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入院日記(〜1週間)

あっという間に入院期間も過ぎ去っていった。
忘れないように入院期間中の記録も残しておこう。

◆入院3日目/手術当日

11時頃に手術室に移動するとのことだったので、その日の朝はご飯なし。
お腹が空くかと思ったが、思いのほか緊張しているのか特に空腹も感じない。
そろそろかな…とドキドキしながら11時…12時……待ち疲れた。
前の手術が長引いているらしい。
すぐ近くの待合いにいる家族に会いに行くこともできずLINEでやりとりをする。
コロナの感染拡大防止で会えないとはいえ、変な感じだ。
結局13時半。予定より2時間以上伸びてようやく呼び出し。
家族と合流し、手術室までは徒歩で移動した。
ストレッチャーに乗せられて「頑張れ」なんて励まされながら手術室に向かう…というイメージではないのだ。
まるで近くのかかりつけ医にでも行くような気やすさ。
緊張しなくていいのかもしれないけど。

家族と別れて手術室へ向かう。
医療機器とそして人が多いのに驚く。
なるほど、私に呼吸の管を挿入する係の救急隊員?の方や、研修医の人たちだろうか。
練習風景が見れないことが心から残念だ。

思いの外狭い手術台にヒヤヒヤしながら乗り込む。
(台はほっこりと暖かい)
今回もまた「ギリギリまで起きて、手術室の風景を目に焼き付けておこう」と意気込んでみたが、フワーっとしてきたと思ったら、あっという間にフェイドアウトした。

で。
気づいたら、手を振る家族の姿。
すっかり終わってる。
ぐぬぬ。

今回は集中治療室ではなく、元の病室に戻る。
いろいろ看護師さんが説明して下さるけど、ちょっと動くと「ひいいい!」ってなる。
左胸全体が痛い。特に上部が痛い。
咳とかすると泣けるぐらい痛い。
あとずっと同じ体制で上向きに寝ていることしかできないので背中が痛い。
電動ベッドの起きがり機能を使わないと身体を動かせない。
その日は寝たり起きたり…ずっとベッドの上の人となった。


◆入院4日目/術後2日目

浅い眠りを繰り返し、ようやく朝になった。
ううう。長かった。
久しぶりのご飯だったが座る体制がつらいのと、箸を持つのが億劫で、どうにも食が進まない。
昼からはご飯をお粥に変更してもらった。
スプーンで食べられる方が楽なのである。
徐々に痛くない食事のコツも掴んできた。
あとは、トイレだ。
前回もそうだったが術後しばらくは歩けないので自分でトイレに行けない。
なので管が入っているんだけど!!
だけど!!
意識がはっきりしてくるにつれてそれがめっちゃくちゃ苦痛なのだ。
頼む!早くとってくれ!
前回の入院時に集中治療室でずっと外せとごねてたお兄さん(声だけ聞こえてきた)の気持ちがよくわかる。
一度気になるとずっと気になる。
したい時にしたいようにトイレに行けることがいかに幸せか。
痛みの緩和より、食事より、何よりトイレのことを考えていた。

この時期の娯楽はもっぱらオーディブル。
起き上がることや、集中して何かを観るのがまだしんどかったので、耳から聴く読書がありがたかった。
すぐ眠くなっちゃったけど。

◆入院5日目/術後3日目

ベッドの上での起きがりの練習や、イメトレを繰り返し、
看護師さんにもう一人で動けるよっていうのを猛アピールして、
苦笑いする看護師さんと一緒に練習した結果、ようやく念願の一人トイレに行けることになった!
やった!!
トイレありがたい。

一人で起き上がって、トイレまで行けることが管が抜ける条件のようなので、術後は可能な時期から動く練習をしておいた方がいいのだろう。
前回は術後すぐでもリハビリをするべきという方針の病院だったので、かなり早い段階から自分でトイレに行かせてもらえたが、病院によっても違うのかもしれないし、術後の傷の具合もあるので無理は禁物だが。

とりあえず私の目論見は当たって、予定より早く自立が叶ったので、次回もこの方針で行こうと思う。
リハビリ大事。

起き上がりができるようになってくるとiPadでYouTubeやNetflixなんかを観てすごすことも増えてきた。

背筋を伸ばそうとすると痛みが走るので、自然と前屈みになって歩く。
で、ゆっくりとしか歩けないので、ヨボヨボと歩く。
さらに。
腰を曲げた状態でいるので腰が痛い。
看護師さんに相談して湿布を出してもらうことになった。
一気に年老いた気分だ。

その日の夜。
病院の近くで花火大会があり、目の前で上がる花火を入院患者の皆さんと一緒に病棟の窓から鑑賞した。
「こんな綺麗な花火見たら病気も治るわ」とのおじいさんの言葉にみんなで笑う。
笑うと痛むんだけどね。
まさかこんな綺麗な花火を病院で、そして入院中に見られるとは思わなかった。
タイミングよく歩けるようになってて本当によかった。
早く元どおりの生活ができるようになりますように。
大玉花火に願掛けをしておいた。

大玉花火は見切れていたが、仕掛け花火は目の前で観れた。まさか夏の思い出が入院中にできるとは。

◆入院6日目/術後4日目

麻酔の影響の吐き気も治まってきたが、動いていないせいか食はあまり進まない。
ふりかけに助けられる日々。
次はお気に入りのふりかけを厳選してこようと心に決めた。

気をつければ売店に行ってもいいと看護師さんからのありがたいお言葉をいただく。
前屈み具合も少し改善されてきたので売店まで階段も使って行ってみることにした。
痛くないようにそーっと足を下ろしながら、5階から1階まで階段で降りる。
かなり時間がかかったが達成感がすごい!
病棟フロア内の売店にはない飲料をゲットしてホクホクで帰る。
登りは無理せずエレベーターで。
明日は登りも階段トレーニングだ!

動くとすぐに疲れて眠くなるが、娯楽の幅も広がってきた。
夕食後、電話しつつモンハンを通信でしてみる。
熱中して同じ姿勢でしばらくいると痛くて呻くことになるが、日常が戻ってきたみたいで嬉しい。
モンスターにはガシガシ殴られたけれど。
身体もハンターとしての腕も弱っている。。。

◆入院7日目/術後5日目

身の回りのことは極力、朝に全て終わらせることにしている。
日の何度かの血圧・体温・酸素量・傷のチェックの他に、先生の往診と処置があり、その他に身体拭きや着替え、2〜3日に1度の洗濯など、暇かと思った入院生活もそれなりに用事がある。
その他、個人的に1日一度の階段昇り降りのリハビリ…を兼ねた売店への買い物。
そして夕食後夜の身支度を終わらせた後の、家族への報告電話。そしてその後22時の消灯時間までの電話とモンハンがルーティーンとなってきた。

と、そろそろ次のニーズが出てきた。
お風呂だ。
ドレーンが抜けるまではお風呂やシャワーに入れないらしい。
なので頭も洗えない。
でもめちゃくちゃ気になる、気持ち悪い。
使い捨てのシャンプーシートも微かな威力しか見込めない。
どうしたものかと悩んでいたら、看護師さんたちが洗ってくれるらしい。
なんだ頼めるのか。
忙しい手を煩わせるようで申し訳なかったが、久しぶりの洗髪はとっても気持ちよかった!
退院したらヘッドスパに行こう!
思う存分至福の時間を味わおう!
退院後の楽しみがまたひとつ増えた。


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