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対談企画 第6回目 南海電鉄が取り組むeportsがもつ社会課題解決とは?

こんにちは

高槻市議会議員の西村ゆみです。

ボイシーでいろんな方と対談をしております。
こちら

発信しました内容、耳が不自由な方にも読んで頂きたいので、noteからも同時に発信しております。
※一部視覚で読みやすいように、表現を訂正しております。

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今日は南海電鉄、esportsを通じて街づくりをしているeスタジアム株式会社とエンターフォース株式会社の代表である池田浩さんをお迎えしました。

池田さんはプロesportsチーム、エンターフォース36を運営しています。
昨年度岐阜県で行われたesprtsリアルタイムバトル将棋大会に深くかかわっていることを知りまして、将棋の街高槻、将棋を推進していく市としてお話を伺っていきたいと思います。

西村:自己紹介をお願いします。

池田さん:eスタジアムとエンターフォースという会社をしております池田といいます。eスポーツ事業を主に行っておりますがエンターテイメントにて人を幸せにしたいという思いでやっております。最近はイベント、施設運営、その先に街づくりといった事業をしております。

西村:池田さん。ズバリ、eスポーツとは何ですか?

池田さん:言葉の意味はエレクトニックスポーツの略で、電子機器を用いた競技です。そのゲームにはたくさんのジャンルがあります。カードゲームとか、レーシングゲームとか、パズルゲームとか勝敗を決めるものです。そのチームで勝つために頑張ること、その戦いを見てオーディエンスが盛り上がったりなどをバーチャル上の世界で行うスポーツです。

西村:勝ち負けが分かるもの、それがバーチャル上で行われているのですね。

池田さん:はいそうです。

西村:先ほど「eスポーツを通じて街づくり」というお話をされていたと思うのですが、「eスポーツを通じての街づくり」とはどういう関係性なのでしょうか?

池田さん:ありがとうございます。僕もeスポーツを始めた時、街づくりという言葉を最初から意識して動いていたわけではありません。eスポーツのお店を運営しており、そのお店の名前がeスタジアムというのですが、eスタジアムに訪れるお客様というのはゲームしかしない人たちだけではないことに気づきました。子供から大人までたくさんの方がきて、ゲームを通じて楽しそうにしている、その人の人生の瞬間が色鮮やかになっていくのをみてきました。これは「ライフスタイル事業」と考えました。ライフスタイルというのはいろんなライフスタイルがあります。例えばマラソン好きな人が好きなコースを走って汗を流して誰かとコミュニケーションとったりとか、カフェ好きな人はカフェ巡りとか。それと同じでeスポーツが好きな人はゲーム上で競うのが好きな人、それをコミュニケーションツールとして考える人というライフスタイルで考えると、街って人が作ると思っています。街は人を作りません。ライフスタイルがあるということは必ず街ができあがっているんだろうと考えています。教育や住まい、または働く、この3つのキーワードが入っていることが初めて街になると考えていて、そこを繋がることをeスポーツのお店を通じて提供できているのか?を事業として大事に考えています。

西村:esportsを通じての街づくり、奥が深いです。ありがとうございます。そのような思い、これまで事業をされてきた中で、やはり気づかれてきたのですか?

池田さん:はい、たくさんの人と出会ってきたので、このような思想になりました。事業を継続していけば特にeスポーツとかエンタメなどは目立つので、光を放つような事業と思われがちなのですが、とにかくそういう光を放つ事業の特性として広告媒体としての価値が選好しすぎます。影響力があるため、影響力がある人には、こういう事をPRしてほしいと、こういう事を言ってほしいと要望をもらいます。企業が期待する気持ちも分かります。ただ、僕は創業以来、こだわりにこだわってきたのは、広告媒体としての価値が選好しすぎないように事業をコントロールしてきたことには自信があります。もちろんイベントやチームも協賛という形でスポンサーの皆様に支えて頂く部分もあるのですが、どちらかというと社会課題の解決のためにeスポーツを活用させる、ここに一番共感頂いて、同意いただいて、納得いただく、賛同いただいた方がパートナーさんとしていらっしゃいます。他業種の方から学ばせていただくことすごく多いです。南海電鉄との出会いはとても大きかったです。大阪の難波という街を中心に、140年近く、創り上げてきた会社です。向き合っているところはどこか?というと当然、運輸収入、不動産収入などはありますが、根底にあるのは、人との幸せ、エリアに住む人たちの幸せを考えています。そのためにものすごく努力されている姿を見せて頂いた、僕は南海電鉄さんとeスポーツをしたのはすごくよくて、地に足がついたeスポーツができていると思っています。だから街づくりというキーワードも、南海電鉄のeスポーツ事業の責任者の方から、頂いたキーワードでもありましたし、実際に訪れる市民の方、子供たち、お年寄りの方たちの役にたてるんだな、広告媒体ではなくともが役にたてるんだな確認できています。

西村:eスポーツそのものの価値ですよね

池田さん:はい、スポーツが与えるのは夢なので、叶える側よりも与える側になれるのはすごく大切な考え方だと思います。だから街づくりはよく似合っていると思います。

西村:池田さん先ほどお話下さった、「eスポーツで解決できる社会課題」について具体的にもう少し詳しく聞いていいですか?

池田さん:はい、先日岐阜県で行ったイベントがあります。グランツーリスモというレーシングゲームタイトルがあります。基本的にレーサーたちが競争するものでこのゲーム、正しくはリアルドライビングシュミレーターグランツーリスモという名前なんです。

西村:長いですね

池田さん:この長い言葉に意味があるんです。リアルドライビングシュミレーターという言葉は、自動車運転の教習所にある、車に乗る前に危ないですよが分かるゲームセンターにあるようなゲームを運転しているものでそれの超リアルバーションです。自分が踏んだアクセルとか、ブレーキ、動かしたハンドルが細部に伝わる、画面にも伝わる、これを活かして交通安全のイベントを開催しました。車は急には止まれないと言いますよね?子供たちに知ってほしかったのは車の視点、車の視界です。どのような視界が見えていて、アクセルを踏んだらどのようなスピードでその速度まで達するのか?ブレーキを踏んでもすぐには止まれないんだよということを子供たちに向けて理解を促すファミリーイベントをしました。岐阜県警さん公認で、ゲームの機能で車にラッピングができるので、パトカーに乗ってみようと、バーチャル場で車に乗れるようにしたんですね。乗ることによって競うではなく、交通安全のルールを知るとか、車の仕組みを知るとか、これは子を持つ親ならわかると思うのですが通学路の行き来の心配さ。それは子供の意識もあげなくちゃいけないし、お父さん、お母さんに対しても安全運転を心がけようねというようなこともできる、これはまさに社会課題の解決になると思ってます。

西村:esportsはゲームだけだと思ってましたが、そうではないのですね

池田さん:正しくは、esportsで社会課題を解決した事例というよりは、ゲームを活用した社会課題の解決というほうが正しいかもしれません。僕たちはesportsの専門家ではあるものの、決して競技シーンだけにこだわっているわけではありません。

西村:スポーツと言葉がついてしまうと、さっき冒頭でおっしゃっていた勝ち負けだけのイメージでした。

池田さん:もちろんそこのよさは否定しません。私もプロチームをしておりますから勝つための執念とか、それを魅了する世界もあってここは全く否定しませんが、実は競技以外でもバーチャルを活用した社会課題を解決する時代にきているということは知って頂きたいです。あとは競技という意味で、年齢とか性別とか、国籍、文化、宗教、あらゆるボーダーを超えやすいといわれる競技なんです。それは多様性が認められる社会の中で、ふさわしいスポーツの種目になってきているのかなというのはありますが、まだまだ環境の整備は追いついてなくて、みんなが期待するほど簡単にハードルを超えられるかというと超えれるものもあるし、超えれないものもあるのが事実です。

西村:奥が深いですね・・ゲームとエンタメでできる価値を感じます。実は、esports、私も以前に少しかかわったことがあります。自宅にずっと引きこもっていた青年で、esportsと出会って、対戦するようになって強くなって外にでるようになって周りとコミュニケーションできるようにもなって、「esportsが自分の人生を変えてくれた」とイキイキ笑顔で話されている方と出会ったことがありました。新しい居場所というか、価値の一つと感じてます。

池田さん:本当にその通りです。居場所という言葉は深い言葉です。僕たちeスタジアムはライフスタイルを提供すると先ほど伝えましたが、提供するものは決まっているのですがどういう場所になりたいか?と考えた時、誰かの居場所になりたいと思ってます。難波店は今度移転するのですが、一度テスト的に本棚などおいて図書館みたいにしようかなと。そこに訪れる人がゲームの好き嫌いにかかわらず、ここって居心地いいなとか、来てもいい場所なんだと認識することができれば人も来てくれますし、人が集まるとコミュニティが生まれるのでやっぱり友達が出来た、知り合いができてとなると、自分が存在していいんだと思うとすごく温かくなれるし、そういう事業は滅びません。なのでesportsとかゲームを通じて僕は居場所を作りたいと思っています。これが実はリアルとかバーチャルとか関係ないのですが、バーチャル上の居場所だけでは不十分なのでは?と思っています。リアルな顔を見合わせて感じれることとか・・・昔の公民館的なものを作れたらいいなと思ってやってます。

西村:コロナで家から出れなかった時に、人とリアルで会っていくとやっぱり対面の価値は感じますよね?

池田さん:やっぱりなんとも言えない感じてすよね。オンラインでもいいのですが、という「でもいい」なんですよね。リアルに人と会うことがオンラインでは埋めれない最後の数%のものがあるような気がします。。esportsはバーチャルだからいらないだろうと言われるのですがそんなことない。オフラインで集まって一緒に練習したほうがやっぱり強いです。

西村:やっぱりチームワークですよね

池田さん:はい、そして何より間違いを許せます。オンライン上だと「何してるんだ」と怒られるところを、リアルだと「どんまい」と言えたりする。

西村:めちゃよく分かります!

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西村:話はまた変わるのですが岐阜県で行われたリアルタイム将棋バトル、銀星戦についてお話を伺ってもいいですか?

池田さん:これは普通の将棋をゲームにしたものではなく、若干将棋にプラスアルファされたゲームです。よーいスタート!になった際に何手指しても構わないんです。だいたい1手づつ指すのですが、よーいどん!で指せるだけ指す。先に王をとったほうが勝ちというゲームです。ここのゲームを開発された会社さんが岐阜県にありまして、その岐阜県で発祥されたIP、ゲームタイトルのことを銀星戦、将棋の世界でいう竜王戦とか、タイトルマッチのことをさします。1つのタイトルマッチではあります。主催は一般社団法人eボードゲーム協会というところがしてます。地元の企業さんが協賛にはいり、私たちは制作という形で入りました。

西村:プロの方たちなんですよね?

池田さん:はい、e棋士と言ってプロです。リアルタイム将棋バトル大会は日本esports連合が定める認定ゲームタイトルです。そのためプロライセンスが発行されているゲームタイトルになります。日本esports連合のホームページを見て頂くと、プロライセンスが発行されているゲームライセンスが確認できます。

西村:ありがとうございます。ちなみに1つ聞いてみたい事があります。娘が視覚障害で今後の可能性を探している過程にいるのですが、ずばりesportsと視覚障害はどう思いますか?

池田さん:現に、私たちのesportsの世界で、何か障害という言葉を持たれて生活をされている方々はいらっしゃいます。そういった方々が活躍されているのは事実です。ただ、視覚障害となるともっと私たちはバージョンを用意しないといけません。音声からの情報がかなり重要になりますよね?

西村:はい、生命線です

池田さん:僕一度、過去にストリートファイターの日本チャンピオンと遊びで戦ってもらったことがあるのですが、その時にチャンピオンが目隠しをしていたにも関わらず、僕は負けたんです。

西村:え??

池田さん:しかも相手は片手なのに負けました。音でちゃんと判断しているんですよね。ダメージを受けるとバンと音が鳴るじゃないですか?こういったもので判断してコンボをしているようです。つまりは・・・できるんだけど、唯一彼が僕にダメージを加える事ができなかった瞬間がありまして、それは、よーいスタート!の時に僕が離れたことです。離れた時にチャンピオンはどこに僕がいるか分からなかったので、近くまで寄るか、離れるかしかできない。過去、esportsの世界にもパラリンピックのようなものがありまして、その格闘ゲームの内容をみたときは横にサポーターがついていて、敵の位置がどこにあるか?は告げていました。だから、それがゲームとしての機能に入っておくべきだと思ったんです。やっぱり場所を特定するとか、今どういう状況にあるかとか情報が十分ではないと思います。先ほどの質問にお答えするならば、もちろん障害を抱えた方がesportsを通じてできますが、私たち側の意識が足りてないのが事実です。そこの整備ができていないから、プレイヤーにだけこれできるからやってみなさいというのは少し上からすぎないか?と思います・・・

西村:今のお話を聞いて、公平と平等の言葉を思い出しました。

池田さん:なるほど。確かに、A視点から見たらできているけど、B視点からみたら全く公平感がない。でもA視点からなら「できているよね?」という雰囲気ありますよね。福祉とか、環境とか1つの目線からだけでは絶対ダメだと思ったので、本当は胸張ってesportsはハンディキャップなくてと言いたいのですが・・これいうと嘘になるので、いろんな人のご意見をとりいれながら成長していきたいです。

西村:池田さん最後の質問です!esportsがもたらすやさしさとは?何でしょうか?

池田さん:やさしさって、悲しみとかを防げるものだと思ってます。esportsを通してやさしさをだしていくためには、その答えはesportsにはなくて、esportsをしている人たちを本当にその人のことを考えられていたり、その人がどこに痛みや悲しみを持っているか?着眼ができていればその解決の方法に僕たちのesportsやゲーム、エンタメを通じていけばいいのかなと思います。

西村:ありがとうございました

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