に戻ってからは、関西公演がある作品は基本遠征せず観るようにしてるので、ジッと待っておりました『リア王』。

詳細な内容を語るつもりはありませんが、何をネタバレとして忌避するかは人それぞれ。配慮し切れないと思いますので、ネタバレを避けたい方はどうか回れ右で。

幕が上がると、東京公演開幕時から話題になっていた、殺風景なオフィスの様な舞台美術の中、現代的なスーツ姿で並ぶ出演者の方々。

そのど真ん中に玲央さん。最初に動き出すのも玲央さん。

段田さんのリア王がカッチリスーツなのに、玲央さんは少しラフな感じなのは、世代の違いや妾腹であるエドマンドの立場を表しているのかな。

タイトルは『リア王』だし、ヒーローはエドガーで、ヒロインはコーディリアだけど、この物語を牽引しているのはエドマンドだな、と思う。

玲央さんの声はいつでも良く通るけど、この新しい劇場とは特に素晴らしく相性が良かった様に思う。めちゃくちゃ劇場空間と響き合っていて、鼓膜が心地良く震えた。

今作では「蝿」がとても象徴的に使われている気がする。冒頭で玲央さんが動き始めるのも、蝿の羽音が鳴り、それを追い掛ける体。

グロスターの「蝿を殺すいたずらな少年の様に、慰みに人間を殺す神々」と言う台詞から、「蝿」=「運命に翻弄される人間」の暗喩なのかなとも思うけれど、個人的には「何か」、例えば「世界」とか「個人の性根」が腐っている様を、蝿が飛んでいることで表しているようにも思えた。

この「蝿」同様、OHPに擦り付けられるグロスターの「目玉」。
ここにも何かつながりが有るのだろうか。
なんて事を考えてたらふと、「神々」とか言っちゃってるけど、この話の中で描き出される「悲劇」って実は全部、人間の悪巧みの結果じゃんね、と気付いてしまった。

「蝿」が「世界」や「個人の性根」が腐ってる事の暗喩、と言う解釈も、あながち的外れでもないのかも知れない。


PARCO PRODUCE2024 『リア王』
会場:東京芸術劇場 プレイハウス(東京都) 他
上演期間:2024/03/08 (金) ~ 2024/05/02 (木)
上演時間: 約2時間55分(休憩20分)
公式サイト: 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?