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フィリピン・タール火山噴火に関する支援活動(2)

フィリピンへは1月28日に入りました。ミンダナオ島のジェネラルサントスやダバオのココナッツ農場やオイル工場を訪問し、実際にタール火山の被災地を訪問したのは2月3日。皆様からお送りいただいたフェイスマスクをできるだけ日本からお持ちし、また寄付金から購入させていただいた食料物資と合わせて、2カ所の避難所へ届けて参りました。

まず最初に訪問したのは、タール火山にほど近い火山湖の西側にあるAgoncilloという町です。この町は火山から7キロ圏内で未だに警戒レベル3の避難区域になっており、多くの家族が避難所で生活をしています。一日数時間だけ自宅に戻って降り積もった灰を掃除することは許されていますが、それ以上の帰宅は許されていません。

降灰の量がかなり多く、元通りにするにはかなりの時間がかかると思われます。家々の前には袋に詰められた灰が多数置かれていました。乾いた道路の灰が車やオートバイが通る度に巻き上がるので、フェイスマスクは必要不可欠です。

火山性地震の影響で屋根が倒壊しているところも多々ありました。Agoncilloの町役場の建物も倒壊の危険があるため使用が禁止されていました。

この町の中でも特に被害の大きかったPookというバランガイ(最小行政単位)で120以上の家族に集まってもらい、一家族ずつ以下の物資の配給を行いました。

お米、缶詰2缶(オイルサーディン、コーンビーフ)、シリアル、子供用スナック、バター、歯ブラシセット、フェイスマスク


2つ目の避難所はAgoncilloから南に20キロほど下ったBauanにある、高校の体育館を利用した比較的大きな避難所を訪問しました。

ここには他の町からも、自宅で住めなくなった約120家族か住んでいます。フィリピン赤十字や沿岸警備隊も常駐している大規模な避難所になっています。ここでも一家族ずつに同じ物資を配給をさせてもらいました。

6年前の台風ヨランダの後のレイテ島でも学んだことですが、被災地に物資を送っても小分け作業が出来ずに役場に放置されていたり、役人に中抜きされたりすることも稀にあるので、手渡しで直接届けるようにしています。実際に現場に行って被災した人たちと話すことで、必要なもの、困ってること、被災した人達の状況を知ることができます。

この日も現地では中規模の地震が2度ほどあり、小さなものを含めると24時間で134回の火山性地震があったようです。二酸化硫黄の放出も増えているとのことで、フィリピン火山地震研究所は火山活動が活発化する危険があると、新たな警告をまさにこの日発表しています。今後さらに警戒が必要で、7キロ圏内への立ち入りがさらに厳しくなる可能性があります。一部では7km圏内の移住計画の話も出ている様です。

ご支援いただいた皆様、誠にありがとうございました。今後もまだ日本に残っているマスクを避難所へ届けると共に、状況を見ながら避難されてる方々の支援を続けていく予定です。

改めて心より感謝申し上げます。


株式会社ココウェル
代表取締役 水井 裕



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