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【コロナ禍のニューノーマル!?】コンサート中、常にマスクはつける?座席のソーシャルディスタンスは?

音楽コンサートなどのイベントが、観客ありで少しずつ行われるようになってきたイタリア。

私が住んでいるミラノ市も、市内のあらゆるところに“ARIA di CULTURA(文化の風)”と書かれたポスターを貼ったり、市主催のコンサートをしたりと、市民に対して積極的な文化活動を促しているよう。

前々回の記事で、コンサートの再開時期と以下の条件について触れましたが、私も先日、約4ヶ月ぶりにコンサートに行くことができました!!

イタリア政府からのコンサートなどの再開の条件(前々回の記事参照)

・屋外での公演は収容人数1000人、屋内は200人まで
・座席は指定席にする
・観客、演者同士ともに最低でも1メートルの距離を保つ
・スタッフ、演者、観客ともに37.5度以上の熱がある人は入場不可
・マスク着用
・飲食の販売は禁止
・可能な限り現金の支払いはなくし、電子チケットを使用する

と、様々な制約があり、通常とはかなり異なったコンサート体験となりましたが、

今回は、その際の様子について、アーティストや観客に対する主催側の感染対策コンサートの形式なども交えながら書いていきたいと思います。


屋内でのコンサート:ミラノのコンサートホール

今回足を運んだのは、屋内(コンサートホール)でのコンサート。

イタリア・ミラノのCairoli駅近くにあるコンサートホール、Teatro dal Verme(テアトロ・ダル・ヴェルメ) へ。

コンサートは、このコンサートホールが所有している“I Pomeriggi Musicali”というオーケストラのシーズン公演(音楽の"シーズン"についてはこちら)で、
ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスによる、モーツァルトの弦楽合奏曲で合計50分ほどのコンサートでした。

プログラム(全3曲、合計約50分)
モーツァルト:ディヴェルティメント K.136
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546
モーツァルト:アイネクライネ・ナハトムジーク ト長調 K.525


弦楽合奏曲とは?
クラシック音楽によく見られる編成であり、ヴァイオリン属の弦楽器による合奏。使用される楽器は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ及びコントラバスの4つ。
※今回は、ヴァイオリン5人、ヴィオラ3人、チェロ2人、コントラバス1人の編成でした。


まずは、コンサートホールの入り口で、検温をした後、ジェルで手を消毒。足元には、列ができた場合のため、ソーシャルディスタンスを保つためのシールが貼られていました。


入り口を入ってすぐのところには、コロナ感染対策用のポスター。様々な対策が取られていながらの公演再開なのだと、改めて感じます。


ロビーのベンチにも、ソーシャルディスタンスを保つ為のシールがありました。


コンサートホールの中へ

ホールの中に入ると、こちらにも感染対策として、座席にシールが貼られていました。観客と観客の間は、2席分の間隔があけられる形となっており、来場者は、シールの貼られていないところから、自由に座りたい席を選ぶことができます。


久しぶりのコンサートに来られた喜びと、慣れないコンサート形式に戸惑い、なんとも言えない微妙な表情になってしまいました(笑)。


コンサート前にはアナウンスがあり、着席の状態であれば、マスクを着用しなくても良いとのこと。6月末だったとはいえ、とても暑い日だったので、皆一気にマスクを外していました。これからの季節、マスクをし続けるのは、中々厳しいものがありますよね…。

出演者は、入退場の際だけマスクを着用し、演奏時はマスクは無し。また、指揮者とコンサートマスターの演奏前後の握手も無しひじを合わせるなど、これまで普通にステージ上で行われてきたことも、今は変える必要があるのだと気づきました。

演奏は、3曲(約50分)がすべて一気に行われ、入退場の際の感染を防ぐ目的なのか、曲目ごとに入退場しているのは指揮者のみでした。

終演後に指揮者のGianluca Capuano (ジャンルーカ・カプアーノ)氏から、観客に向けてのメッセージとして、「ここ(ステージ)に戻って来れたのは、演奏家の勇気があってこそです」との言葉があり、生の音を聴くことができるというのは尊いな、と胸が熱くなりました。

コンサート詳細
日時:6月26日20:30〜、27日20:30〜、28日11:00〜
チケット代:7€
編成:弦楽合奏(ヴァイオリン5人、ヴィオラ3人、チェロ2人、コントラバス1人)
来場者数:約50人
その他:イタリア国営放送ラジオ局RAI5の収録あり


今後のコンサート

このホールでは、音楽コンサートなどのイベントが解禁になった6月15日の0時ちょうど医療従事者向けに演奏が行われたそう。

ホール内の収容人数などの制限もある限られた条件の中、8月上旬まで公演がある日には、1日2回公演(別プログラム)が行われるようです。


終わりに

イタリアでは感染者数が減ってきていますが、日本の感染者数は日に日に増え、まだまだ先の見えない日々が続いています。

オンラインでの配信など、新しい音楽コンサートの形が世界各地で行われており、私もそれらをとても楽しく拝見していたのですが、今回コンサートで、楽器の"生の音"を聴いたら、なんだか生き返ったような気持ちになりました。

今後、音楽界にどのような変化があるのだろうか...まだ予想もできませんが、"生の音"を聴いた時のこの喜びは、忘れずにいたいと思います。






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