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インプレッション

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#ロック

2017年明けに聞いたもの

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Pain of Salvation - In the Passing Light of Day:  ちょうど10年前に出たこのバンドの「Scarsick」を私は非常に好んでいて、それまで人類の進化だのカラチャイ湖への放射能物質不法投棄だのを変拍子多用のノリづらい楽曲に載せて歌っていた過去作とはまるで違う、社会への普遍的な憎悪と悪意が非常に分かり易く突き出たメッセージと、平均7分の長尺でもちゃんとパンチの効いた曲の数々から、異

ルーミニアーズとフロスト

今年よく聞いていた、アルバム2枚の簡単な紹介を。 4月に出た、ザ・ルーミニアーズ(The Lumineers)の2作目、「クレオパトラ(Cleopatra )」が一つ目。このアルバム、約12万5000枚(そのうち10万8000枚は、CDの形)を4月の第2週に売り上げ、その週ではダントツの全米1位と、地味ながらけっこう凄い実績を上げている。 彼らはコロラド州デンバーで2002年に、当初は3人組で結成されたフォーク・ロック・バンドで、ドラマーの弟が19歳の若さで麻薬問題で亡く

12/4/2016:最近やちょっと前に聞いた音楽作品の感想

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Cobalt - Slow Forever :  10年以上の活動でアルバムを幾つか出してはいるものの、地元グリーリー(コロラド州にある、人口約10万の街。2000年代初頭に注目を浴びた「Fast Food Nation」の第7章でも触れられている)近郊からツアー名義で出たのは一度だけとの事で(数少ないインタビュー記事によると、ニューヨークに住まいを移していた事もあったそうだが)、このひとたち、とにかく自らの創作物に対して

ここ数カ月で聞いていたもの

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Lady Gaga - Joanne:このひとが5年前に出した「Born This Way」は、終始アッパーでバタバタした曲の連発が、強引なインパクトを与えてくれて、それがかなり心地良かったのであんときゃ随分と元気を与えてもらったものだが、今回は豪華なゲスト勢にも関わらず、かなり抑えた雰囲気の、飾りっけのない作風。「Sinner's Prayer」や「Angel Down」のようにそれが巧く作用している印象的な曲も有れば、地

ここのとこ聞いたアルバム(10月下旬)

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 REOL - Σ(Sigma):快活なのに後ろ向きさを漂わせた歌声と、終始速やかに畳みかけるバック・トラックが、間髪入れず紡がれていき、13曲46分を一気に聴かせてくれる、とても新人のデビュー作とは思えない密度の濃さ。トイズが力を入れてPRするわけだ。2、3、5、7、8、10、13曲目辺りは一発で気に入ったし、ここ何年も30分を超えるアルバムを聞くのがキツくなっていた私が、各曲に興味を惹かれっぱなしで聞けたホドだもの。(歌詞

さっき聞いたもの(10月下旬)

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Korn - The Serenity of Suffering:一か月以上前から公開されていた楽曲群がいずれも良かったのでかなり期待していたし、実際、このバンドの向こう14年ぐらいの低調を、吹き飛ばして有り余った。ここ数年でロック音楽専門プロデューサーとして名を馳せたナッシュビルのひとを迎えたのもあって、全体的に重く、冷たく鋭い音作りなったのが、先ず大きい。加えて、一時期はダブステップやらエレクトロニカにまで手を出して迷走

最近聴いたもの(2016年10月中旬)

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Suicide Squad - The Album:21パイロッツによる主題歌「ヒーゼンズ」を始め、今のアメリカの若い層にウケるアーティストや楽曲が、ぎっしり詰まってる。大予算ハリウッド映画のサントラは昔から、その時代に沿った、若い子ウケするアーティストを揃えるのが本当に巧いのだが、これもその例外ではない。全部新曲ではなく、古い曲も幾つか混じっているが、BGM代わりのサンプラーとしては抜群の内容だと思う。パニック・アット・ザ