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リモートチームで創造性や協調性を高める5つのコツ

2020年5月末、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言も全国的な解除をむかえました。

6月より再び出勤義務が課されている企業・組織もある一方で、リモートワーク期間の対応を経て、今後も一部リモートワークに代替するといったように働き方を見直していらっしゃる企業・組織もあるかと思います。

ミミクリデザインでも、6月以降はリモートワークを基本とする勤務ガイドラインを作成し、緊急事態宣言になる前と今とでは、働き方にやや違いが見られています。(もともと自由な働き方を奨励していたので、大きく変化したというわけではありませんが…笑)

リモートワークが日常的になるチーム・組織において、いかにチームの創造性や協調性を高めていくのか気になっている方も多いのではないでしょうか。特に、創造性や協調性が求められるデザイナーやクリエイター組織においては、リモートワークのノウハウが求められています。

先日、上場されたデザインカンパニー、Goodpatchさんなどでもリモートワークにおけるナレッジが日々紹介されています。例えば以下のような記事など。

そんな中、2011年から世界的にリモートワークを推進してきたInVisionが、デザインチームにおけるリモートワークのノウハウを無料公開し、話題になりました。

本記事ではこのFree bookのなかから、10年以上リモートデザインチームを率いてきた Greg Storeyによる、リモートチームでの創造性の発揮及び協調の仕方に関してまとめられた「第2章 Creativity and collaboration」を参考に、リモートチームで創造性や協調性を高めるコツを5つにまとめてご紹介したいと思います。

(1) オンライン環境を整備する

こちらは基礎中の基礎という感じで言わずもがな…という部分でもありますが、改めて大切な要素なのでピックアップしました。

Creativity and collaborationでは以下の点が挙げられています。

・高品質の音声接続を確保する
・ビデオをオンにし、お互いを確認できるようにする
・マルチタスクをしない

ちなみに、「高品質の音声接続の確保」は環境により難しい方もいらっしゃると思いますが、私自身はwifiから有線に切り替えてだいぶマシになったと思っています。

また、ミミクリデザインでは原則リモートワークになった初期の頃からパートナーであるDONGURIの、あるメンバーよりマイクにこだわることを強く勧められ、当時は特にその理由はよくわからず、勧められるがままに以下のような高性能マイクやヘッドセット(マイク付き)を取り入れました。

リモートワークをしてみて、このマイクが聞き手のストレスをいかに軽減するものかを非常に痛感しています。
マイクは自分のためではなく、聞く相手のためによいものを選ぶべきですね。

(2) ファシリテーターを設ける

Creativity and collaborationでは「すべての会議においてファシリテーターを設ける必要がある。これは、会議を成功させるために最も重要なことの一つである。」と書かれています。

この場合においての「ファシリテーター」とは、会議の進行だけでなく、ある程度の期間を要するプロジェクトの進行としての主催者を指していると推察できます。

具体的には、ミーティング等が円滑に進行し、メンバーが活発にコミュニケーションをできるように事前の準備・設計やコミュニケーションプランを練ることなどが提案されています。

また、そのほかにも、この後提案する(3)(4)(5)についても、積極的にそのプロジェクトのファシリテーターが気を配り、対応していくことが求められると思います。

(3) RACIの活用

人数が多ければ多いほどミーティングを円滑に進行するのは難しくなる…ということで、RACI(レイシー)の活用が提案されています。

RACIとは、「プロジェクトにおいて各々の役割を明確にし、円滑なコミュニケーションプロセスのもと、プロジェクト遂行できるようにするための思考ツール」で、会議に参加する必要がある人・事前/事後に相談する必要がある人を整理するものです。

以下のように、プロジェクトの「実行責任者」「説明責任者」「協業先」「報告先」を整理し、ミーティングの円滑な進行とコミュニケーションの流れを整理しています。

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私自身、これを機に初めて知った考え方ですが、オンラインにおいてはオフライン以上に情報のキャッチアップに神経を使わなければいけないという感覚があり、非常に参考になりました。「実行責任者」から「説明責任者」や「報告先」への説明タイミングなど日々試行錯誤しています。

(4) アイデア出しのハードルを下げる

Creativity and collaborationでは「リモート環境でチームが最初につまずくのは、大抵アイデア出しのプロセスである」と書かれているほど、アイデア出しに関して危惧が示されています。

アイデアの共有とコミュニケーションを可能な限りアクセスしやすく、摩擦のない、迅速なものにすることや、オフラインの場合のホワイトボード/付箋を使ってアイデア出しをするくらいの気軽さをオンラインで実現できるようにすることが提案されています。

私のチームでは、現在半年〜1年ほどに渡る、社外のメンバーも巻き込んだそこそこ大きなサービスデザインのプロジェクトをオンラインで進めているのですが、その進行を元Yahoo JAPAN!でUXデザインの専門家である瀧 知惠美に務めていただき、オンラインホワイトボードツールのmiro( https://miro.com/index/ )を使って日々のミーティングを行っています。

瀧のファシリテートのもと、miroを使って毎回スムーズなアイデア出しや意思決定が行われており、私自身はたとえ今後オフラインでミーティングができるようになったとしても、むしろオンラインのほうがアイデア出しがしやすい、そしていつでもどこでもボードが見れて便利とさえ感じています。

チームでmiroを共有して使う方法に関しては、瀧がわかりやすくnoteにまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

(5) 情報アクセスへの配慮

Creativity and collaborationでも「“知らないこと”を知らないことほど難しいことはない」と書かれているように、知らないことは質問もできないので、リモートチームにおいては、情報アクセスに関する工夫を行うことが大切です。

これはオフラインでももちろん大切ですが、オフライン時は職場での何気ない会話から情報をキャッチアップしていた…ということで担保されている部分があったのではないでしょうか。

オンライン環境下では、具体的には、以下のような工夫ができます。

・重要なコミュニケーションを単一の配布方法に任せず、繰り返し伝える
・ドキュメントを大切にする
・何かが変更されたときは、できるだけ早くドキュメントを更新し、チームメンバー全員が、何が変更されたのか、なぜ変更されたのか、どこで変更されたのかを知ることができるようにする
・作業を見える化する
参考)『Remote Work For Design Teams』第2章 Creativity and collaboration

どれも大切な工夫ですが、ドキュメントに残しておいていつでもだれでも情報にアクセスできるようにしておくことはすぐに始められる方法だと思うので意識していきたいですね。

一方で、「何かが変更されたときは、できるだけ早くドキュメントを更新し、チームメンバー全員が、何が変更されたのか、なぜ変更されたのか、どこで変更されたのかを知ることができるようにする」を実現するのは難しい部分もあるかと思います。

私のチームでは、週次の定例で「1週間のアップデート」という時間を設けており、そこで1週間の間に変更があったことはアジェンダに書き、口頭で共有するようにしています。

どうしてもslackなどのチャットツールに書いているだけだと読み飛ばしてしまうことがあるので、やや非効率な部分はありつつも(「ドキュメントに書いてあるから見ておいてね」の方が圧倒的に早いですが)、その時間は飛ばさないようにしています。

また、「作業の見える化」については、Creativity and collaborationのなかでいくつか有効な方法が示されていたので紹介します。

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以上のように、リモートチームで創造性・協調性を高めるにはオフラインのとき以上に注意すべき点もあります。また、オフラインであっても使えるナレッジがあるので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

ミミクリデザインにはオンラインツールを使いこなしてファシリテーションを行う猛者たちがおり、法人向けのファシリテーション研修も行っています。リモートチームの鍵とも言えるファシリテーションを学びたい方はぜひこちらで詳細をご覧ください。


また、ミミクリデザインと資本業務提携を行っているDONGURIも、リモート組織における設計・業務プロセス改善コンサルティングを行っています。組織デザイン面の改善に興味のある方はぜひこちらも併せてご覧ください。


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株式会社ミミクリデザイン(Director/Researcher)|東京大学大学院 情報学環 特任研究員| CULTIBASE副編集長|最近の興味関心はコミュニティと組織。組織開発の研究にも取り組んでいます✏️