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乳房再建手術(入院2日目/日記)

同室の方々の動きに合わせて、数時間おきに目覚めた昨夜。
寝不足かと思いきやいつもよりスッキリしている。
熱帯夜続きの下界と違ってこちらは24時間快適空間。
睡眠不足が治って夏バテ気味だった体も元気になってしまうかもしれない。

私の部屋は4人部屋。
お隣は高齢の女性。
他のお二人は化学療法開始直後の方々のようだ。
カーテンが閉め切ってあるのでお顔も見られないが、漏れ聞こえる先生たちとの会話から伺える。
あまり聞き耳を立てては失礼かと思うがカーテン越しでは筒抜けなので仕方ない。
私も通ってきた道なので、いろいろな症状でお悩みの様子を聞いては、
「うんうん。わかるそうだよね」
「あと少しだから頑張れ。過ぎてみればあっという間だよ。」
と応援したくなる。
多種多様な吐き気止めをお守りにしていた1年ほど前の私が懐かしい。

今日は看護師さんたちが数回明日の手術の説明に来られたのと、夕方にある執刀医の先生のマーキング…という呼び名が正しいのだろうか?
マジックで手術箇所を書き書きされるアレである。
それのみが本日の予定。

なので今日はお風呂も早めに入る。
二回目になると手順も慣れたものだ。
この入院中では試してみたかった色んなシャンプーのお試しパックを持ってきた。
昨日のはパサついてイマイチだったので別のを試す。
これはなかなか良い。
帰るまでにお気に入りのシャンプーが見つかりそうだ。
お風呂はシャワーと浴槽がついたタイプから選べるシステム。
30分刻みの予約枠だったので30分で入浴とか絶対無理だと思ってシャワーにしていたが、好きな時間枠を好きなだけ予約してよかったらしい。
30分でギリギリだと思っていたけど、そりゃそうだ。
次からはゆっくり予約をしよう。

お風呂の後は初めての洗濯。洗濯機と乾燥機がそれぞれ別になった100円のみ使えるコインランドリータイプだ。
この日のために洗濯用品もいろいろ調べて用意してきた。
旅行用の小分けタイプの洗剤と悩んだが、いつも家で使用しているジェルボールを持ってきた。
ぽいっと1つ放り込むだけでいいので楽ちんだ。
香りもいつもの家の香りで落ち着く。
一応柔軟剤入りのジェルボールだが、「柔軟剤は必須!!」と強く薦める友人のアドバイスに従い、柔軟剤は別に用意した。
シート状の柔軟剤で乾燥機に衣類と共に1枚入れるだけというもの。
ラップのような箱に一枚づつ取り出しやすいように入っている。
全部持ってくるのは難しかったので、ジェルボールと同じ枚数だけ小分けにして持参した。
苦手な人が少なそうな癒される優しい香り。
大正解。
これはおすすめしたい。
一人むふふとほくそ笑みながら次の選択も楽しみになった。

夕方になり先生に手術の場所をマジックで印をつけてもらう段になって、いよいよ明日は手術なのだなと実感が湧いてくる。
もう一人の先生と「ここから切る」とか「もう少し引き上げる感じで」など、メジャーや物差しを持ち、相談される先生たちの会話を聞いていると、自分が立体裁断でお直しされている洋服のような気分になる。
以前の手術は病巣を取り除くという目的があり、手術をしてみないとわからない部分もあったので、なんとも言えない緊張感があった。
それに比べると今回は「綺麗な胸を作る」という、どちらかというとワクワクするような目的だからか、私がそう感じているからか終始楽しい空気が流れているように感じるから不思議だ。

明日の手術室はどんな音楽が流れているのかな。
前回は意外にポップな曲で驚いたんだっけ。
手術台に乗ったらどんな感じかしっかり見といて!という友人の変わったお願いを叶えるため頑張ってキョロキョロしたものの、麻酔が始まったら瞬殺だった。
今回はもう少し粘りたい。
と、意味不明のやる気を出しつつ今日は終了。

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