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貧血かと思ったら乳がんだったので。

今日は再建手術のための入院1日目。
乳がんの手術をおこなった地元の病院では再建手術ができなかったため、汽車(電車ではない)で1時間ほどの距離にある大学病院に来ることになった。
一人での入院は初めてで年甲斐もなくドキドキした。
ソワソワして荷物を出しては戻しを繰り返し、結局のところ中途半端な荷解きのまま。
チキンな自分を再確認している。

思い返せば、学生の頃から付き合いのあった貧血が乳がんを教えてくれた。
朝礼中に気を失う、階段から転げ落ちる…などなかなかハードな体験もありつつ、数値は上がったり下がったり、健康診断の血液検査で要検査、レバーを食べなさいなどの食事指導を受ける範囲で何とかおさまっていた貧血の数値が40代にして突如下がった。
今までの数値が10程度。
それが8になった。
たかが2。されど2!
この2が辛い。
すぐに息切れする。目が回る、立ちくらみがする。
なのに同じく以前は極度の貧血だった母は「私は6だった!」と自慢げに話してくる。
もうそれゾンビの域だ。母よ。

近くのかかりつけ医は10の頃に行ったが薬の処方にも至らなかったため、きっと今回も無理だろうと今まで行ったことのない漢方を扱う病院行った。
思えばそれが人生の分かれ目だったのかも知れない。

地域のお年寄りで溢れるその病院は、患者のお年寄りが総合病院で何かあったと聞けば自ら電話して尋ねる(抗議する)ような何とも人情派な、何かのお話しに出てきそうな先生がおられた。
治療を始めてもなかなか貧血の数値が回復しない私にその先生が「この先生は怖くないから」と近くの総合病院での精密検査を強く、とても強く進めてくださった。

心から心配してくださる先生を前に
「しんどいって聞く大腸検査と胃カメラをダブルでなんて絶対嫌です!」
なんて泣き言は言えず、渋々受けたのが一昨年の夏。
ちょうど今の時期である。

評判通りのしんどさの大腸検査と胃カメラの後で、人生で一度も人間ドックをしたことがないという私にたまたま先生がオーダーしてくださったCT検査のおかげで、奇跡的に乳がんが発覚したのだ。

そして。
治療も順調に進んでやっと乳房再建の段階に至った。
しんどい時もあったと思うがすでに初期の治療のことなど忘れかけている。
なんなら楽しかった思い出のようにすらなっている。
本当に記憶とは都合良くできている。

実際。
私にとっては人生初めての大病であり、
初めての全身麻酔手術であり、
そして長期(?)入院という未体験だらけ、わからないこと知らないことばかりだった。
治療法や使用する薬やその対策などは病院からの指導もあるが、化学療法にともなっておこる脱毛などの際に何が必要なのか、どんな帽子を選んだらいいのか、はたまた眉毛がなくなったらどうしたらいいのか、ほんとに毛が生えて来るのか!!…など、次から次へと戸惑うことの連続。
自分にとっての最適解がわからないという方が正しい。
何が便利で何が必要なのか。
闘病グッズとも言えるアイテムを選ぶ際に、同じ癌患者のレビューや体験談はとてもありがたかった。
一度しか使わないものが多い闘病生活。
失敗したくないから少しでも沢山の実際の感想やおすすめ情報が知りたかったから。

なのでここでは、私が実際に使ってよかったもの。
困ったことなど書き残して行けたらと思う。
時々日記的なものも含めて。

まずは「はじめに」的な前置きを書いてみた。
容赦なく22時で暗くなった病室にて。
(いつも思うけど消灯早い!!

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