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第5回 更年期症候群(女性)


2024年1月29日


私のクリニックは40代、50代の女性の方が多く、更年期症候群で通院されている方がとても多いです。
更年期症候群と聞くとどんな症状を思い浮かべますか?
一般的には、イライラ、ほてり、発汗などの症状を想像しがちですが、実際診療でよく聞く訴えは、疲れやすい、肩こり、不眠、気分の落ち込みです。なんとなく不調だけどなんとかやり過ごしていたのが、徐々に症状が悪化して相談されるケースが多いです。
漢方薬メーカー ツムラのアンケートでは、更年期症状を自覚する女性の54%が「日常生活・社会生活に支障をきたしている」と回答し、その3人に1人が「我慢したまま何もしない」そうです。自分に起きている症状は、自分でなんとかするもの、と我慢したり諦めたりしている方が多いのかもしれません。
更年期症候群は女性ホルモンの変動が原因で様々な症状が起こります。更年期の症状は誰にでも起こり得ますし、閉経するまで何の症状も出ないこともあります。今まで病気になったことのない方が急に疲れやすくなったり不眠が重なると、気分も落ち込んでいきます。更年期は身体に大きな変化を迎える時期で、仕事、家庭、介護など自分と自分以外に気を遣い、体力を使う時期でもあります。
ここでは、更年期症候群はクリニックで治療ができることをお伝えしたいと思います。
私のクリニックでは更年期症候群の治療は、プラセンタ注射と漢方薬を組み合わせていきます。
プラセンタ注射は胎盤製剤で、更年期症候群の治療が保険で受けられます。自治体によって年齢制限は異なるようですが、当クリニックの地区では45歳から60歳で更年期症状のある方に保険が適応されます。(3割負担で500円、基礎疾患があると料金が少し異なります。)
プラセンタ治療はまた別の機会に詳しくお話ししたいと思いますが、即効性はないので最初は週に数回通院していただき治療を受けていただくことになります。プラセンタ治療でたくさんの方の更年期症状が楽になっていくのを目の当たりにしてきましたので、当院では更年期症候群の治療の第一選択がプラセンタ治療です。
ただし、プラセンタ治療はゆっくり効いてきますので、その方に合わせた漢方薬を併用して症状を早く取る方法をとっています。
プラセンタ治療で人生が変わった患者さんをたくさん見てきています。
50代女性、元々は看護師さん。不眠があり、気分の落ち込みがひどく、体がだるくてつらい。なんとかなりませんか、と外来に来られた患者さんですが、初診時に更年期症候群と診断しました。当日からプラセンタ治療と漢方薬を開始し、1ヶ月経ったあたりから笑顔が増え、よく眠れるようになって毎日が楽しくなってきたと言われました。プラセンタはお肌も髪も美しくする効果があるので、お化粧も楽しむようになり明るい色のワンピースも着るようになったので、旦那さまから「綺麗になったね」と褒められるようになりました。こんなエピソードを聞くととても嬉しくなります。
更年期をうまく乗り越え、皆様に「幸年期」として人生を楽しく心地よく過ごしてほしいと願っています。


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