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2016年12月の記事一覧

【2016年12月】長編映画の短い感想

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 ----- War Dogs [RT]:  エフレイム・ディヴァロ(Efraim Diveroli)とデイヴィッド・パクオズ(David Packouz)という名前を聞いて、彼らの仕事が何なのかを即答できるひとは、かなりアメリカの軍事に関する事情を追っている証拠だと思う。簡単に言えば、2005年から2008年の間に、国防省に武器を売りつけていた、武器商人。  アニメ版が原作を超えた「ヨルムンガンド」もそう言えば武器商人の話

【レビュー(Review)】ズートピア(Zootopia)

(以下、今年3月ぐらいの感想なので、詰めの甘いトコ多々あるが、まあそれも一興) 事前評判の高さや、直接やり取りしている方々から「見たら感想を是非」と言われていたので、デッドプールに続く今年2つ目の大きな話題作、「ズートピア(Zootopia)」を見てきた。 家族連れが大挙する「サンタアニタ・モール(Santa Anita Mall)」へ、日曜の午前中に向かったからか、1人$7で見れる午前の回は完売。 午後以降はチケット代が1人$12にハネあがるので、どうしようかと思った

映画「Moonlight」感想

先日これを近所のインディ系シアターで観た際に言及したけど、来年早々に発表になるアカデミー賞の候補数を、「La La Land」と共に多分争う気配が濃厚な一作。 一言で説明するなら、マイアミの中でも黒人が主に住むゲットー(実際、撮影の殆どで、監督本人が出身のリバティ・スクウェアで行われた)で生まれ育った黒人男性の、人生記。幼少期、青年期、成人期の三部に分けられ、それぞれ違う役者を使い、物語を進めていく構成。 題材的に正直、どこまで「入れる」かは分からなかったし、ラストの成人

ルーミニアーズとフロスト

今年よく聞いていた、アルバム2枚の簡単な紹介を。 4月に出た、ザ・ルーミニアーズ(The Lumineers)の2作目、「クレオパトラ(Cleopatra )」が一つ目。このアルバム、約12万5000枚(そのうち10万8000枚は、CDの形)を4月の第2週に売り上げ、その週ではダントツの全米1位と、地味ながらけっこう凄い実績を上げている。 彼らはコロラド州デンバーで2002年に、当初は3人組で結成されたフォーク・ロック・バンドで、ドラマーの弟が19歳の若さで麻薬問題で亡く

12/4/2016:最近やちょっと前に聞いた音楽作品の感想

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Cobalt - Slow Forever :  10年以上の活動でアルバムを幾つか出してはいるものの、地元グリーリー(コロラド州にある、人口約10万の街。2000年代初頭に注目を浴びた「Fast Food Nation」の第7章でも触れられている)近郊からツアー名義で出たのは一度だけとの事で(数少ないインタビュー記事によると、ニューヨークに住まいを移していた事もあったそうだが)、このひとたち、とにかく自らの創作物に対して

【2,323】ポール・バーホーヴェン監督の10年ぶりの長編「Elle」

昨日書いた通り、午前中に優先事項を全て片付けてから、仏独白合作映画「Elle」を観てきた。 近所のラメルに行ったのはかなり久々だったが、いかにもインディペンデントな作品のポスターが多数貼られていたり、立て看板があったりと、雰囲気満点さが相変わらずだった。 着いた時間がギリギリだったので予告編の大半を見逃したが、まあこの作品、冒頭いきなり衝撃映像なので、本編に間に合って良かったわよ。 オランダはアムステルダムに、戦時中の1938年に生まれたポール・バーホーヴェン監督(Pa