見出し画像

第32回 熱中症にスポーツドリンクはダメ!

2024年8月5日

健康と美容、栄養、ウェルエイジングを専門としている内科美容皮膚科医 中島由美です。

今年の夏は酷暑です。
天気予報をみると日本列島が連日真っ赤になっています。

暑い夏は脱水症や熱中症を起こす可能性が高くなります。
みなさんは熱中症予防には何を飲んでいますか?

熱中症予防にはスポーツドリンクや塩飴を、とよく耳にします。
でもこれは、間違いです。

スポーツドリンクには砂糖がたくさん含まれています。手につくとベタベタしますよね。
子供の頃、スポーツドリンクをこぼしたところにはアリがたくさん寄っていました。

スポーツドリンクの成分表示をみると最初に糖と書いてあります。
成分表示の最初にあるものが1番多く含まれている成分となりますので、スポーツドリンクの主成分は糖ということになります。
計算すると500mlのスポーツドリンクには角砂糖5個。
水分補給のつもりが、砂糖水を飲んでいることになるのです。

スポーツドリンクは甘いから水で薄めているという方もいらっしゃいます。
でも、500mlのスポーツドリンク+水500mlで薄めて飲んでも、体の中に入ってくる砂糖の量は変わりません。

砂糖を体の中にたくさん入れると何が体の中で起こるのでしょうか?
血糖が急激に高くなり、膵臓からインスリンが多量に出て、しばらくすると血糖が急降下します。
高血糖の時に私たちの血管の内膜は傷つき、動脈硬化がすすんで血管がボロボロになります。
血糖が急降下する時、眠気や倦怠感を引き起こし、インスリンが過剰に出ていると低血糖になります。低血糖は頭痛や、手の震え、意識が遠のくような感覚になり、血糖を上げるためにまた砂糖を体の中に取り入れたくなります。

スポーツドリンクをたくさん飲み続けると、ペットボトル症候群から糖尿病を発症してしまいます。
(実際、私が小児科で勤務していた時に、小学生の男の子がペットボトル症候群で糖尿病になっていました)

塩飴も市場にたくさん出ていますが、これも1粒5gのうち4.7gが砂糖でできています。
塩ではなく、角砂糖を舐めているのとさほど変わりがありません。

私たち日本人は推奨されている塩分量より多く、毎日摂取してます。
汗をかいたところで塩分が不足するということはほとんどないようです。

それよりも、汗をかいて失われるのはビタミン、ミネラルです。
ミネラルのうちのマグネシウムが寝ている間に汗から失われると足が攣ったり、ビタミンB群が失われると睡眠も悪くなります。

暑さのせいで食欲もあまりなく、ビタミン、ミネラルが不足しそうな時は、サプリメントで補うと良いでしょう。

水分はお水が1番です。体はお水でできていますから。
コーヒー、紅茶、緑茶、ジャスミンティ、烏龍茶はカフェインの利尿作用で体の中にとどまりません。お酒もそうですね。
お水は2~2.5L飲むようにしましょう。
最初のうちは排泄力が弱くむくむこともありますが、1ヶ月続けると排泄力もよくなってきます。

昼も夜も暑い今年の夏は、水分量とビタミン・ミネラルに気をつければ元気に乗り越えることができると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?