第46回 過敏性腸症候群
2024年11月11日
健康と美容、栄養、ウェルエイジングを専門としている内科美容皮膚科医 中島由美です。
過敏性腸症候群
聞いたことありますでしょうか?
消化器内科医として働いていた時に非常によく診た疾患です。
お腹が張る、下痢と便秘をくりかえす、お腹が痛い、などの症状で日常生活を困らせます。
試験前、プレゼン前に必ずお腹が痛くなったりゆるくなってしまうのもこの病気の一つです。
過敏性腸症候群は、下痢型、便秘型、下痢と便秘を繰り返すという3パターンに分かれます。
腸が過敏に反応して、普通便がでない日が続いてしまうのです。
この病気の難しいところは、胃カメラや大腸カメラをしても異常がなく、原因がよくわかっていないところです。
ストレスが原因とも言われることがあります。
薬も一応、過敏性腸症候群に対してありますが、とても効果があるのはごく一部の方なので、ほとんどの方はなんとなく腸の調子が悪い日を過ごしています。
そこで考えたのが、普段食べているものが腸の具合の良し悪しを決めているのでは?ということです。
最近は薬だけでなく、食生活の改善も視野に入れて患者さんにお話しています。
代表的な例を上げると、小麦と乳製品を避けて腸の負担を減らすこと。
ニンニク、玉ねぎ、発酵食品は腸の中で発酵してガスが充満するので、過敏性腸症候群の方はなるべく避けること。
一般的に腸に良いとされる、ヨーグルトや納豆、キムチなどに注意が必要ということです。
この食事療法は低FODMAP食と言われるもので、外国では低FODMAPレストランもあるそうです。
気になる方は低FODMAP食について調べてみてくださいね。
当院でも必要な方に実施しています。
過敏性腸症候群の方が、この低FODMAP食に変えると、そういえば最近腸の調子がよくなりました、と言われることが多いです。
そして疲れを感じにくくなった、朝の目覚めがよくなった、と言われることもあります。
私から見ると肌もきれいになっている方もいらっしゃいます。
毎日スッキリ便が出ることが大事です。
何らかの排便異常がある場合は、医療機関を受診して自分の体と食生活を見直しましょう。