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『楢山節考』

「ふじのくに⇄せかい演劇祭」パンフレットの宮城さんのメッセージが良い。めっちゃ良い。泣きそうになった。是非ご一読ください👇

さて、そんな演劇祭の中で、舞台芸術公演という素晴らしい環境の中の「楕円堂」と言うこれまた素晴らしい劇場で、『楢山節考』を観て来ました。

この作品、昨夏の初演を利賀まで観に行きたかったけど日程的にどうにも無理で涙を飲んでたので、静岡で観れるなんて!と喜び勇んで東京からの帰りに寄ることにしたのでした。

パンフレットの紹介文「深沢七郎の『明るい悲劇』を、漆黒の楕円堂に封じ込める」、そしてプレトークでの「現代日本とは異なる価値判断基準」と言う説明が、観終わって暫く経った今もじわじわ来る。

自分の中にある価値判断基準に照らして善悪を峻別する様な話では無くて。そう言う時代だったのだと。その中で人々は精一杯「生きて」いたのだと。こんな私でもすんなりとそれを受け入れる事が出来たんだよな。

色々と潔過ぎて男前過ぎる「おりん」(女性です)も、逃げ回る「又やん」も、親想いの辰平も、今の感覚で考えるととんでもない銭屋の倅も、精一杯「生きて」いるだけなのだと。

当パンの瀬戸山さんの文章の中に「歌」の話が出てくる。集団の意識を方向づける「歌」。それはいつの時代にも存在する「こうあるべき」を提示するものだと。なるほどなぁ。

「歌」に倣うのか。抗うのか。

所詮「歌」を作るのは、神ではなく人間。
ならば、倣うのでも抗うのでもなく、人々の「歌」を言祝ぎ楽しみ、己の「歌」を朗らかに歌い上げたい、と思った。


楢山節考
会場:舞台芸術公演 楕円堂
上演期間:2024/04/27(土)~04/29(月祝)
上演時間:70分
公式サイト:




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